お部屋探しで気になるポイントと言えば、お部屋の広さですよね。
しかし、お部屋探しの中で出てくる単位が分からないことがありませんか?
例えば、長さを表す単位には、1間、1尺、1寸などがありますが、「開口部は、1間ほどです」と説明されても、結局どれぐらいの長さなのか、分からないことも多いですよね。
しかし、実際に何メートルなのかが分かれば、お部屋探しのイメージもしやすくなります。
今回はそんな、少しわかりづらい長さの単位についてお話しします!
1間って何メートル?読み方は?
1間とは長さを表す単位で、「いっけん」と読みます。
ちなみに「ひとま」と読む場合は、1つの部屋という意味になります。
よく聞く「六畳1間のアパート」のフレーズは、こちらの意味なのですね。
そして、収納スペースや開口部の広さ、長さを示す時に用いられることが多い1間ですが、お部屋探しの時に、不動産会社の方から耳にすることが大半で、普段の生活ではあまり耳にしない単位ですよね。
1間は聞きなれない長さの単位ですが、メートルに変換することができます。
では、1間は何メートルなのでしょうか?
結論から言うと、1間=約1.80メートル(180センチメートル)ということになります。
しかし、1間がなぜ約1.80メートルとなるのでしょうか?
それを考えるためには、「尺貫法」というものを理解する必要があります。
1間と半間?メートルと尺貫法の関係
尺貫法では、ものの長さが間や尺、寸などの聞きなれない単位で表されますが、この尺貫法とは、具体的にどういったものなのでしょうか?
尺貫法は、中国が起源の、長さや面積、重さなどを測る方法です。
ただし、長さを尺、重さを貫と表記するのは日本独自のものであり、中国が起源ではありますが、その形態は日本独自のものとなっています。
尺貫法の長さの表記については、寸、尺、間の順に長くなっていきます。
1寸は約3センチメートル、1尺は約30センチメートル、1間は約180センチメートルで、1尺は10寸、1間は6尺とされています。
これらの他にも、町や里などの単位がありますね。
一見すると複雑そうですが、寸や尺、間をセンチメートルに変換すると、少し長さが分かりやすくなったかと思います。
また、センチメートル以外にも、1間をイメージしやすくできるものがあります。
それが、日本人なら馴染み深い「畳(たたみ)」です。
本来、1間とは長さの単位ではなく、柱と柱の間の長さのことを示しています。
柱と柱の間というと分かりにくいですが、つまり畳の長い方の辺を示しています。
1畳は、人が寝そべることが出来るサイズともいわれ、180センチという長さを身長で考えてみるとイメージしやすいかと思います。
ちなみに、畳の短い方の辺を半間と言い、長さは約90センチメートルとなります。
今では使われる場面の少ない尺貫法による長さの表記ですが、畳をイメージしながらだと分かりやすいかもしれませんね。
1間は関西・関東で変わる?畳の大きさは何メートル?
ここまで畳を基準に1間の長さについてお伝えしましたが、実は地域によって畳の大きさが変わっているのはご存知でしょうか?
畳には、色々な種類・サイズがあります。
畳を基準として1間は測れるため、お部屋探しの際、地域によって、あるいは物件の畳のサイズによって長さが変わってくるということになります。
では、どんな種類があるのでしょうか?
江戸間(五八間、田舎間、関東間)では、1間が5尺8寸とされており、約176センチメートルとなっています。
また、半間が2尺9寸とされており、約88センチメートルとなっています。関東地方を中心に、東北地方の一部でも使用されています。
京間(本間、関西間)では、1間が6尺3寸とされており、約190センチメートルとなっています。
また、半間が3尺1寸5分とされており、約95.5センチメートルとなっています。
この京間は、近畿以西の地域で広く使われており、近畿地方、中国地方や九州地方、四国地方で使用されています。
関東と関西で1間は約14センチメートル、半間は約7.5センチメートルの差がありますね。
関西の畳が関東より大きい理由は、関東と関西で、家の造り方に違いがあったためだとする説があります。
畳の大きさを基準に家を造る関西に対して、家を造ってから畳を入れる関東では、先に柱を立てる分、畳が小さくなったと言われています。
関東と関西の違いはよく取り上げられますが、畳のサイズにも違いがあるのはご存じでしたか?
お部屋探しの際には注意してくださいね。
まだまだあった!1間の長さが地域によって変わる?
