世界では、だいたいの国に税金というものが設けられています。
日本も、さまざまな税があり、ひとつひとつどのようなものか把握していないという方が多いでしょう。
そこで今回は、親の土地や家などの財産を、子供が貰った際に掛かるお金、「相続税」・「贈与税」について詳しく解説していきます。
親の土地を子供が貰った!払うお金にはどんなものがある?
親の土地や家などの財産を子供が貰う際には、税金としてお金を支払わなければならないというのをご存知でしょうか。
その税金にも種類があります。
まず、親が亡くなった場合に、財産を貰う際に掛かるお金が「相続税」と言います。
一方で、親が生きている時に財産を貰う場合に掛かるお金が「贈与税」です。
これの大きな違いは、基礎控除額でしょう。
基礎控除額とは、税金が掛かるか掛からないかのラインを示す金額です。
相続税の場合、3000万円+法定相続人の人数×600万円となります。
一方で、贈与税に関しては、1年で110万円を超えた部分に課税されます。
計算式から見ても、基礎控除額の大きな違いが見て取れますよね。
どちらの税も、貰った財産が多ければ多いほど、税率が上がる「累進課税」となっています。
また、贈与税の特例として「相続時精算課税制度」というものがあり、65歳以上の親から子供に贈与をする場合には2500万円まで非課税となります。
もし、親が死亡した際に、相続税が発生する額の財産が残っているなら、相続の時に、贈与分も含めて計算するというものです。
ちなみに、2500万円を超える部分の贈与には、20%の税金が掛かります。
それでは、今回は「贈与税」について詳しく解説してましょう。
子供が親から土地を購入した!購入してもお金を払う?
先ほどお話ししたとおり、親から子供に、土地や家を相続や贈与をした際には、税金としてお金を支払います。
しかし、例えば親が所有してる時価5000万円の土地を3000万円で購入したという場合は、「贈与としてみなされないのでは?」と思うかもしれませんね。
そのような場合、贈与税が一切掛からないということはなく、時価よりも安い金額の贈与を受けた場合は、購入した金額と時価との差額分は、贈与としてみなされます。
このことを、「みなし贈与」と呼び、例の場合は差額の2000万円の分に贈与税が掛かるということです。
極端に言えば、1円でも出して譲ってもらったという場合、贈与にならないのであれば、だいたいの方がそうして贈与税を免れようと思いますよね。
また、親から子供がお金を借りていた場合にも、みなし贈与が適用されることがあります。
親子でのお金の貸し借りは、貸したけどあげたようなものとなることがよくあり、年間で110万円を超えると贈与とみなされることがあります。
そのため、親子の間でも、お金の貸し借りをする際には、金銭消費貸借契約書をしっかりと交わしましょう。
もちろん、返済の期間や利息を設定しておくことも大切です。
親の土地に子供が家を建てた場合も贈与税が掛かるの?
子供が親の土地を購入したり、貰うことがありますよね。
それには、「贈与税」というお金が掛かってくると、ここまででご説明しました。
このようなことから、権利金や地代を払わずに、親の土地に子供が家を建てた場合も、「贈与」と考えるのが自然ですよね。
しかし、この場合は贈与として認められず「使用貸借」と呼ばれ、贈与税は掛からないのです。
ですが、将来、親が亡くなって相続をするときには、借地権の評価額分の相続税を多く支払うことになります。
ちなみに、「使用貸借」は、「権利金」と土地代の両方を払わない場合に成立するものです。
そして、土地代だけ支払ったというケースになると「貸貸借」となります。
この「貸貸借」となった場合、権利金相当分の贈与税が発生することになりますので、注意しましょう。
また、住宅ローンを利用する際には、その土地の担保設定が必須になることが多く、親の土地がすでに他の借入の担保として設定されている場合は、担保としての設定は難しいです。
そして、担保に設定した場合、親が連帯保証人になる必要があることも多いようです。
親にお金を贈与された!使い道によっては贈与税が掛からない?
先ほどまで、土地や家を財産として贈与されたケースをお話ししましたが、もちろん親が子供にお金を贈与した場合も、1年で一定の額を超えると贈与税が掛かってきます。
しかし、その使い道によっては、課税対象にはならないものもあるということを覚えておきましょう。
まずは、親から自分の子供の教育資金としてお金の贈与を受けた場合です。
この制度は、平成25年の4月から開始され、金融機関等との一定の契約に基づいて子供一人につく1500万円までの贈与であれば、非課税になるというものです。
しかし、子供が30歳になるまでに使いきることが出来なかった場合、口座に残っている額に対して贈与税が課税されるので注意が必要になります。
そして、教育費は2つに分けられます。
1つ目が、「学校の教育費」です。
こちらは、学校に直接支払うものだけでなく、教材や、制服も対象になります。
もう1つが、「学校以外の教育費」です、
塾や習い事ということですね。
こちらは、指導者に直接払うもののみが対象になります。
その他にも、いくつか条件があるので、しっかりと把握した上で制度を利用しましょう。
親の土地を子供が貰った!相続税の申告をしよう
ここまで、相続税と贈与税について詳しくご説明してきました。
次からは、それぞれの申告期限などについてご紹介しましょう。
まずは、親が亡くなった時に子供が土地や家を貰い、税金としてお金を払う「相続税」です。
相続税の場合、相続人の代表者に税務署から申告書が送られてくるケース、「お尋ね」が送られてくるケース、その両方が送られてくるケース、何も送られてこないケースがあります。
何も送られてこない場合でも、申告の必要があると認識しているのであれば、必ず期限内に申告をしましょう。
その期限とは、親が亡くなった翌日から10ヶ月以内となります。
納税期限も同じです。
この期限を過ぎてしまうと、延納税や加算税が発生してしまうので、必ず期限を守ることが大切です。
ちなみに、申告場所は相続した側の住所地を所轄している税務署になります。
そして、国税庁のホームページ「確定申告書等作成コーナー」にて必要書類の作成や、申告が可能です
しかし、相続税の申告は、役所で手に入るものだけでなく、書類を記入をしたり、さまざまな書類の作成が必要です。
また、決まった手順というものがなく、人それぞれで変わってくるので、とても複雑なものでしょう。
そのため、自分で行うというのは、とても難しいものもなります。
出来るのであれば、税理士に依頼した方がいいかもしれませんね。
親の土地を子供が貰った!贈与税の申告をしよう
続いては、親が生きている時に子供が土地や家を貰い、税金としてお金を払う「贈与税」です。
家を貰うケースよりも、土地を貰うというケースの方が多いかもしれませんね。
贈与の場合、相続と違って、税務署は贈与したということを事前に把握していません。
そのため、自分で書類を作成し、申告することになります。
また、相続税と同じく、国税庁のホームページ「確定申告書等作成コーナー」にて必要書類の作成や、申告が可能です。
贈与税は、申告期間が毎年設けられており、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日が期限となっています。
納税期限も、3月15日です。
申告場所は、相続の場合とは違い、贈与された側の住所地を所轄している税務署になるので、覚えておきましょう。
手続きとしては、相続税よりも楽とは言えますが、税理士に依頼してもいいでしょう。
贈与してもらう前に、税について知っておこう
今回は、「相続税」と「贈与税」について詳しくご説明しました。
税について、知らないことが多いかもしれませんが、少しでも知識を持っておくことで、いざとなった時に慌てずに手続きを行うことが出来ます。
しっかりとした知識を持っておくことが大切ですね。