家族で家の間取りをいろいろと考えるのは楽しいものです。
自由な発想を取り入れながら新居をイメージしていくとき、まず簡易的な平面図を書くことから始まります。
鉛筆と定規で書くのも良いですが、どうせならパソコンを使用して綺麗に作成したいものです。
実は、平面図の簡単な書き方で、表計算ソフトのエクセルを利用した方法があります。
今回はエクセルを利用した平面図の書き方をご紹介します。
平面図の書き方は方眼紙が基本!実はエクセルも同じ方法
手書きの平面図の書き方のひとつに方眼紙を使用した書き方があります。
エクセルにおける平面図の書き方は、この方眼紙を使用した書き方と同じイメージです。
定規と鉛筆で紙に記入する代わりに、マウスでパソコンに記入していきます。
よって、最初の作業はエクセルのワークシートを方眼紙と同じ画面にアレンジするところから始まります。
尚、エクセルの編集画面の上の方に、「ファイル|ホーム|挿入|ページレイアウト|数式|データ|校閲|表示」となっている部分があります。
これはメニューバーと呼ばれ、エクセルを動かすための各種「命令」が配置されている場所です。
今回の記事の中で、「『表示』→『ページレイアウト』」と記述している場合は、「メニューバーの『表示』をクリックすると出てくる中の『ページレイアウト』をクリックする」という意味になります。
エクセルで方眼紙のような編集画面を作成!これで簡単に平面図が書ける!
続いて、ワークシートを方眼紙と同じイメージに設定し平面図を書きます。
○エクセルで表を開く
エクセルを起動し、新規のワークシートを編集する画面を開きます。
○編集画面をページレイアウトビューにする
「表示」→「ページレイアウト」で編集画面をページレイアウトビューにします。
これは、セルのサイズをセンチメートル単位で設定するための一時的なビューの変更です。
○行の高さを設定する
左上のすみのグレーになっている部分をクリックし、すべてのセルを選択した状態にします。
この状態で、左側の行番号である「1」と「2」の境目を、クリックしたまま動かすことで全行の高さを変更することが可能です。
ここでは、5ミリ方眼と同じサイズの「0.50センチメートル」に設定します。
○列の幅を設定する
同じ要領で、列の幅を設定します。
画面上部のセル名を表す「A」と「B」の境目部分をクリックしたまま動かして全列の幅を設定して下さい。
ここでは、行の高さと同じ0.50センチメートルに設定する必要があります。
○ページレイアウトビューから標準ビューに戻す
「表示」→「標準」で画面のビューをページレイアウトビューから標準ビューに戻します。
これで5ミリ方眼のエクセルワークシートが完成し、手書きと同じ書き方のイメージで作業ができるようになりました。
平面図の作成に入る前にエクセルで印刷書式を設定しておこう
具体的な平面図の書き方に入る前に、エクセルで印刷書式を設定しておきます。
先に印刷書式の設定をしておくことで、「印刷したら用紙からはみ出していた」などということを回避できます。
もちろん、後から設定し直すことも可能です。
○印刷書式の設定画面を開く
「ファイル」→「印刷」で印刷書式の設定画面を開きます。
ここで設定するのは以下に続く4つです。
○印刷するプリンターを設定
印刷に使用する予定のプリンターを選択します。
○印刷方向を設定
印刷方向を縦か横か決めます。
お好みで構いません。
○印刷する用紙のサイズを設定
印刷するサイズを決めます。
A4サイズがもっとも一般的です。
プリンターの機能に合わせてください。
○余白の設定
設定する余白のサイズで印刷可能な範囲が変わります。
今回は「標準」で特に問題無いと思いますが、ものすごく広い家の平面図を書くときなどは「狭い」余白にしておくと良いでしょう。
すべて設定し終わったら、メニューバーの「ファイル」をクリックし、エクセルの編集画面に戻ります。
印刷範囲が点線で表示されるようになっているのがわかると思います。
この点線からはみ出さなければ、印刷したときに用紙からはみ出すということはありません。
エクセルのセル1マスの広さを何坪にするか決めておく
まず、書き方のルールとして、エクセルのセルを何マスで1坪と考えるかを決めておきます。
