ガラスフィルムは、窓ガラスに貼ることで、いろいろな効果が得られるフィルムのことです。
最近では、ホームセンターなどでも、さまざまな目的別のガラスフィルムが売られており、自分で簡単に窓に貼ることができます。
今回は、その用途や貼り方のポイントなどを解説していきましょう。
窓にガラスフィルムを貼る際の準備
部屋の窓には、通常は透明のガラスが使われていることが多いですよね。
しかし、例えば外から見えないようにしたい、割れても飛び散らないようにしたいなど、なにかしらの効果をプラスしたい場合があります。
そんな時、役に立つのが窓用のガラスフィルムです。
普通のガラス窓に貼ることで、曇りガラスのように外から見えないようにしたり、強度を増したりすることができます。
そして、意外と簡単に貼ることができるため、業者さんにお金を払って貼ってもらわずとも、ホームセンターなどで購入して、DIYすることが可能です。
そこで、まずはその貼り方を順を追って説明していきましょう。
用意するのは、ガラスフィルム、カッターナイフ、メジャー、霧吹き、中性洗剤(台所洗剤)、定規、セロハンテープ、スキージー、ペーパータオルです。
この中で、改めて購入しなければならないのはスキージーでしょうか。
スキージーは、ゴムやナイロン、ウレタンなどでできた四角いへらのことで、安いものならホームセンターや通販で数百円で入手できます。
貼ったフィルムを圧着したり、空気を抜いたり、角を押さえるために必要になるので、使いやすそうなものを1つ用意しましょう。
あとは霧吹きに、2~3%の中性洗剤の水溶液を作れば、道具の準備は完了です。
ガラスフィルムの貼り方の手順とポイント
では、次にガラスフィルムの貼り方や作業のポイントを解説します。
まず作業に入る前に、カーテンなど窓に掛かっているものを取り外し、水が掛かっても良いように、窓枠や床を新聞紙などで養生しておきましょう。
そして、窓枠やサッシのホコリやゴミを掃除し、窓ガラスも中性洗剤の水溶液で拭き掃除をしておきます。
では、ガラスフィルムを貼る作業に移りましょう。
まずはガラスフィルムを、窓の寸法より縦横とも5センチ程度大きめにカットします。
そして、後からガラスフィルムとセパレーター(接着面のシート)を剥がしやすいように、両面の端にセロハンテープを付けておきます。
次に、ガラス面全体に、霧吹きの水溶液を水が垂れる程度多めにスプレーします。
これは、ガラス面に洗剤の均一な膜を作るためです。
その上で、ガラスフィルムのセロハンテープを貼ったところから、セパレーターを慎重に剥がしていきつつ、ガラスフィルムにも水溶液をスプレーします。
つまり、ガラスとガラスフィルムの両方に洗剤の水溶液の膜を作っておくのがポイントです。
ここまでの注意点は、ガラスフィルムに指紋や汚れをつけないようにすることです。
また、ガラスフィルムの巻き付きを防ぐために、できれば2人で作業するのが望ましいでしょう。
軽く複数回こすることがきれいな貼り方のポイント
次に、ガラスフィルムの上部の両角を軽く持ち、左右どちらかの窓枠の2ミリ~3ミリ内側にガラスフィルムの端がくるように位置合わせをします。
最終的には、ガラスフィルムが窓ガラスより四方とも2ミリ~3ミリ小さくなるようにカットするため、一辺は最初からずらしておくわけです。
このように位置決めしたら、静かにガラスフィルムを押さえて、全体を窓ガラスに貼り付けます。
次に、ガラスフィルムの表面全体に水溶液を吹き付けます。
そして、フィルムがずれないように手で押さえながら、スキージーで水とエアーを抜いていきます。
まずは中心から上下左右に軽くこすって大まかに水とエアーを抜き、安定させたのちにまた中心から端に向かい水平、垂直にスキージーでこすります。
この時、放射線状ではなく、水平、垂直にスキージーを動かすのがきれいなガラスフィルムの貼り方のポイントです。
また、一度に強くこすらず、軽く、なおかつ丁寧に水とエアーを抜いていくことが大切です。
一通りこすって水とエアーが抜けたら、ガラスフィルムが圧着しているので、手を離しても大丈夫です。
そして、再度フィルムに水溶液を吹き付け、この水とエアーを抜く作業を数回繰り返していきます。
