昔の言い伝えでは、「家の中に昼間現れる蜘蛛は、神様の使いだから殺さない方がいい」などと言われていました。
攻撃的な性格ではないにも関わらず、蜘蛛は何故か私達人間に嫌われています。
蜘蛛は度々家の中にやってきては、立派な蜘蛛の巣を張ります。
実は、蜘蛛の巣が多い家にはある特徴があるのです。
この機会に、私達に身近な蜘蛛について知っておきましょう。
習性を知ることで、蜘蛛の巣対策ができますよ。
家の中で見つかることが多い蜘蛛!実は益虫
蜘蛛が苦手な人は、男女問わず多いですよね。
遊園地のお化け屋敷にも、蜘蛛と蜘蛛の巣は必ずと言っていいほどよく登場しますね。
それほど蜘蛛のイメージは「怖い」「気持ち悪い」といったネガティブなものなのでしょう。
ですから、不吉なイメージや見た目の気持ち悪さから、「嫌われ者」として扱われてしまうことが多いのです。
蜘蛛は、人間には攻撃してこないにも関わらず、多くの人に嫌われてしまう不憫な虫なのです。
しかし、たいていの蜘蛛の種類は無害で、むしろ益虫です。
益虫とは、何らかの形で人間の生活に役に立つ、虫などを指していう言葉です。
実際に、家の中のゴキブリなどの害虫や、田んぼの害虫を食べてくれる蜘蛛もいるのです。
人間の見えない所で益虫として活躍してくれているのに、嫌われてしまう蜘蛛。
そう思うとちょっと気の毒な存在ですね。
しかし、残念ながら、家の中や庭に蜘蛛の巣が張られていると、見ていて気持ちの良いものではありません。
家の中で蜘蛛と仲良く共存するのは、実際には難しいのです。
蜘蛛の巣を張らない蜘蛛もいる!
家の中でふいに蜘蛛の巣を発見してしまったら、不快感でつい顔をしかめてしまう人も多いのではないでしょうか。
蜘蛛はどの種類のものも、蜘蛛の巣を張るものだと思っていませんでしたか。
実は、蜘蛛にも巣を張るタイプと、巣を張らないタイプが存在しているのです。
ここで少し、蜘蛛について勉強しておきましょう。
蜘蛛は肉食性です。
なんと、生きている獲物を食べるのです。
日本には約1,200種類の蜘蛛がいます。
種類によってエサも色々です。
ピョンピョンと跳ねるハエトリグモは小さなハエを捕食し、大きな体が特徴のアシダカグモはゴキブリも食べるのです。
蜘蛛がゴキブリを食べるなんて、思ってもみなかったのではないでしょうか。
それから、全ての蜘蛛が蜘蛛の巣を張って、獲物を待ちぶせしているわけではありません。
蜘蛛の巣を張る「造網型」、歩き回って獲物を捕らえる「徘徊型」の蜘蛛もいます。
ですから、みなさんの家の中に巣を張っているのは、造網型の蜘蛛となります。
蜘蛛の巣が多い家の特徴
蜘蛛の巣は、一軒家や賃貸物件などに関わらず作られます。
蜘蛛の巣が張られていることに気がつかず、誤って触ってしまった経験がある人も多いのではないでしょうか。
蜘蛛の巣はベタベタしているので、とても不快ですよね。
ですから、蜘蛛の巣を発見したら、たいていの人は巣を撤去しますよね。
しかし、ついこの間蜘蛛の巣を撤去したはずなのに、また同じ場所に蜘蛛の巣が張られていて、ガッカリすることもあるのではないでしょうか。
蜘蛛の巣を壊されている経験があるにも関わらず、懲りずにまた同じ場所に巣を張るのはなぜだと思いますか。
それは、何度も同じ場所に巣を張ろうとする蜘蛛の習性があるからです。
家主からしたら困った習性ですよね。
蜘蛛は基本的には屋外で生息しています。
しかし家の中で見かけることが多い場合は、家の中に蜘蛛のエサとなる獲物が多いからかもしれません。
蜘蛛がよく出没する家の共通点、つまりそれはエサとなる獲物が、家の中に多いという可能性が高いということです。
ですから、家の中への蜘蛛の侵入を防ぎたいのであれば、エサとなる虫を駆除する必要があるのです。
家の中に蜘蛛の巣が多いのはなぜ?