一般的な日本の建築ではドア1枚分が半間となっているため、今回は1マスを半間の長さと考えることとします。
これにより、2マスで1間=1.82cmの長さとなり、つまり、4マスで1坪ということになります。
なお、今回はあくまでも平面図であって、正確な設計図ではありません。
アバウトな感覚で楽しみながら作成して行きましょう。
また、作成は2階から作成するのが良い方法です。
理由は、階段にあります。
1階と2階は同じ位置に設置する必要があります。
平面図は、1階よりも2階の方が単純な間取りとなるため、2階から作成するのがオススメというのが意味するところです。
なお、クローゼットなどの収納エリアは、設計の時点でしっかりと考えれば良いので、今回は考えないことにします。
もちろん、ウォークインクローゼットなど特別なものは遠慮なく入れてかまいません。
エクセルでの平面図の書き方①全体の広さを設定して2階から作成
それではよいよ平面図を記入して行きましょう。
今回の平面図の書き方の手順は以下を繰り返すやり方で進めます。
①確保する部屋の広さのセルを選択
②セルを結合
③部屋の名前を入力
○2階全体の広さを決めよう
今回は、建坪60×2階建ての間取りを作成してみましょう。
まず、横12マス×縦10マスの正方形を作成します。
罫線の引き方は、線を引きたいセルを選択したあと、「ホーム」→「罫線」→「外枠」か、エクセルのショートカットキー「Ctr+Shift+&」設定して下さい。
○まずは広い部屋から設置する
2階の広さを決めたら、部屋を設定します。
ポイントとして、大きな部屋から設定してください。
まず、主寝室を決めます。
12畳程度は欲しいところなので、6マス×4マスを選択し「ホーム」→「セルを結合して中央揃え」でセルを結合します。
そして、「主寝室」と文字を入力してください。
続いて子供部屋となる部屋を1つ確保します。
8畳くらいでしょうか。
4×4マスを選択してセルを結合し、「寝室1」と入力してください。
同じ要領で「寝室2」も適当なところに設定します。
○プレイルームや吹き抜けも遠慮せずに設置
この調子でいろいろな部屋を設置してみましょう。
プレイルームや吹き抜けなどがあったり、バスルームを2階に作るのもおしゃれです。
エクセルでの平面図の書き方②廊下・階段のチェックと1階の作成
ここで、半間である1マス以上の幅で廊下が設定されているかをチェックしてください。
同時に、部屋は必ずどこかの1マス分以上が廊下に面している必要があります。
ドアが作れないと人間が部屋に入れなくなるからです。
また、必ず必要なものは階段です。
階段が無いと2階に上がれません。
部屋を設定しなおす場合は、結合したセルを選択し「セルを結合して中央揃え」をクリックすれば結合を解除できます。
○各部屋を罫線で囲んで2階部分を完成
間取りの設定が完了したら、各部屋を選択し、前述の要領で外枠罫線を引きます。
Ctrlキーを押しながら各部屋をクリックすると複数いっぺんに作業をすることが可能です。
○2階をコピペし同じ要領で1階を作成
続いて1階を作成します。
出来上がった2階の間取りをコピー&ペーストで貼り付け、階段以外の部屋をすべて消去するのが簡単確実でオススメな方法です。
1階の平面図の準備ができたら、2階と同じ手順で間取りを設定してください。
○部屋に色をつけてカラフルにアレンジ
部屋ごとに色をつけてカラフルな平面図にするのもエクセルならではの書き方です。
階段やトイレなどの1階と2階両方に存在している間取りは、同じ色で統一することで大変わかりやすい平面図となります。
見た目を綺麗に仕上がるので一石二鳥です。
エクセルの基本機能だけで平面図を完成させよう!
以上、今回は表計算ソフトのエクセルを使用した平面図の簡単な書き方をご紹介しました。
日頃は見積書や一覧表などで使用しているエクセルも、今回のように、使い方次第ではいろいろな用途に利用することが可能です。
平面図においても手書きに比べて直線や色付けなどが簡単に設定できます。
エクセルの基本機能だけで効率良く平面図を書けるわけです。
ぜひ、家族みんなで楽しく平面図を作成してください。