ガラスフィルムの貼り方は窓ガラスより一回り小さく
このようにしてガラスフィルムを窓ガラスに完全に圧着させたら、最後は余分なガラスフィルムを窓枠に沿ってカットしていきます。
手順としては、まず、窓枠にかかるフィルムの端の上下の隅を先に直角にカットしておくと、他の部分のカットがしやすくなります。
そして、窓枠に沿って定規の角やへらなどで、カットしやすいように、まずスジをつけます。
その後、スジの2ミリ~3ミリ内側を、定規を当てながらカッターでカットしていきます。
これで、窓ガラスとガラスフィルムの四辺に2ミリ~3ミリの隙間ができました。
そして最後に、もう一度ガラスフィルムの表面に水溶液を吹き付け、最終的な水抜きをします。
この時、押し出された水が窓ガラスとフィルムの隙間に出てくるので、再度フィルムの中に戻らないように、ペーパータオルで吸い取ります。
このような手順で、もう一枚のガラスにもガラスフィルムを貼っていきます。
全体的なポイントは、四辺に2ミリ~3ミリの隙間を開けることと、同じ作業を軽く丁寧に繰り返すことで、完全に水とエアーを抜くことです。
これが、DIYでもできる、きれいなガラスフィルムの貼り方です。
窓に貼ったガラスフィルムのきれいな剥がし方
ところで、ガラスフィルムを貼った直後は、水溶液が多少残っていたり、ガラスフィルムが濁って見えたりします。
しかし、1週間程度経つと完全に乾燥し、濁りもなくなってきます。
乾燥後のお手入れは、強くこすったりせず、水や洗剤を薄めたものを柔らかい布に塗布し、軽く拭く程度にしましょう。
ガラスフィルムの貼り方はこのような手順ですが、もし貼ったガラスフィルムを剥がしたい場合には、ガラス用のスクレーパーなどを使いましょう。
まず、貼った時と同じように周囲を養生し、中性洗剤の水溶液を塗布したペーパータオルなどを窓に貼り付けて、糊を柔らかくしておきます。
しばらくしたら、スクレーパーの角などで、ガラスフィルムの角の端を剥がし、そこから手で引っ張って全体を剥がしていきます。
だいたい剥がせたら、ガラスに中性洗剤の水溶液をたっぷり塗布し、スクレーパーで残った糊やフィルムの切れ端などを丁寧にこすって落とします。
その後は、タオルなどで水分や糊をきれいに拭き取って完了です。
このように、丁寧に作業をし、ガラスに傷をつけないように注意すれば、ガラスフィルムは賃貸住宅などでも貼ることができます。
簡単なDIYで、どなたでも、快適な暮らしを手に入れることができるのがガラスフィルムのよさではないでしょうか。
多彩な用途のガラスフィルムで快適かつ安全な生活を
さて、ガラスフィルムの貼り方についてまとめてきましたが、最後に、窓のガラスフィルムの種類について紹介しておきましょう。
代表的なものは、透明のガラスを曇りガラスにするフィルムや、割れた時のガラスの飛散を防止するための飛散防止フィルムなどです。
また、中からは外が見え、外からは中が見えなくするミラーフィルムも人気です。
他にも、空き巣などの犯罪防止のための、多重構造で強度のある防犯フィルムなどもあります。
さらには、紫外線カットや断熱の効果のあるフィルムもあり、いくつかの効果を兼ね備えたものも販売されています。
このような中から、自分の求める効果や用途のものを選びましょう。
また、日常を快適に暮らすための用途だけではなく、昨今は台風や地震、竜巻などの異常気象が続いており、そのための対策も必要です。
そこで、マンションなどガラスを守る雨戸やシャッターなどがない場合、災害時の二次被害を予防してくれる飛散防止フィルムが有効です。
家具などの転倒防止金具などと同じように、防災対策のために、このようなガラスフィルムの使用も検討してみてはいかがでしょうか。
簡単に生活に取り入れられるのがガラスフィルムの魅力
今回は、ガラスフィルムの貼り方や用途についてまとめてみました。
家にあるもので、比較的簡単に貼ることができるガラスフィルムですが、防犯や防災、プライバシーの保護や節電など、その用途は多彩です。
皆さんも、このような便利なガラスフィルムを、生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。