日本に生息していて、家の中に出没する蜘蛛は6種類くらいです。
よく目にするのは、「ハエトリグモ」「アシダカクモ」「イエオニグモ」です。
名前を見て、「あの蜘蛛のことか」と気付いた人も多いのではないでしょうか。
古い建物=蜘蛛の巣のイメージが強いと思います。
しかし、例え新築であっても蜘蛛を発見することもあるのです。
蜘蛛は知らぬ間に、家の中に侵入しています。
蜘蛛は少しの隙間があれば、例え網戸があっても簡単に侵入してきます。
外に干した洗濯物にくっついて、家の中に入ってくることも多いでしょう。
蜘蛛の巣は「いつの間に作ったの?」と、驚くほど早く作られていますよね。
それもそのはず、なんと蜘蛛が巣を完成させるのに必要な時間は、たった数十分なのです。
芸術的とも思える蜘蛛の巣は、そんなに短時間で作られていたのですね。
蜘蛛の巣を張る場所は、蜘蛛にとって都合良く、居心地のいい場所でなくてはいけません。
なるべく巣を壊されない場所で、餌が確保出来る場所をしっかりと選んで作っているのです。
家の中に蜘蛛の巣を作らせない予防対策①
家の中や、ベランダの物干し竿に張られた蜘蛛の巣を、煩わしいと思っている人も多いですよね。
ましてやそこに、蜘蛛の巣の家主である、見た目が不快な蜘蛛がいたらなおさらです。
ですから、なるべく蜘蛛の巣は張らせないようにしたいものです。
そこでここからは、蜘蛛の巣を張らせないようにする予防と対策について、ご紹介していきます。
それでは、さっそく見ていきましょう。
●蜘蛛を駆除する
家の中に蜘蛛の巣を作る、蜘蛛自体の駆除を一番最初に行いましょう。
益虫なので少し可哀相な気もしますが、外に逃がしただけではまた戻ってきて巣を作ることもあるので、しっかりと駆除しておきましょう。
市販の殺虫剤で簡単に駆除できます。
●掃除を念入りにする
蜘蛛は、害虫がいそうな汚れがある場所を好みます。
ですから、家の中やベランダは掃除をこまめにして、清潔に保つようにしてください。
蜘蛛のエサとなる害虫が発生しやすい生ゴミを、放置しない事も大切です。
家の中に蜘蛛の巣を作らせない予防対策②
引き続き、家の中に蜘蛛の巣を作らせないための、予防と対策についてお話しします。
蜘蛛の侵入経路として使われることが多い通風孔や窓の隙間、網戸などには防虫網を取り付けてみましょう。
そして、市販されていて手軽に入手できる「蜘蛛の巣専用のスプレー」も併用してみましょう。
蜘蛛だけではなく、家の中のあらゆる害虫を駆除して、バリア効果で害虫を寄せ付けにくくできる霧タイプの殺虫剤もあります。
蜘蛛はエサを求めて移動するので、家の中での殺虫剤の使用は効果的でしょう。
また、家の中だけではなく、玄関や庭に蜘蛛の巣が張られても不快ですよね。
玄関や庭の天井や照明に、蜘蛛の巣が張られることが多いのは、照明に集まってくる虫を蜘蛛が捕獲するためと言われています。
そこで対策として有効なのは、照明を替えることです。
玄関や屋外の照明に紫外線カットのフィルムを付けたり、蛍光灯をLEDに交換すると、虫の寄り付きを減らせるそうです。
是非、試してみてください。
適切な対策で蜘蛛の巣を予防
蜘蛛は毒蜘蛛以外は基本的には無害です。
むしろ益虫なのです。
ですから、必ずしも駆除しなければいけない虫ではありません。
と言っても、家の中で沢山の蜘蛛との共同生活はできませんよね。
今回ご紹介したような適切な対策で、蜘蛛の侵入を予防しましょう。