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住宅に設ける「窓」、設置高さの基準ってあるの?

2019.8.24

住宅を建てるとき、窓の大きさや位置、種類をどのように決めているでしょうか?

実は、機能面、デザイン面、法規制面など、考慮しないといけないことが意外と窓にはたくさんあります。

それらを踏まえて、窓の設置高さを検討してみましょう。

この記事の中で、住宅に窓を設置する高さの基準についてもお話ししますので、参考にしてみてください。

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「窓」の役割とは?

住宅を建てる計画をするとき、必ず窓の設置を検討することになるでしょう。

その窓は、何を基準に決めるべきなのでしょうか?

まずは、窓の役割についてご説明していきます。

窓の役割は、設置場所や設置目的によっても様々ですし、一つの役割のために設置される場合もあれば、いくつもの役割を兼ね備えている場合もあります。

主な役割は以下の通りです。

・採光(外の光を部屋に取り込む)
・換気(外の新鮮な空気を部屋に取り込む)
・排煙(室内で火災が発生した際、適切に煙を外部へ放出する)
・通風(風通し)
・出入り
・防犯
・避難
・眺望
・防火
・デザイン

また、法的規制によって、大きさや設置位置、設置高さや種類まで制限される可能性がありますので、順番に詳しくご説明していきます。

住宅に設置する窓には多くの種類がある!

窓はいつも目にしているものですが、よく意識して見てみると非常にたくさんの種類があるのに気付きます。

あらためて、窓の種類と特徴をご説明しましょう。

【大きさによる分類】

・掃き出し窓(人が出入りできる床から天井付近まである大きな窓)

・腰窓(腰以上の高さに設置された出入りのしない窓)

【開け方による分類】

・引き違い窓(2枚の窓を左右に開閉する窓)

・片引き窓(2枚の窓はあるが、左右に開閉できる窓はどちらか1枚のみ)

・片開き窓(左右どちらかに開く窓)

・両開き窓(左右どちらも開く窓)

・内開き窓(内側に引いて開ける窓)

・外開き窓(外側へ開いて開ける窓)

・突き出し窓(窓枠の上部を軸として外側へ開く窓)

・滑り出し窓(枠に設けられた溝に沿って窓を外側へ滑り出して開く窓)

・内倒し窓(内側に倒して開ける窓)

・外倒し窓(外側に倒して開ける窓)

・オーニング窓(ハンドルを使って複数の連なったガラスを開ける窓)

・上げ下げ窓(上下開閉する窓)

・FIX(はめ殺し)窓(開くことができないガラスだけの窓)

【窓の形による分類】

・出窓(外壁から突き出して取り付ける窓)

・スリット窓(細長い窓)

・小窓(文字通り小さい窓)

・ポツ窓(外壁に対してポツポツと独立して設けられる小窓)

・連窓(窓を複数連ねた窓)

【機能による分類】

・排煙窓(煙を外へ排出するための窓)

・非常用進入口(有事の際、消防隊員が建物に進入するための窓)

・防火戸(隣地等からの延焼を防ぐための窓)

以上のような種類が窓にはあります。

それぞれ特徴があり、メリットやデメリットもあります。

住宅の設置基準から使用できる窓が限定される場合もありますので、ご注意ください。

窓に関する法的基準とは?

次に、窓に関する法的基準には、どのようなものがあるのでしょうか?

建築基準法における代表的なものをご説明します。

〇採光

採光に有効な面積が、その居室の床面積の7分の1以上であることが必須です。

「採光に有効な面積」とは、実際の窓の面積に採光補正係数(軒先から隣地境界線までの距離と、窓の中央から軒先までの高さで求められる係数)をかけて求められる面積を指します。

また「居室」とは、人が常時使用する部屋のことで、リビング、ダイニング、キッチン、寝室などが該当し、トイレ、浴室、洗面所、玄関ホール、廊下などは除きます。

つまり、採光については、窓の大きさや取り付ける高さに、規制を受けることになることがいえるのです。

〇換気

換気に有効な面積が、その居室の床面積の20分の1以上なくてはなりません。

「換気に有効な面積」とは、実際に開口できる面積を指します。

例えば、引き違い窓であれば窓の半分の面積、開き窓であれば窓全体の面積が当てはまります。

したがって、換気については、窓の大きさと種類に規制を受けることになります。

〇排煙

排煙に有効な面積が、排煙対象床面積の50分の1以上あることが大切です。

なお、上記の規制は、窓を使用した自然排煙方式の場合であり、排煙機を利用した機械排煙方式を使用する場合は除きます。

「排煙に有効な面積」とは、天井から80cmまでの範囲にある開口の面積です。

そのため、排煙については、窓の大きさや高さ、種類に規制を受けます。

これほか、延焼、火災時の進入、構造等によっても、窓は規制を受けることになるでしょう。

窓の役割から考える設置高さの基準

次に、窓の役割から設置する高さを決める目安をいくつかご説明していきましょう。

(ここでは、法的規制は考慮しないこととします。)