関東と関西の畳のサイズが違うことは前述しましたが、実はまだまだ地域によって畳のサイズは細かく分類されています。
それでは、さらに細かく畳のサイズについてお話ししていきます。
中京間(三六間)では、1間が6尺とされており、約180センチメートルとなっています。
また、半間が3尺とされており、約90センチメートルとなっています。
これは、岐阜県や愛知県といった中京地方で広く用いられています。
また、東北地方の一部や沖縄県の一部でも使用されています。
そして、六一間では、1間が6尺1寸とされており、約185センチメートルとなっています。
半間は3尺5分とされており、約92.5センチメートルとなります。
岡山県や広島県、山口県などの山陰地方で用いられています。
団地間(五六間)は、1間が5尺6寸とされており、約170センチメートルとなっています。
また、半間が2尺8寸とされており、約85センチメートルとなっています。
これは、アパートやマンションなどの集合住宅地で用いられています。
このように、関東や関西だけでなく、中京や山陰といった地方でも細かく分類されています。
それらの地域による畳のサイズに加えて、団地間のような地域ではなく、建物に合わせて1間の長さが変化しているものもあるので、実際の見学ではそういったところを意識しながら見てみるのもいいかもしれませんね。
1間が使われるのはどんな時?
ここまで1間についてご説明をしてきましたが、実際にどのような時に耳にするでしょうか?
お部屋探しで1間という言葉を耳にする機会が多いものには、収納、開口部、窓などが挙げられます。
まず、収納についてです。
収納では、1間分と言われても、それが奥行きなのか幅なのか、高さなのか分かりづらいことがあります。
基本的には、幅が1間だと、奥行きは半間の場合が多いですが、建物の構造上、奥行きは変化することがあります。
また、高さにおいても天井までのものや、そうでないものがあったりと、一概には言い切れません。
そのため、1間と言われたら「幅」のことだと解釈するのが一般的だと言えます。
また、前述したように、収納における1間についても多くの種類があります。
実際に見学した時、部屋の広さだけでなく、収納スペースも採寸するのがオススメです。
次は、開口部についてです。
開口部とは、部屋にある窓や出入り口のことで、採光(部屋の明るさ)や風通しに影響する大切なポイントです。
例えば、窓を1間とする場合においては、その幅を指す場合が多いです。
しかし、収納スペース同様に、窓にも様々な種類、形が存在するため、こちらも採寸してみないと正確なサイズが分かりにくいです。
このように、物件探しではメートルではなく、1間を長さの単位として説明する場合があります。
大まかに約180センチメートルだというイメージを持つだけでなく、実際に採寸することが大切ですね。
収納スペースや開口部は実際にモノを置くことや、カーテンを取り付けることを考え、正確な幅や奥行き、高さを調べるとよいでしょう。
尺貫法は水回りでも使われている?トイレは1間?
実は、尺貫法は部屋の広さや畳のサイズ、開口部や収納以外にも用いられています。
それが、水回りのサイズです。
実は、家の造りと同様、水回りのサイズも尺貫法の影響を受けています。
部屋だけでなく、家のあらゆる部分が尺貫法を基準に造られているわけですね。
例えば、トイレに関してです。
トイレの間取りを見てみると、1間×半間のものが多いです。
また、トイレの便器の長さは69センチメートルや、72センチメートルのものが多くみられます。
これらは、1寸が3センチメートルであることや、1尺が30センチメートルであることを考慮して、「3」という数字で割り切れるように設計されているのです。
続いて、キッチンではどうでしょう?
システムキッチンの一般的なサイズは、180センチメートル、210センチメートル、240センチメートルです(ただし、基本的にはミリメートルで表現します)。
こちらも「3」で割り切れるサイズに設計されていますね。
このように、キッチンやトイレなどの水回りに関しても、部屋に合わせて尺貫法を基準に作られていることが分かります。
また、尺貫法を知っておくと、お部屋探しの段階から、そこで生活しているイメージが浮かびやすくなります。
「尺貫法で言われると長さが分からなくなる」という人も、この機会にその目安を覚えてみてはいかがでしょうか。
尺貫法を理解すると、お部屋探しはイメージしやすい!
1間が何メートルなのかが分かれば、色んな長さがもっとイメージしやすくなりますね!
また、住まいと強く結びついた尺貫法を少し理解するだけで、間取りや窓、収納スペースなどの長さがすぐに把握できるので、お部屋探しがラクになりますよ。
1間、1尺、1寸。
これらは、お部屋探し以外ではあまり耳にしない単位ですが、私たちの住まいと深い関係を持った表現だと言えるでしょう。