株取引の際、重要となるのが寄り天の傾向であるかという点でしょう。
このような傾向を早めに見極めることが、株取引における損失を防ぐともいわれていますよね。
ここでは、寄り天の意味はもちろん、寄り天がもたらす株価への影響などもみていきます。
株取引に関する本で記されている寄り天の意味や特徴
株取引をするにあたり、本などを購入して株取引に関する知識を得ようとする方も多いことでしょう。
そこには利益をあげるための知識はもちろん、数ある株式専門用語の意味などもわかりやすく記されていますよね。
しかし、実際はそのような知識をもってどのように株取引を行なっていくのかがより重要でしょう。
つまり、ただ知識を詰め込むだけでは有意義な株取引は実現しないということになります。
では、株取引で利益をあげている投資家は、それらの知識をもとに、どのように株取引を戦略的に行なっているのか、ということが気になりますよね。
ここでは主に、最も近い高値や底値に繋がりやすいとされている「寄り天」と「寄り底」についてみていきましょう。
まず、多くの株取引に関する本では、寄り天の傾向がある場合、以下のような状態になりやすいことを懸念しています。
・寄り付きの始値が最も近い高値になる傾向がある
・所有している株式を売り損なうことにより利益をさげることに繋がる
・株式を購入することにより塩付け株になりやすい
・業績状況では、寄り天の寄り付き株価を上回ることもある
まず寄り天は、板寄せでの買い注文が多く、寄り付きでは高かった株価が最終的には始値より低い株価で大引けを迎える、という意味ですよね。
もっとわかりやすくいうと、朝一番に高値を付けて、その後ゆっくりとさがっていく状態といえます。
例として、一般的にはIRなどの良い情報が前日に発表されるのを受け、株価があがると予想した投資家が、板寄せでの買い注文で殺到しますよね。
しかし寄り天の場合、寄り付くと買いよりも売りの勢力の方が勝るため、それを受けて株価が下がるのです。
このような状態は、売りの圧力が勝るために後の株価があがると判断できない状態となり、それにより現時点での高値と判断を下す投資家も多いでしょう。
株取引に関する本で記されている寄り底の意味や特徴
前項でご説明した寄り天とは反対の意味をもつのが、寄り底です。
寄り底は、板寄せでの買い注文が多く、寄り付きでは低かった株価が最終的には始値より高い株価で大引けを迎える、という意味になります。
それにより、株取引に関する本では、寄り底の寄り付きの始値が最も近い底値になると記されていることが多いです。
それに加え、寄り底の寄り付きの始値よりさらにさがることもあるため注意すると良いでしょう。
しかし、主に初心者である投資家の場合など、寄り天の傾向があっても所有している株式をまだ売らずにいることも多いものです。
それには、あえて株式を売らずにいる投資家に加え、寄り天の傾向に気付かずにいる投資家も含まれているのです。
次項では、このような状態を防ぐためのポイントについてみていきましょう。
早目の売りを!株価の割高は寄り天傾向という意味合いもある
数ある株式銘柄のなかでも、特に業績状況が良いものに関しては、その後に株価があがることが予測されますよね。
株価が大幅にあがることによって、またIRなどの良い情報が発表されるのを受けることによって寄り天の傾向が顕著に現れるのはいうまでもありません。
例として、寄り天になった後に高値を記録していない場合などは、寄り天の寄り付きの始値が割高になっていることが多いでしょう。
すなわち、このような割高の状態は、寄り天になる兆候という意味合いがあるといえます。
ちなみに、多くの投資家は多くの情報をもって割高になる状況かを判断するものですよね。
その際、もし割高の状態であると判断される場合でも、急な株価の下落も心配の種となるでしょう。
また、特別買い気配などの場合、寄り天になる傾向があるということのため、早めに所有している株式を売ることをおすすめします。
売るのはまだ早い?ストップ高翌日の意味深な値動きにも注意
他に注意していただきたいのが、25日移動平均株価と30%以上離れている場合でしょう。
この状態は、すでに増し担保規制に陥っているということを意味していると受け取ったほうが良いですね。
また、このような増し担保規制に陥っている株式の銘柄基本的には売りのタイミングがきていると判断したほうが良いでしょう。
割高同様の意味合いがあるといえるため、寄り天になる傾向があると判断できます。
そのため、所有している株価を早めに売ることも、割高同様重要であるといえます。
また、忘れてはならないのがストップ高翌日の株価の値動きです。
その場合、寄り天の傾向がより高まるという傾向があります。
ストップ高の翌日も特別買い気配で始まるような場合、すでに大幅に株価があがっているわけなので、高い確率で寄り天になると考えられます。
そのため、早めに所有している株式を売ってしまった方が良いでしょう。
しかし、このようなストップ高の傾向がある状況では、株価が意味深な値動きをすることも少なくありません。
その後株価があがり、わずかな期間でで寄り天の寄り付きの始値を上回ることもあるでしょう。
そのため、このような値動きには注意したほうが良いです。
開始直後の株の値動きは気にしない?10時からの戦略的な行動を
まず、相場があがっている状態では買いが有効ですが、一方さがっている状態は売りをおすすめします。
また、相場の始まりの株価にも注意し、安い株価が高値を最終的に上回る状態であると判断できる場合は買いでしょう。
それに加え、高い株価が安値を最終的に下回るような状態は、売りの一手が重要ですね。
このように、株価の値動きに合わせて売り買いを判断するのも良いでしょう。
また寄り天の傾向がある場合、買いで損失をだす要因の一つに、仕掛けるための判断を下しづらいということも挙げられます。
このため、特に初心者である投資家の場合、シンプルに時間の特徴を利用して売り買いを決める方法がおすすめできます。
おすすめとしては、戦略的な行動は10時から始めるということがいえます。
多くの投資家は、行動を9時から行なうというのが多いですが、この10時からというのは意外にもメリットが多いのです。
例として、10時から戦略的に行動することにより、9時の段階よりも相場の方向性が読めるという点が挙げられるでしょう。
また一方で、この方法は株取引開始直後である9時から10時までの値動きを利用しないということにもなりますよ。
しかし、寄り天の被害を極力抑えることに繋がるため、その時間帯の値動きをあえて気にしないことには意味があるということがいえるでしょう。
寄り天の被害を抑える!10時からの戦略的行動のポイント
前項でご説明した、寄り天の被害を抑える売り買いを実践するポイントをみていきましょう。
まず先述した通り、9時から10時までの値動きをあえて気にしないことです。
そのため、株取引開始直後であるこの時間であっても、戦略的な行動はしないということになりますね。
この時間の後、株価が高値を上回る傾向であれば買い、反対に安値の傾向であれば売りと判断してください。
このような時間ごとの特徴を利用する方法は、日々の結果を記録しておくことも大切です。
それにより、今後の売り買いの参考にもなりますので記録して損はありません。
また、NYダウが下がっていて日経平均先物があがっていることもありますよね。
それは、25日を権利日とする株価の銘柄が多いという意味を表しているといえます。
そのため、25日の株価の値動きには特に注意してください。
寄り天の前に早めの売りを!10時からの行動もカギ
株取引では、寄り天の傾向の見極めがターニングポイントとなります。
この際に所有している株価を売り損ねることは損失に繋がりやすいため、注意が必要です。
そのため、あまり欲をださずに早めに売ることが重要ですね。
また、寄り天になる傾向を見極めるのに自信のない方には、時間を考えて戦略的な行動をとることをおすすめします。