賃貸物件の中でも、特に家賃が安い条件と言えば、アパートタイプ。
新築で部屋も広いのに家賃が安いアパートは、たくさんあります。
しかし、「どうしてそんな物件の家賃が安いのか」と、疑問を抱く人も多いはずです。
ここでは、アパートタイプの賃貸物件の家賃が安い理由をご紹介していきましょう。
アパートは人気がある
お部屋探しをする時は、無理のない生活を送るために、家賃の上限を決める人がほとんどです。
もちろんですが、その上限が6万円の場合よりも、7万円、8万円と高い場合の方が、条件に合う理想のお部屋が多くなってきます。
しかし、家賃が高いと、生活で使えるお金も少なくなるということになります。
そのため、いくつかの理想条件は諦めて、できるだけ家賃は抑えてお部屋を探そうと考える人は少なくありません。
そして、家賃が安いお部屋と言えば、アパートタイプの賃貸物件です。
ですので、家賃を抑えてお部屋を借りようとしている人には、アパートタイプは非常に人気があります。
さらに、アパートタイプの賃貸物件には、「部屋が広い」「築年数が浅い」などの人気な条件でありながら、家賃が安いということも珍しくありません。
つまり、理想条件を諦めずに、さらに安い家賃でお部屋を借りることも可能ということです。
では、どうして好条件にもかかわらず、家賃が安いのでしょうか?
次からは、本題である、アパートの家賃が安い理由をご説明していきましょう。
アパートの家賃が安い理由~構造~
アパートタイプの賃貸物件には、好条件が揃っているのに家賃が安いということが珍しくありません。
その理由として、まず一番に挙げられるのが、賃貸物件の「構造」です。
マンションタイプの家賃が高い理由も、この構造が関係しています。
それぞれの構造が下記です。
■アパート :木造、軽量鉄骨造、鉄骨造(S)
■マンション:鉄筋コンクリート造(RC)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)
しかし、実際には、どの建物を「マンション」「アパート」と分類するのか、には法的な規定がありません。
そのため、大家さんや不動産会社が判断して、命名しているということになります。
ですので、軽量鉄骨造だとしてもマンションと謳っていることもあります。
逆も稀ですがあり、鉄筋コンクリート造(RC)だとしてもアパートと表記している場合もあります。
そして、本題に戻りますが、アパートの構造に多い木造や軽量鉄骨造は、マンションのRC、SRCに比べ、建築にかかるコストが低いです。
建築費用が低いので、アパートの家賃が安いことがメリットではありますが、RCやSRCの賃貸物件に比べ、遮音性能が劣っているといったデメリットもあります。
アパートの家賃が安い理由~立地~
アパートタイプの家賃が安い理由には、「立地」も大きく関係しています。
マンションタイプの賃貸物件は、駅から近いなどのように、多くの人に人気のある場所に建設されることが多いです。
つまり、交通の利便性が高いので、その立地の良さにお金がかかってしまうというわけです。
そして、アパートタイプの賃貸物件ですが、マンションタイプとは反対に、駅から離れた郊外に建設されることが多いです。
その理由は、もちろん土地代を抑えることができるためです。
ちなみに、駅近くで人通り多く賑やかな場所は、アパートの構造だと外の騒音を防ぐことが難しいので、遮音性能が優れている構造の多いマンションが建設されるといったような理由もあります。
その反対に、マンションに比べて遮音性能が劣っている構造の多いアパートは、駅から離れた静かな場所に建設されることがほとんどです。
アパートの家賃が安い理由~お墓が近い~
アパートの家賃が安い理由として、大きく挙げられるのは、「構造」「立地」の2つです。
しかし、中には、それ以外の理由でアパートの家賃が安く設定されていることもあります。
その理由の一つとして挙げられるのが、「お墓が近い」ということです。
お墓が近くにある場所に建設された賃貸物件の家賃は、一般的に相場が安くなります。
お墓は夜は暗いので、夜道が不安ということもそうですが、なにより「心理的に無理だ」と感じる人が非常に多いです。
そのため、お墓が近いということを除けば全ての条件が揃っているけれど、契約するのを辞めてしまうという人も少なくありません。
心理的に無理ですと、休むはずのお部屋でゆっくりと休むことができず、精神的にも弱ってしまうので、お部屋探しでは、周辺の環境を調べることが非常に大切です。
アパートの家賃が安い理由~事故物件~
お墓が近い場所に建てられているアパートは、多くの人が心理的な理由で嫌がってしまうといったことから、安い家賃にしているとご説明しました。
それと同じく、心理的に嫌がる人が多いアパートの条件として挙げられるのは「事故物件」です。
事故物件は、誰もが一度は聞いたことがあると思いますが、何らかの原因で住居人が死亡してしまった経歴がある物件のことを言います。
共用部分だとしても、その物件で死亡してしまった場合は事故物件となります。
そういった物件では、入居者が精神的に受け入れることが難しく、入居者がなかなか見つからないことから、大家さんや不動産会社は、家賃を安くします。
相場よりも明らかに家賃が安い場合は、事故物件の場合が多いので、しっかりと聞いて確認しましょう。
しかし、事故物件の場合は、入居希望者に「告知義務」をする必要があります。
そのため、事故物件だと告知されずに入居してしまう、といったことは稀です。
もしそうなった場合は、告知義務違反に当たり、入居者は契約を取り消すことが可能です。
さらに、損害賠償として、引っ越しにかかってしまった費用を請求できる可能性があります。
ちなみに、不動産広告に事故物件と記載しなければならない義務はありません。
親切な大家さんであれば、その不動産広告に「告知事項あり」といった記載をしてくれています。
早く借りてほしいから家賃を安くしている!
好条件が揃っているのにもかかわらず、アパートの家賃が安いのは、何らかの理由があり、大家さんや不動産会社が早く借りてほしいという場合が多いです。
家賃が安い理由をいろいろとご説明しましたが、中には嬉しい理由もあります。
それは、築年数が浅く綺麗なアパートだけれど、同じ地域に新築物件が増えてしまい、入居者が見つからないという場合です。
賃貸物件は維持費用もかかってしまうため、そのままの家賃で入居者が見つからないよりも、家賃を安くして入居者を早く見つけたいと考える貸主は多いのです。
借りたい物件があったとして、家賃が安いことに不安を抱いたまま契約してしまうのではなく、「なぜ家賃が安いのか」その理由をしっかりと尋ねましょう。
安い物件には、見落としてしまうような落とし穴もあれば、先ほどご説明したような嬉しい理由もあるので、その理由を知って契約することで、後悔のないお部屋探しができるはずです。
アパートの家賃が安い理由はしっかりと聞こう!
アパートの家賃が安い理由についていろいろとご説明しました。
お部屋探しをする際に、きっと役立つ知識となるでしょう。
気になるアパートの家賃が安い場合、「なぜ安いのか」、その理由を尋ねるのはとても大切なことなのです。