アパートを契約すると、多くの場合、2年ごとにやってくるのが「更新」です。
更新には更新料がかかり、家賃の1~2か月分の支払いであることから、家計の負担となり身構えている方も多いのではないでしょうか。
そんな中、気になるのが「更新料には消費税がかかるのか」という点です。
更新料は高額なため、消費税がかかると負担がさらに増えてしまいますよね。
今回はアパートの更新料に注目し、消費税がかかるかなど、くわしくご説明していきましょう。
アパートの更新料とはどんなもの?
まずは、更新料についてくわしくお話ししていきましょう。
アパートの契約には、契約期間が決められており、「2年」であることが一般的です。
この2年ごとの契約更新の際に必要となるお金が「更新料」です。
更新料は、もともと関東方面の風習だと言われており、昭和30年~40年ごろの、高度経済成長の時代に地価の高騰によってできたものです。
その名残が風習といった形で、今でも根強く残っているのです。
ちなみに、大阪・名古屋方面では、アパートの更新料はないことが一般的です。
更新料を払っている身からしたら不満に感じるかもしれませんが、アパートを契約する際に交わす契約書には更新料の記載は必ずあり、説明も受けていることでしょう。
契約時に納得して契約したのであれば、支払うほかありません。
事前に契約内容をしっかり確認し、どのくらいの更新料になるのか、しっかり確認しておきましょう。
また、更新料には消費税がかかるのかも重要視するところです。
次項からくわしくご説明していきましょう。
アパートの更新料は消費税がかかるの?
ほとんどの賃貸住宅の場合、2年ごとにやってくるアパートの「更新」ですが、同時に更新料を支払わなければなりません。
更新料に消費税はかかるのでしょうか。
結論から言うと、アパートの更新料に消費税はかかりません。
アパートは貸主と借主の直接的な契約となるため、消費税はかからないようになっています。
しかし、消費税の制定から法改正までの間は、更新料に消費税がかけられていました。
平成3年の消費税の法改正により、個人向けの賃貸住宅が非課税となったのです。
更新料は貸主に直接支払うものと考えられるため、「消費」にはそぐわないとされているためです。
しかし、これは「居住用」であることが第一の条件となります。
あくまでも、個人が「そのアパートに住む」ことを目的としていれば、非課税の対象となるのです。
ここで注意しておきたいのは、消費税がかからないのは「更新料」であって、「更新手数料」ではないことです。
更新料は貸主に支払うものです。
一方の更新手数料は、不動産会社に仲介料として支払うものとなります。
不動産会社は消費税の課税対象となっているため、消費税が発生するのです。
アパートの家賃にも消費税はかからない!
先ほどの更新料にならって、今度はアパートの毎月の家賃を見ていきましょう。
家賃の支払い先が貸主で、アパートに住む個人が「居住用」として契約した場合は、更新料同様、家賃にも消費税はかかりません。
これは消費税法によるもので、個人の居住用としてアパートを貸し出している貸主を「最終消費者」とし、家賃に消費税がかからないようになっています。
消費税には、「多段階税」と「仕入れ税減額控除」という考え方があります。
上記によると、個人の居住用にアパートの部屋を貸し出している貸主と、企業へ向けてまとめてアパートの部屋を貸して家賃収入を上げている貸主を区別することができます。
あくまで、個人に居住用として貸し出した部屋の家賃には、消費税はかからない仕組みになっているのです。
事業用はアパートの更新料・家賃に消費税がかかる
先ほど、個人が居住用としてアパートを契約すると、更新料や家賃は非課税となり、消費税がかからないとお話ししました。
では、個人ではなく「事業者」がアパートを契約した場合はどうでしょうか。
アパートの部屋を、事業者が事業用のために契約することもあるでしょう。
この場合、課税対象者となります。
これは、営利目的で事業のためにアパートの部屋を借りると、「家賃を経費として処理できる」という理由が大きいためです。
家賃を経費として落とすと税金対策にもなりますよね。
また、個人が契約した場合でも、「事業用として業務のために借りた部屋」の家賃は課税対象となります。
課税の対象は、「個人」と「事業者」で分けるのではなく、「居住用」か「事業用」かで分けるのです。
このように、事業用に契約したアパートの部屋は課税対象だということにならうと、2年ごとの更新料も消費税がかかってくるため、注意しましょう。
アパートの更新料が払えない場合は?
アパートの更新料には、「居住用」か「事業用」かにより、消費税がかかる場合と、かからない場合があることがわかりました。
更新料は家賃の1~2か月分であることが多いですが、更新月の家賃も合わせると高額な支払となります。
例えば、家賃が5万円のアパートだとして、更新料が2か月分だとすると、家賃と合わせて15万円もの支払いをすることとなります。
前もって貯金をしておくなどして、更新に備えることが必要ですね。
しかし、急な出費が重なり、更新料を払うことが難しいこともあるでしょう。
支払いができないため、最悪の場合引っ越しを選択される方もいるかもしれません。
そうなる前に、まずは貸主や不動産会社へ連絡し、相談をしましょう。
事情を話し、更新料の支払いをきちんとする意思を見せることで、相談に乗ってくれるケースもあるようです。
支払いの期間を遅らせてくれる可能性もあるため、突然退去を求められることも避けられるでしょう。
しかし、これは日ごろの家賃の支払い態度も考慮されます。
毎月遅れることなくきちんと支払いをしていることは前提でしょう。
更新料で悩んでいる方は、まずは一度連絡をしてみましょう。
更新料のないアパートがある!?
2年ごとの更新料は高額なため、できることなら支払いたくないものです。
そこでおすすめなのが、「更新料のないアパート」を契約することです。
更新料がなければ、事業用の場合も、更新料の消費税を気にすることもなくなるでしょう。
大手住宅メーカーの賃貸住宅でも、更新料がかからないアパートが増えているのです。
以下で更新料なしの賃貸アパートの、おすすめポイントをご紹介しましょう。
●長期居住でお得
長くその土地に住む予定の方は、更新のたびに高額な更新料を支払うこととなります。
しかし、更新料がゼロであれば、長く住めば住むほどお得と言えるでしょう。
●引っ越しを避けられる
更新料が支払えない方の中には、引っ越しを余儀なくされる方もいらっしゃいます。
引っ越しにもある程度の初期費用がかかるため、避けられるに越したことはありません。
●敷金・礼金の条件でさらにお得に
部屋探しの際に、更新料がゼロであれば、敷金・礼金を部屋探しの基準にすることができます。
礼金ゼロの部屋を条件に探せば、より出費を抑えられるでしょう。
しかし、敷金がない部屋は退去の際の不安もあるため、注意が必要です。
以上のように、更新料のないアパートにはメリットがたくさんあります。
部屋探しの際に、1度探してみてはいかがでしょうか。
基本的にアパートの更新料に消費税はかからない
アパートに住み続ける以上、更新は避けられません。
更新には更新料がかかりますが、決められた更新料をしっかりと貸主に支払いましょう。
また、アパートの更新料には基本的に消費税はかかりませんが、それはあくまで「居住用」であることが前提となります。
「事業用」として借りた場合には、更新料や家賃に消費税がかかりますので、間違えないようしっかり頭に入れておきましょう。