金投資にはETF?現物取引?メリットデメリットとは?

遠い昔から価値あるものとされてきた「金」。

その金は、今もなお価値あるものとされています。

金そのものに価値があるので、世の中の情勢が混乱しているようなときには安心して保有しておけるものでもあります。

そこで、いざ金を購入しようと思ったときに悩むのが金の購入方法です。

当記事では、その中でも「ETF」と「金の現物取引」に的を当ててお話をしていきます。

世界共通通貨でもある金!保有するメリットとは?

金は、古い時代から価値あるものとされてきました。

見た目に美しく、希少性があるためですね。

日本においては、江戸時代に金貨として用いられ、明治時代~昭和初期のころには金と紙幣を交換することもできたのです。

金は、世の中の情勢が混乱していたり戦争などの争いごとが勃発すると、一気に人気が集中します。

その理由は、金自体に価値があるためです。

例えば、経済状況がインフレの状態になると、「モノ」の価値が上がって「お金」の価値は下がりますよね。

しかし、金は「モノ」であり、金自体に価値のあるものですから、そのような情勢のときには金の価値が上昇する傾向にあるのです。

このことを考えると、資産全てを現金である「お金」だけではなく、一部を金にして保有しておくことはメリットがあると言えるでしょう。

金の保有方法はいくつかあります。

その中でも、ETFと金の現物取引について次項より詳しく解説していきましょう。

金ETFのメリット・デメリット

金ETFとは、金の価格に連動する上場投資信託のことです。

ここでは、金ETFのメリット・デメリットについて解説しましょう。

まずは、メリットです。

ETFは市場で売買することが可能なので、株式の現物取引と同じようにリアルタイムで取引することができます。

また、銘柄によっては約5,000円ほどから購入できるものもあります。

さらに、株式の現物取引よりも手数料が安いことが特徴です。

それに加え、ETFの保管料も不要なので余計な手数料がかかることなく金に投資をすることができるのです。

「金は高級なものだから、なかなか買えないだろう」と思っている人も多いことでしょう。

しかし、金ETFはこのように手軽に購入することが可能なので、金投資初心者にはおすすめの投資とも言えるのです。

ただし、手軽に始められる金ETFにもデメリットがあります。

それは、基本的に「分配金」を受け取ることができないという点です。

金ETFは金の価格に連動している商品です。

そのため、利息や配当金を出すことのない「金」のETFでは分配金の原資を確保することが困難なのです。

株式や債券などが投資先である投資信託とは商品性が異なるため、金ETFを長期的に持っていても金利受け取りによって資産を増やすということはできないのです。

また、金ETFは他のETF商品と比較して「信託報酬」が高いという点もデメリットですね。

それでは、金ETFには具体的にどのような商品があるのかをご紹介していきましょう。

金投資ができる金ETFの銘柄のご紹介

この項では、現在購入することのできる金ETF銘柄をご紹介していきます。

ちなみに、金ETFは株式と同じように売買することが可能なので、証券会社を通じて購入することができます。

【ETFS金上場投資信託】

銘柄コード:1672
信託報酬:年0.39%
現物交換:不可
管理会社:ETFセキュリティーズ・マネジメント・カンパニー・リミテッド

【純金上場信託(金の果実)】

銘柄コード:1540
信託報酬:年0.432%
現物交換:可
管理会社:三菱UFJ信託銀行

【One ETF 国内金先物】

銘柄コード:1683
信託報酬:年0.486%
現物交換:不可
管理会社:アセットマネジメントOne

【SPDR ゴールド・シェア受益証券】

銘柄コード:1326
信託報酬:年0.4%
現物交換:不可
管理会社:ワールド・ゴールド・トラスト・サービシズ・エルエルシー

【金価格連動型上場投資信託】

銘柄コード:1328
信託報酬:年0.54%以内
現物交換:不可
管理会社:野村アセットマネジメント

上記の商品以外にも、アメリカ市場に上場している金ETFなどもあります。

金ETFのご購入を検討されるということであれば、いろいろな銘柄をチェックしてみるといいでしょう。

金現物取引のメリット・デメリット

金ETFではいまいちわかりにくいため、金を保有するなら現物でという方もいらっしゃることでしょう。

そこで、金の現物取引のメリットとデメリットについても解説していきます。

まず、現物取引の一番のメリットは金の現物を自分の手元に置いておけるという点です。

金ETFであれば手元に現物があるわけではないので、不安に思われる方も多いかもしれませんね。

しかし、金の現物を購入するということであればそのような不安を持つことがありません。

その代わりに、手元に現物があることで盗難のリスクが上がってしまうことが難点と言えるでしょう。

また、盗難被害を避けるために、頑丈な金庫や銀行などの貸金庫に保管するという方も多いです。

その場合、保管料にコストがかかってしまうというのもデメリットですね。

さらに、金の現物取引の手数料は高く、金を売却したい際に出た利益が一定額を超えてしまうと、確定申告も必要となってしまいます。

金の現物購入方法は?

金現物の購入方法はいくつかありますので、ご紹介していきます。

【店頭で購入】

金の現物は、田中貴金属などや三菱マテリアルなどの直営店で購入することができます。

直接店頭に行くことで、金についてのアドバイスをしてもらうこともできますよ。

初めて金を購入されるということであれば、わからないことや不安なことが多くあるでしょう。

そのため、直接専門家に聞くことで安心できるという点がおすすめです。

【電話で購入】

田中貴金属や三菱マテリアルなどの地金商や金属メーカーに電話することで購入できます。

店舗が遠く、なかなか行けないという方にはこちらの方法がいいでしょう。

購入の流れは、「電話→入金→金が送られてくる」というような形になります。

不安なことなどがあれば、もちろんオペレーターに聞くこともできます。

【インターネットで購入】

他にも、インターネットで購入する方法もあります。

インターネットで購入するには、「純金積立」の口座を開設する必要があります。

純金積立はETFとも金の現物購入ともまた違う、金の購入方法です。

次項で詳しく解説しましょう。

金購入にはETFや現物以外にも方法がある!純金積立とは?

ETFや現物以外で金を購入できる方法として「純金積立」というものがあります。

純金積立とは、毎月決まった金額分で買える金を購入して積み立てていくというものです。

金の価格は変動するので、そのときの金価格によって購入できる量が異なるのです。

毎月一定額を積み立てる純金積立の一番のメリットは、金の買付コストを平均化できるという点でしょう。

また、会社によって取り扱いが異なりますが、積み立てている金が一定の量に達したら、現物を受け取ることもできます。

その純金積立の口座を地金商や金属メーカー、証券会社などに開設しておくと、インターネットから購入することができるのです。

ただし、買付できるかどうかも会社によって取り扱いが異なりますので、事前に確認するようにしましょう。

金を資産の一部に取り入れよう

有事の際、資産すべてが「お金」であると、お金の価値が暴落して困難な状況に陥る可能性があります。

その点、「金」を保有していると、ただの紙切れ同然となるお金と違って資産すべてを失うということを避けられるかもしれません。

世界情勢や経済状況はいつ一変するかわからないですから、リスク管理の一つとして資産の一部に金を取り入れることをお考えになってみてはいかがでしょうか。