近頃は、マイホームを建てようという場合に、間取りだけではなく、窓にこだわるという人も多いのではないでしょうか。
光や風を取り込んだり、風景を楽しんだりするために、高さのある窓や大開口窓を設けたりと、窓のバリエーションも広がっています。
しかし、窓が大きくなると、重くなって開閉が難しくなることがあります。
そんな時に役立つ、吸盤で取り付ける窓用の取っ手を紹介しましょう。
重くて開けにくい窓に吸盤で取り付ける取っ手とは
窓の大きさは、開放感を得るためには大切な要素です。
開口部が広ければ広いほど、光や風を家の中に取り込むことができますね。
しかし、開口部が広くなるほど窓は大きくなり、その重さも増して、開けるのに力が必要となるのは致し方ありません。
家の中で一番大きな窓というと、普通はリビングなどの掃き出し窓でしょう。
掃き出し窓を開けようとする場合、普通はサッシの枠の窪みなどに指を引っかけ、グイっと力を加えないと開きませんよね。
また、特にマンションなど機密性の高い部屋の場合は、気圧の関係で、換気扇を使っていると固くて開けられなかったりもします。
そして、例え腰高窓であっても、ちょっと建付けが悪くなると開けるのに力が必要になったり、途中で引っかかったりすることもありますね。
このような時に、非常に便利なのが窓用の取っ手です。
ガラス面に取り付けることで、取っ手を持って簡単に窓を開閉することができるのです。
ただ、窓ガラスは、木のように穴を開けてねじ止めすることができません。
そのため、ほとんどの商品が吸盤で取り付けることができるようになっています。
簡単に付けたり外したりもできるため、持ち家はもちろん、賃貸などでも安心して取り付けることができます。
便利な窓用の取っ手は種類も価格もいろいろ
窓用の取っ手は、ホームセンターやインターネットで買うことができます。
価格帯は、安いものでは1,000円を切るものから、高くても8,000円程度で販売されています。
取っ手の形状は、大きく分けて2種類あり、1つは昔の黒電話の受話器のような形状をしています。
受話器でいうところの耳と口を当てる部分の2か所に吸盤が付いており、それを窓に吸着させて、ハンドル部分を握って開閉する仕組みです。
そしてもう1つは、円形の吸盤につまみのついたタイプです。
こちらは、吸盤がひとつしかなく、つまみの部分を握って開閉します。
どちらも、ハンドルやつまみがあるため、サッシの枠の窪みに指を引っかけて開閉する場合と比べると、開閉しやすくなっています。
また、特に受話器の形状の取っ手は、広いガラス面に対して支点となる吸盤部分が2か所あるため、力学上、少ない力で開閉することができます。
例えば、ベランダなどに洗濯物を干す場合、片手に洗濯物を持っていても、もう片方の手で簡単に開閉できると、非常に便利ですね。
ちょっとしたことですが、窓用の取っ手は、このような日常の不便さを解消できる便利グッズと言えるでしょう。
取っ手の吸盤の最適な取り付け位置
では、取っ手の取り付け方を解説していきましょう。
ここでは、吸盤が2つ付いた受話器の形状のものを、掃き出し窓に取り付ける場合を例にとって説明します。
まずは準備として、吸盤を取り付ける面のガラスの、汚れやほこりをきれいに掃除しておきましょう。
次に、取っ手を取り付ける位置を決めます。
最適なのは、一番力を加えやすい位置でしょう。
部屋のドアなどを見ていただくとわかるように、ドアノブや取っ手などは、上下の真ん中より少し下の位置に付いています。
これは、立っている身長で最も作業しやすい「立位作業点」を参考に、多くのドアが下から90センチの位置に取っ手が付けられているためです。
ただ、立位作業点は身長によっても多少変わりますので、ご自分に合った位置に微調整していただければよいでしょう。
ただ、あまり上すぎたり下すぎたりすると、窓ガラスの重心の位置からずれ、返って開けにくくなったりするので、注意が必要です。
参考として、縦位置は下から90センチ程度で、受話器型の取っ手がそのあたりを跨ぐように位置決めをして下さい。
横位置は窓枠の端から3センチ程度開けたところを目安に、取り付け位置を決めていただければよいでしょう。
窓用の取っ手の吸盤の取り付け方法と注意点
取り付け方法は、非常に簡単です。
