株式投資について、よほどの経験者でないかぎり、多くの人はさまざまな疑問を抱えているのではないでしょうか。
当記事では、「株への投資額はどれぐらいにしたらいい?」というような基本的な疑問を皮切りに、「株の買い増しとはどういうこと?」という疑問について迫っていきます。
株式投資額はいくらがベスト?
株式投資をこれから始めるということであれば、投資額はいくらぐらいにしていいかわからないものですよね。
しかし、がっかりされるかもしれませんが、具体的に参考となる投資額はこれといってありません。
なぜなら、人によって持っている資産が異なるからです。
1つ言えるとするならば、余裕資金で投資をするということです。
株式投資はあくまでも「投資」です。
そのため、儲けることもあれば損することもあります。
ですから、株式投資はすぐ使う予定のない資金で行うことが大原則となるのです。
現代では、少額から株式投資を行うことが可能になっています。
銘柄によって数万円から買うことも可能ですし、投資の方法によっては数百円から買うこともできるのです。
株式投資初心者であれば、ある程度の知識が蓄えられるまでは、少額で行うといいかもしれませんね。
株式投資の疑問は、他にもたくさんあることと思います。
例えば、人によっては「含み益が出ているときはすぐ売った方がいいのか?」「含み損が出ている場合はこのまま様子を見た方がいい?」などという疑問もあるでしょう。
また、「含み損が出ている場合に行う買い増しとはどういうもの?」という疑問を抱えている方もいらっしゃるでしょう。
このような疑問についてさらに迫っていきましょう。
保有株に含み益があれば売った方がいい?
株式を保有しているときは、含み益か含み損があることが多いですよね。
それでは、このような場合はどう対応したらいいのでしょうか。
まず、含み益が出ている場合からご説明してきましょう。
例えば、今持っている株が含み益10万円だとします。
これをすぐ売れば、10万円の利益が確定できますよね。
しかし、この場合、投資した人の資産の総額によって利益を確定させてしまった方がいいのか、はたまた、このまま保有していた方がいいのか対応が異なるのです。
もしも、資産1億円の人が含み益10万円を出したとしたら、その資産に対しての含み益の割合は0.1%ですよね。
それでは、資産1,000万円の人が含み益10万円を出したらどうでしょう。
資産1,000万円に対しての含み益は1%になるのです。
この例から考えると、資産1億円の人はすぐ売って利益確定する必要がないと思いませんか?
反対に、資産1,000万円の人の場合は総資産に対して1%の利益を確定することができるので、ここで売却してしまってもいいと言えますね。
それでは引き続き、含み損についても解説しましょう。
含み損に関しては、「買い増しとはどういうこと?」という疑問にもつながってきますので必見ですよ。
保有株の含み損はどうする?含み損を解消する買い増しとは?
株式投資を行う中で、含み損が出てしまうと誰もががっかりしますよね。
この含み損に対しては、どう対応するべきなのでしょうか。
まず、保有株に含み損が出ている場合は、損切り(ロスカット)をすることが株式投資の基本とも言えます。
ロスカットをせずに「いつかは上がるだろう」といつまでも株を売らずにいることは、塩漬け株を作ってしまう大きな要因ともなるのです。
塩漬け株は、そこに資金が滞ったままになるということですから、大切な資産を有効的に使うことができなくなってしまいます。
また、含み損に対してロスカットという方法の他に、株を買い増しする方法もあります。
買い増しとはその言葉どおり、さらに株を買い足すことを言います。
株を買い増す意味とは、当初買った株価より含み損が出ている安い株価のときに買い増しておくことによって、株の平均取得価格を下げるということですね。
この場合で株を買い増しすることを「ナンピン買いする」とも言います。
ただし、ここから株価が取得価格より上昇に転じたら問題はないですが、下落し続ける場合はさらに損失を抱えてしまうこともあり得ます。
ですから、含み損があって買い増しをする場合は、資金にある程度の余裕があり、長い目で見て少しずつ買い増ししていこうと決めている人のみがした方がいいと言えますね。
含み益解消のための買い増しとは違う!?上昇トレンドのときに行なう買い増し!
