昔から、金は資産価値が高く、人々のあこがれの的ですよね。
そんな金ですが、実は「750」などの刻印がされていることはご存知でしょうか。
意外にも、このことは知らない方が多いのだと耳にします。
当記事では、金に刻まれている刻印の意味や種類についてご紹介していきます。
金に施されている750の刻印は何を示すの?
金の指輪やネックレスをお持ちの方はご存知かもしれませんが、金製品には「750」などといった刻印が施されています。
この刻印に何か意味があるのでしょうか。
これを知るには、まず金の性質を知ることが必要になります。
「金」と聞くと、金塊かジュエリーを連想する方が多いのではないでしょうか。
金塊のまま所持している分には問題はないのですが、これをジュエリーにするなると、「加工」が必要になります。
しかし、金は他の金属に比べてとても柔らかいという性質があります。
つまり、そのままの状態では加工がしにくいのです。
そのため、他の金属を加えることで耐久性を上げてから加工するというのが一般的です。
ここで、必要になってくるのが刻印になるのです。
「750」などの刻印が何を示しているのかというと「金の純度」になるのです。
次項から、詳しくご説明していきます。
750などの金の刻印の種類
金の純度を示す刻印ですが、「750」の他にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、金によく刻印されている刻印の種類について、ご紹介していきます。
日本では、一般的に金の純度は「カラット」で表します。
そのため、その頭文字である「K」の後ろに金とその他の金属の割合の数字を刻印しています。
日本以外では、このような表記はせずに1000分率で考えたときの割合の数字を刻印します。
では、具体的にはどのようなものが刻印されているのでしょうか。
・金100%(純金)の場合:K24
・金83.5%、その他の金属16.5%の場合:K20
・金75%、その他の金属25%の場合:K18
・金58.5%、その他の金属41.5%の場合:K14
この他にもK22・K12・K10・K9というものも存在します。
なお、24で100%なのは24分率になってるからです。
ちなみに、近年人気を集めているホワイトゴールドやピンクゴールドにも刻印はされています。
これらの場合、ホワイトゴールドには「K18WG」でピンクゴールドには「K18PG」といったようになります。
750とK18は同じもの!
前項でもご説明した通り、金とその他の金属の割合によって、刻印される数字には違いが出てきます。
先ほどは、「K」の後ろに24分率の割合を示した数字を刻印したものをご紹介しましたが、1000分率で示した時にはどのようになるのでしょうか。
・金100%(純金):K24または1000
・金83.5%:K20または835
・金75%:K18または750
・金58.5%:K14または585
このようになります。
つまり、750と刻印されているものは、K18と刻印されているものと、金の割合は同じなのです。
また、この金は世界的に見てももっとも標準的なものといえます。
なぜ標準なのかというと、金はやわらかく加工がしにくいために「他の金属を混ぜ合わせる」という加工方法だと先に述べました。
そしてこの割合が、ジュエリーに加工するにあたって丁度いい固さなのです。
価格も、他の金属が入っているために純金よりも抑えられています。
このようなことから、世界的にもっとも標準な金といえるのです。
金には数字以外の刻印もある
ここまで、金に刻印されている「750」などの数字の刻印についてご紹介してきましたが、世界には数字以外の刻印も存在しているのです。
たとえばフランスは、ジュエリーの歴史が古いことでも知られています。
そんなフランスはイギリスとほぼ同時期に、金に刻印を施す制度が制定されました。
フランスで金に刻印されるものは、国内用と輸出用とで多数の種類があります。
このようなアンティークジュエリーには、刻印されている種類は豊富に存在していました。
では、どのようなものが存在しているのでしょうか。
フランスのアンティークジュエリーによく使われているものをご紹介します。
【ワシの頭】
これは現在でいうK18(750)以上を示す刻印です。
フランスのアンティークジュエリーによく見られているもので、現在でも使用されています。
【ホタテ貝】
現在のK14(585)の刻印になります。
K18の刻印を始めフランスの刻印には、動物の頭を使うことが多く、劣化してくるとプロでも見分けがつかなくなってしまうことが多々あります。
しかし、これは他の刻印に比べ見分けやすいのです。
【シロツメクサ】
これはK9の金にの刻印になります。
K18の金が主だったために、その数は少ないですが、K9の金への刻印によく使われていました。
注意しよう!金を示さない刻印もある
ここまで、金に刻印される「750」といった数字などについてご紹介してきました。
刻印は、金が本物であることを示すものですが、その刻印に金でないものが紛れていることがあります。
【アトK】
これまでご説明してきましたが、「K24」や「K18」のように、本物の刻印は数字の前に「K」がきます。
しかし、販売されている金の中には「18K」などのように数字の後ろに「K」が来るものがあります。
これは、金が入っていないということはないのですが、正規のものよりも少ないことが多いです。
【純金のみ】
手の甲側のデザインが台のようになっている指輪に見られることがあります。
これは「純金」と刻印されているのにも関わらず、純金ではない「K22」であることがほとんどです。
【シナ金】
中国などで販売されている「純金」を謳ったジュエリーのことを指します。
見た目は一般的な金よりも黄色っぽい色味をしています。
これも、そのほとんどが「K22」くらいであることが多いです。
【WGのみ】
ホワイトゴールドの刻印は「K18WG」といったように刻印することは、ご説明しましたね。
一見すると、ホワイトゴールドのようにも思えますが、これには金はほとんど含まれていません。
ジュエリーとしては安い素材である銀やニッケルにロジウムメッキをかけたものの場合もあります。
【GPやGF】
刻印を確認したときに「K18GP」などのように押されているものもあるでしょう。
これは、「金メッキ」を表すものになります。
自分で本物の金か見分けるには
金のほとんどには「750」や「K18」のように刻印がされています。
しかし、中にはされていないものもあるでしょう。
このようなときに自分で、本物かどうかを見分ける方法はあるのでしょうか。
最後にそちらをご紹介していきます。
【磁石を使う】
「金属は磁石にくっつく」というイメージはありませんか。
実は、金は磁石にはつかないのです。
銀や錫もつかないので例外はありますが、自分で見分ける方法としてはもっとも簡単に試すことができます。
【色を見る】
先ほどご紹介した「シナ金」のように、本来の金の色とは違ったものも存在しています。
純度が低ければ低いほど黄色く、銅が多く含まれているものは暗い色になります。
【試金石を使う】
日本で古くから行われている鑑定方法です。
この「試金石」と呼ばれる石に擦り取ることで鑑定を行います。
金メッキの場合には、中がすぐに見えるので分かりやすいでしょう。
金の刻印は本物の証拠
金に刻印されている「750」を始めとする刻印は、本物であることを示すためのものだということがお分かりいただけたかと思います。
どうしても、見た目だけでは本物の金であることが見抜けないこともあるでしょう。
このようなときに、刻印を知っておくことで、偽物を購入するリスクを減らすことができます。
リスクを減らすためにも、刻印についての知識を持っておくとよいでしょう。