よく「宅建」という資格を耳にしませんか?
これは宅地建物取引士の略語で、不動産に関する資格の一種です。
アパート経営をはじめたばかりの大家さんであれば、「宅建を取得した方がいいかなあ?」と思うかもしれませんが、実際宅建の資格がどのようなものかご存知でしょうか。
この記事で、宅建の資格や試験の概要、持ち物についてご説明し、大家さんにも必要な資格なのかどうかをお話ししていきます。
宅地建物取引士とはどんな資格?
宅地建物取引士はよく「宅建」と呼ばれていて、数ある国家資格の一つです。
毎年20万人前後も受験しており、最大規模の資格ともいえます。
この宅地建物取引士という資格ですが、どんな資格なのかピンと来ない方もいるでしょう。
まずは、この資格がどのようなものかをご説明します。
宅地建物取引士は、不動産取引の専門家を示す資格です。
不動産取引の専門家のことを宅建士ともいうのですが、宅建士になるための資格でもあります。
宅建士として宅地建物取引業を営むことを考えている場合、宅地建物取引業法に基づいた国土交通大臣もしくは都道府県知事の免許を受けなくてはなりません。
それが、宅地建物取引士という資格なのです。
この資格に合格することで、不動産の売買や賃貸物件のあっせんを行う際に、お客様にその土地や建物についての専門的な知識を詳しく説明することが可能になります。
宅地建物取引士は国家資格のため、年に1回しか試験がなく、合格するために1年かけて猛勉強に励む方もいます。
しかし、試験までの間猛勉強したのに、試験日の持ち物でもある受験票を忘れてしまっては、今までの努力が水の泡になってしまいます。
この記事では、宅建試験前の心構えもご紹介しますので、受験を考えている方はご参考にしてみてください。
宅地建物取引士の試験概要をご紹介!
宅地建物取引士の試験は、毎年1回で10月の第3日曜日に実施されます。
試験までのスケジュールは細かく決められていますので、ざっとご紹介します。
6月:試験実施の告知
7月:申し込み開始(7/2~31までの1ヶ月間)
8月:試験会場通知の送付
10月:宅建試験
12月:合格発表
7月の1ヶ月間でしか申込みができませんので、受験希望している方は申込期間を把握しておくようにしましょう。
詳しい日付を知りたい方は、宅建の公式サイトでご確認ください。
試験の内容はというと、筆記試験のみで50問のマークシート形式です。
民法であったり宅建業法だったりと、法律に関する問題が多いです。
過去の宅建の合格率は15~17%といったところで、20万人いる受験者数のうち、3万人程度しか合格することはできません。
合格点は31~36点の間で、約7割の問題に正解できれば合格するともいわれています。
そして、何より大切なことが試験日の持ち物です。
持ち物については、次項からお話をしていきます。
試験日に持参する持ち物はある?
宅地建物取引士の試験日当日には、持参しなくてはいけないものがあります。
ここではまず必須持ち物についてお話しします。
試験の必須となる持ち物は、次の4つです。
・受験票
・鉛筆もしくはシャープペン(BもしくはHB)
・消しゴム
・腕時計(試験会場に壁時計がないこともあるため)
特に受験票は、どの持ち物よりも必須です。
筆記用具は最悪忘れたとしても、現地調達することが可能です。
しかし、受験票は代わりがききませんし、現地調達することもできません。
ですから、受験票だけは必ず忘れずに持って行きましょう。
鉛筆やシャープペンは、予備として2~3本ほど持って行くと安心です。
さらに、シャープペンの場合は、替え芯も準備しておきましょう。
時計は音の鳴らないもので、あまり大きすぎないものを選んでください。
試験会場によっては、1人1人の机のスペースが狭いこともありますので、試験の邪魔にならない大きさのものが良いですね。
持ち物の一つには地図も!試験日に必要?
宅地建物取引士の試験日の持ち物としては、4つのものが必須とお伝えしました。
しかし、必須とまではいいませんが、あったほうが良い持ち物もありますので、ここでご紹介します。
まずは試験会場までの地図です。
よくご存知の場所が試験会場であれば問題ありませんが、人によってははじめて行く場所でもあります。
迷ってしまうことのないよう、地図を用意しておくと安心です。
地図を印刷したものでもよいですし、スマホの地図アプリを使用するのもよいですね。
試験会場まで無事着けるための準備も大切です。
また、テキストも用意しておくのもおすすめです。
特に電車やバスで移動する場合、その移動時間で復習することができます。
ただし、何冊も用意するのではなく、1冊もしくは2冊程度にとどめておきましょう。
さらに、人によっては、お腹が元々弱かったり、ドライアイの方もいるでしょう。
持病がある方は、薬を持って行くと何かあったときに対処できるので、持参することをおすすめします。
持ち物の準備は前日に!試験前の心構え
ここでは、宅地建物取引士の試験前の心構えについてお話しします。
まず、試験本番では、試験中の途中退席は原則できません。
試験時間は2時間ですが、その2時間の間は例え試験の解答が終わったとしても、席を離れることはできません。
つまり、試験中にトイレに行くことさえもできませんので、試験前にはトイレを済ませておくと安心です。
トイレを済ませておけば、気持ちもリフレッシュし、集中力をもって試験に臨めますよ。
そして何より、時間にゆとりを持つことが、試験では大切です。
ゆとりを持って行動すれば、心にもゆとりがでますので、焦らずいつものペースで試験に臨むことができます。
ですから、試験の持ち物においても、試験当日に慌てて準備するのではなく、前日に用意しておくことで試験当日の朝もゆとりが出ますよね。
試験会場までのルートも前日までに確認しておけば、当日困らずに会場まで着くこともできるでしょう。
このゆとりが試験本番までつながりますので、試験の前日からゆとりを持って行動するようにしましょう。
アパートの大家さんは宅地建物取引士の資格が必要?
ここまで、宅地建物取引士の資格や試験についてお話をしてきました。
試験の合格率についてや、持ち物などを前日に済ませておくなどの心構えもお伝えしましたが、この資格はアパート経営する大家さんには必要な資格なのでしょうか。
実をいうと、そこまで必要とはいえません。
なぜかは、はじめでもお話ししましたように、宅地建物取引士の資格は不動産取引の専門家になるための資格ですから、大家さんが取り組むアパートの運営業務に役に立つとはいえないからです。
ですから、大家さんになるからといって、わざわざ宅建の資格を取得しなくても大丈夫です。
しかし、宅建を持っていることでのメリットもあります。
宅建がなければどれを行うにあたっても、不動産会社を仲介して行うことになり、専門的な知識がないと不動産会社に任せきりになってしまいます。
大家さんが宅地建物取引士の資格を持つことで、不動産の取引や事業を拡大、そして管理を行ううえで、リスクの軽減につなげることもできるのです。
アパート経営をするうえでは宅建の資格は必要ありませんが、大家さんが持っていても損することはない資格です。
宅地建物取引士を受験するなら!ゆとりを持って試験に臨もう
宅地建物取引士の資格についてお話をしてきました。
アパートを所有する大家さんにとっては、特に必要とはいえない資格ですが、あって損はない資格です。
もし受験を考えているのであれば、この記事や宅建のホームページ等で受験のスケジュールを確認して試験に臨みましょう。
また、心構えでもお伝えしたように、時間にゆとりを持つことが大切ですので、試験本番まで時間にも心にもゆとりを持って行動するようにしてください。