前項で解説した買い増しは、含み損を抱えてしまったために、当初より安い株価で株を買い増しして平均取得コストを下げるということでしたよね。
一方、株価が上昇トレンドに入ったときに株を買い増しすることもあるのです。
これは、攻めの投資方法とされており、「ピラミッティング」と呼ばれています。
具体的には、保有している株式が上昇トレンドに乗ったとき、かつ、その後も株価上昇が見込めるときに買い増していきます。
前項で解説した買い増しとは意味合いが異なります。
買い増すたびに前回買った株数より少なくしていくのが、この投資方法のコツでもあります。
前回買った株数より少なくしていくと、取得平均額を低く保つことができるためです。
ただし、この投資方法を行う際は、よほどの自信があるときに限って行うほうがいいでしょう。
なぜなら、いくら上昇トレンドの銘柄でも株価が思いっきり下がってしまうこともあり得るからです。
もしも、上昇トレンドが続いている銘柄でも株価があまり上がらなくなってきたら、買い増しせずに様子をみるようにした方がいいでしょう。
含み益解消の買い増しとは異なるピラミッティング!利益確定ラインが重要!
さきほど解説した、含み益解消のための買い増しとは異なる投資方法のピラミッティングですが、投資のコツをもう少しだけお話ししておきましょう。
ピラミッティングで買い増しをする際には、そのときの株式市場の状況によっても違いますが、投資を行う前に利益確定ラインを自分自身で決めておく必要があります。
もちろん、自分が決めていた利益確定ラインよりも大きく株価が値上がりすることも十分に考えられます。
しかし、自分が目標にしていた利益確定ラインに達しているという時点でその投資は成功しています。
また、投資はあまりにも欲を出してしまうと往々にして失敗に転じることは周知の事実でしょう。
ですから、自分が決めたラインに達したところで利益確定させてしまうことが大切なことなのです。
株式投資で常に利益を出し続けるということは、非常に難しいことです。
ですから、ピラミッティングを行うにしてもある程度の株価に下落してしまったときにはロスカットができる判断力も重要となってきます。
投資には、どの銘柄を選ぶのか、買い増しのタイミングをどうするのかなど、さまざまな決断力も求められます。
その決断力を後押しするのはやはり、チャートや企業の財務状況の分析などで自信をつけることです。
株式投資を成功に導きたいのなら、それらを怠ることなく努力する姿勢も大切です。
株式投資での一気買いは避けよう
さきほどはピラミッティングについて解説しました。
ピラミッティングは含み損が出ているときに行う買い増しとは異なる投資方法ですが、上昇トレンドだとピラミッティングではなく、株を一気にまとめて買いたくなってしまう方もいらっしゃるでしょう。
しかし、その投資方法はおすすめできません。
株式市場では、いつ何が起こるか誰にも予測ができないからです。
その銘柄がたとえ上昇トレンドだとしても、もしも、リーマンショックのようなことが起きれば株式市場全体が大きく下落することになります。
また、例えばその企業で不祥事が発生でもしたら、それが原因で株価が急落することも大いに考えられるのです。
ですから、どんなにいい銘柄だと思っても、よほどの資金がないかぎりは一気買いは避けるようにしましょう。
また、資金をすべて投資してしまうのではなく、ある程度手元に残しておくことも投資を成功させるためには必要なことです。
もしも、資金をすべて株式に投資してしまっていたら、手元に資金がないため上昇トレンドがきている株を買えないというような状況にも陥るからです。
株式投資には十分な知識が必要!
株式投資を行う際には、誰もがたくさんの疑問を抱えることが多いでしょう。
当記事では、その中でも「株の買い増し」に重点を置いて解説をしました。
株の買い増しには含み損が出ているときに行うものと、株価が上昇トレンドに入ったときに行うものとがあります。
どちらの場合も、積極的に必ず行った方がいいというものでもありません。
いずれにせよ、株式投資を成功させるためには十分な知識を蓄えることが必要不可欠です。