吸盤の付いているところを、取り付けたい位置に強く押し当てます。
そして、上下の吸盤に付いているロックレバーを押し込むと、柔らかいゴムが接着面にピタッとくっつきます。
その上から、さらに硬いゴムが押さえつけることで、吸着面に真空状態が出来上がります。
これで、作業は完了です。
重たい窓ガラスであっても、吸着力が非常に強いため、ハンドルを掴んで開閉しても外れることはほぼありません。
ただ、注意していただきたいのは、あくまで吸盤でくっついているだけで、ねじなどで留まっているわけではないという点です。
使い続けると、何かの拍子に力が加わり、真空でなくなっている可能性もあります。
そこで、決して手すり替わりにして、体重を掛けたりしないようにして下さい。
取っ手はあくまで取っ手なので、窓を開閉するための目的に限って使用するように注意しましょう。
また、ガラス面のようにつるつるとしていて、凹凸がないところでなければ、真空が保てません。
他にも、屋外など水がしみ込みやすい場所には適しません。
そして、薄板ガラスなどはガラス自体の破損の危険性があるため、一般的なサッシ用のガラス厚のある窓に使用するようにしましょう。
スタイリッシュでおすすめの一押し窓用の取っ手
このように、窓用の取っ手は吸盤で簡単に取り付け、取り外しができ、日常の不便を解消してくれる便利なものです。
そして、その種類もいろいろですが、新築の家などの場合は、見た目にもこだわりたいですよね。
そんな時におすすめなのが、サッシなどともよくなじむ、【超強力吸盤スペースマジック(SPACE MAGIC) SMP0008】です。
取っ手には、白いものが多い中、これは樹脂製のシルバー色なので、サッシの枠色がシルバーの場合はもちろん、白やブロンズにもマッチするでしょう。
形状は受話器型ですが、吸盤部分も含め比較的細身で、後付けではなく、まるで元から付いているもののように見えます。
また、吸盤の性能も業務用の強力なもので、耐水性にも優れています。
その証拠に、窓用の取っ手のみではなく、台所の吊り下げ収納や浴室のタオル掛けなどで、同じシルバー色の吸盤のものが発売されています。
つまり、水回りにも使える程度の耐水性があるということですね。
ただ、他のプラスチック製のものに比べると、5,000円程度と価格が高めなのがネックと言えます。
しかし、新築時にオプションとして窓を取っ手付きのものにする場合などと比較すると、かなり予算は抑えられるはずです。
そこで、見た目にもこだわりたい方に、このスペースマジックの取っ手をぜひお勧めします。
窓用の取っ手を高齢者宅でも便利に活用しよう
ところで、この窓用の取っ手は、福祉用としても注目されている商品です。
人は年齢を経ると、若いときには苦もなくできたことができなくなることがあります。
重い窓の開閉はもちろんですが、日々何度も行う冷蔵庫のドアの開閉や、床下収納の開閉などもその1つでしょう。
このような高齢者の負担軽減にも、取っ手は一役買っています。
実は窓用の取っ手は、窓だけではなく、タイルやつるつるした壁面、プラスチックなどにも取り付けることができます。
そこで、冷蔵庫のドア表面などの掴みやすい位置に取り付けると、手だけでなく腕全体や体重を利用して比較的少ない力で開閉することができます。
他にも、アイディア次第でいろいろなところに利用可能なため、高齢者や手の力の弱い方のおられるご家庭や、高齢者の単身世帯などにもお勧めです。
ただ、強力とはいえ吸盤での取り付けになるので、数ヶ月に1度程度は、定期的に取り外して付け直すようにしましょう。
その際、取り付け面と吸盤を拭くなどし、汚れや水分が残っていないか、ゴミや傷などが付いていないかを確認し、再度取り付けるようにします。
そうすることで、取っ手が外れて無用なケガなどをすることもなく、安全に使用することができるでしょう。
窓用の取っ手は手軽に取り付け可能で便利な優れもの
今回は、重い窓を簡単に開閉できる窓用の取っ手を紹介しました。
この取っ手ひとつで日々のわずらわしさから解放され、高齢者の方にも役立つとしたら、かなり優れものと言えるのではないでしょうか。
また、取り付けも取り外しも簡単にできますので、皆さんのお宅でも、一度試してみてはいかがでしょうか。