株式投資初心者にとって、株に対する疑問は数多くありますよね。
その疑問の中には「株が寄る」という言葉自体の意味だったり、「株価はいったいどう決まるのだろう」などといった疑問もあるのではないでしょうか。
ここでは、数多くある株の疑問の一部を解消していきます。
株式投資初心者の方は参考にしてみてくださいね。
株式投資の疑問解消!
約10年前に起きたリーマンショックで、株が大暴落したことはまだ記憶に新しいですよね。
当時の日本経済は深刻なもので、リーマンショック前の日経平均株価は12,000円前後でしたが、リーマンショック後の株価は7,000円前後まで暴落しました。
この暴落劇は100年に一度のことともいわれています。
しかし、ここ最近の日経平均株価は24,000円前後まで回復しており、同時に日本経済もリーマンショック時からだいぶ好転してきました。
そのため、昨今では自分自身の資産を預金だけではなく、何かに投資してみたいという方も増えてきました。
その中でも、株式投資にチャレンジする人が増えている傾向にあります。
株式投資を、ごく簡単にご説明すると「株を買って売る」ということです。
しかし、株式投資をするうえでは覚えておきたい用語や仕組みが数多くあるのです。
それらをいっぺんに覚えるのは大変ですから、少しずつ学んでいきましょう。
今回は、その数多くある疑問の一部を解消していきます。
まずは、「株が寄る」「株が引ける」などの株式用語の意味からご説明していきましょう。
「株が寄る」の意味とは?
株式投資を行ううえで、「株が寄る」という言葉を耳にする機会は多いです。
しかし、株式投資の経験が浅いと、その意味はよくわからないことと思います。
「株が寄る」とは、株式市場が開き、取引開始から一番最初に約定(やくじょう)する取引のことをいいます。
「寄り付き」とも呼ばれ、そのときの株価を「寄り値」といいます。
「株が引ける」とは、取引最後に約定する取引のことをさします。
「引け」もしくは、「大引け」ともいいます。
株が引けた際の株価は「引け値」といいます。
株式市場は一日の中で、前場(午前9時から午後11時半)・後場(午後12時半から3時)と分かれています。
(商い量が一番多い東京証券取引所を参考としており、他の証券取引所ではこの限りではありません。)
寄り付きも引けも前場後場それぞれ、一番最初もしくは、一番最後の取引に関して使われる用語となっています。
株価はどう決まる?
取引開始後、一番最初の取引のことを「寄る」といいますが、「そもそも株式の売買はどのように成立するのか」「株価はいったいどう決まるのだろう」といった疑問が生じてきますよね。
ここでは、株式市場において株価がどう決まるかご説明していきます。
まず、資本市場において当たり前ではありますが、「モノ」の価格は需要と供給のバランスで決定されますよね。
株式市場もそれと同様で、株の需給バランスで株価が決まります。
つまり、例を挙げると、ある株を買いたい人が多く、売りたい人が少ないのであれば、その株の価格は上昇するということです。
市場では、どのようにその需給のバランスを合わせているのでしょうか。
それは、「板寄せ」と「ザラ場寄せ」という方法を用いて需給のバランスを合わせているのです。
それでは、「板寄せ」と「ザラ場寄せ」の意味についてご説明しましょう。
株が寄る際の「板寄せ」の意味とは?
「板寄せ」という言葉自体を聞く限りでは、どのような意味かわかりませんよね。
板寄せとは、一番最初に株が寄る際や、株が引けるときに行われる株価の決定方法のことをいいます。
板寄せ方式では、板寄せをする際に出されている注文を全部付き合わせて、バランスのとれる価格で株価が決まります。
そして、その時点までに出されている注文すべてが同時に出されたものとされ、成行注文が最優先されることになるのです。
その次には、安い売りの指値注文と高い買いの指値注文から順番に売買が成立していくかたちになります。
ですから、買いたい人と売りたい人の価格のバランスがとれないと、株価はいつまでたってもつかないというようなことも起こり得るのです。
板寄せは難しく感じるかもしれませんが、要はすべての注文のバランスをとった価格で約定するということを覚えておくといいでしょう。
ザラ場寄せの意味とは?
そもそもザラ場とは、取引時間中のことをいいます。
つまり、ザラ場寄せの意味とは、市場の取引時間中に株価を決定する方法ということになります。
ザラ場寄せは、取引時間中に出されている買い注文と売り注文の需給のバランスで取引が成立することになります。
具体的に例を出してみましょう。
ある銘柄で現在出されている注文は以下のとおりとします。
●売り注文
・価格101円、株数5,000株
・価格102円、株数10,000株
●買い注文
・価格100円、株数11,000株
・価格99円、株数7,000株
この場合、101円での売り注文が5,000株ありますよね。
このときに101円で1,000株の買い注文を他の誰かが入れたとしたら、101円の売り注文5,000株のうちの1,000株が約定することになります。
そうすると、その時点での株価は101円ということになるのです。
この後に、別の人が5,000株の成行買い注文を入れたとしたらどうでしょう。
101円で売りに出されている株数は残り4,000株ですから、1,000株足りません。
そうすると、102円で売り注文が出されている10,000株のうちの1,000株を買うことになるのです。
そして、この場合の株価は102円となります。
以上のように取引が成立することを、ザラ場寄せというのです。
株が寄る際や引ける際に株価がつく板寄せ方式は、成行注文から優先して取引を成立させ、株の数量を合わせて価格を決める方法です。
一方、ザラ場寄せ方式は取引時間中にその時に出ている注文の価格をもとに、その都度売買が成立する方式ということになります。
株が寄るとは限らない!?
株の価格は需給のバランスで決まるので、需要と供給のバランスが崩れていると株価がつかない場合があります。
これは「特別気配」といって、株を購入したい人と売却したい人のどちらかに偏っていることを意味します。
(「気配」とは、買いたい人が買いたいと希望する値段、売りたい人が売りたいと希望する値段のことです。)
例えば、ある銘柄の買い注文の方に特別気配が出ていると、その銘柄は需要が多いということになるので株価は上昇します。
反対に、売り注文の方に特別気配が出ていると、どの銘柄は需要が少なく株価が下がるということになるのです。
このようなときは、株が寄るのは難しい状態です。
ただし、商い量が少なかったり、流通している株数が少ない銘柄に関しては特別気配になりやすい傾向があります。
つまり、そのような銘柄は売買しにくい銘柄だともいえるでしょう。
少しずつ学んで株の疑問解消!
株式投資を始めると、「株が寄る」などの言葉自体の意味や株取引の仕組みについての疑問がつぎつぎと出てきます。
難しい用語や仕組みが多いのは確かですが、それぞれの意味を理解しなくては株式投資をスムーズに行うことができずに、最悪の場合は投資のチャンスを逃してしまうことになるかもしれません。
しかし、株式投資についていっぺんに覚えることは案外大変です。
少しずつ学んで、自分自身の資産形成に役立てていきましょう!