〇採光

光をたくさん取り込みたい場合は、床から天井までの大きな窓が効果的です。

人目が気になるが光を取り込みたい場合は、天井付近に横長の窓が効果的です。

常に大量の光を取り込みたい場合は、屋根にトップライトの設置を検討してみましょう。

和室の様に明るくする必要がない場合は、床付近に横長の窓を設置する場合もあります。

〇換気

部屋の1面の壁には天井付近に窓を設置し、その反対の面の壁には床付近に窓を設置すると、室内の空気の温度差によって、効率よく換気ができます。

〇排煙

煙は上へのぼっていくため、排煙を目的として窓を設置する場合は、天井付近が最適でしょう。

〇防犯

掃き出し窓は、容易に出入りができるため、防犯上は不利です。

(シャッターを設置するなどにより対応は可能です。)

その点、腰窓は窓の設置位置が高いため、侵入されにくく、防犯上は有利だと言えます。

〇眺望

眺望のいい方向に対しては、大きな窓を設置したいものですが、景色を「絵」ととらえて、額縁を飾る高さに窓を設置するのもおしゃれです。

通行人から見られる可能性がある面に窓を設置する場合は、通行人の目線の高さからずらした位置に窓を設置するのも効果的です。

窓の安全面から考える設置高さに関する法的基準

採光や排煙に有効な面積を確保するためには、先ほどお話ししたとおり、高い位置に設置する方が有利に働きます。

ここでは、それら以外の「安全面」についての法的基準をご説明していきます。

住宅を建てるときの基本になる法律は、「建築基準法」です。

「採光」「換気」「排煙」の規制も、この建築基準法で決められています。

それでは「安全面」についても、同法律で規制されていると考えられがちですが、実は決められておりません。

つまり、窓からの落下などに対する安全面についてに明確な規制はないということです。

規制がないからといって危険な窓を設置して良いわけではなく、建築主や設計者の判断で安全な高さに設置したり、手すりなどの安全対策を講じましょう。

しかし、建築基準法には、落下防止という観点では手すりについての規制があります。

「2階以上の階にあるバルコニー等の周りには、安全上必要な高さ1.1m以上の手すり壁や柵を設けなければならない」というものです。

1.1mというのは、人間工学上、成人男性の体の重心を考慮して決められているようです。

高齢者等への配慮から考える窓の設置高さに関する法的基準

前述しました建築基準法以外の規制については、「住宅品質確保促進法(品確法)」という法律において、基準が決められています。

この法律は、消費者が安心して住宅を購入できるように、客観的に住宅の性能を評価するものです。

この法律の中で、「高齢者等への配慮に関すること」の性能として、2~5の等級の評価を得たい場合は、窓台(窓の下枠)の高さの規定に、窓の手すりを適合させる必要があります。

【2階以上の窓に対する規定】

1、窓台の高さ:床面から「650以上800mm未満」の場合;手すりを「床から800mm以上」(3階以上の窓の場合は1100mm)の高さに設置

2、窓台の高さ:床面から「300以上~650mm未満」の場合;手すりを「窓台から800mm以上」の高さに設置

3、窓台の高さ:床面から「300未満」の場合;手すりを「床から1100mm以上」の高さに設置

この規定からも、窓の下端の高さは、最低でも床から800mmにすべきだと考えられています。

法的基準を最低限守って使い勝手のいい高さの窓を選ぼう!

窓には様々な役割や種類、規制があることで、住宅に設置する目的も様々です。

窓の設置高さに関する法的基準は、あくまでも最低限の基準です。

その最低限の基準も、その住宅で安全に生活するために必要な数値が算出されています。

その基準を理解した上で、目的に応じた窓を選び、使い勝手のいい高さを設定するようにしましょう。

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