アパートなどの賃貸物件で暮らしている方でも、光回線で気軽にインターネットを楽したいと考える方もいるでしょう。
しかし、光回線を引くには、まず、大家さんの許可が必要になります。
今回は、光回線の工事の方法と、そのメリット・デメリット、大家さんに交渉する際のポイントから、無線LANについてまで、お話ししていきます。
アパートで光回線を使うには大家さんの許可が必須!
最近「光回線」を固定回線としてインターネットを使う方が、どんどん増えています。
この光回線を使用するには、新たに光回線を開通する場合、工事が必要となります。
ただ、戸建てであれば、どこかの部屋へ1本のみ、光ファイバーを引く工事だけで済みます。
それでは、一般的なアパートなどの集合住宅の場合は、どうでしょうか。
まず近くの電柱から建物へ、光ファイバーをアパートの共有部分まで通す必要があります。
さらにそこから、各部屋に対して、光ファイバーを引き込む工事が必要です。
そのため、工事内容によっては物件を傷つけてしまい、賃貸物件の価値を下げることにも繋がりかねません。
このことから、勝手に光回線の工事を行ってしまうことは、大家さんとのトラブルの元になる可能性があるということです。
必ず、光回線の開通工事を行う前に、大家さんに相談しましょう。
また、大家さんに光回線の工事の相談をする前に、光回線の知識を深め、よく知った上で交渉してみるとスムーズにOKのお返事がもらえるかもしれません。
それでは次に、光回線の工事の内容をご説明していきます。
光回線の工事のイメージ
光回線の工事と一口に言っても、実際にどんなことをするのでしょうか?
工事の内容がイメージできるよう、順番にご説明します。
まず、光回線に「対応している物件」「対応していない物件」のどちらかで、工事のイメージは変わります。
通常、光回線に対応していれば、アパートなどの建物近辺の電柱まで、光回線の設備が導入されています。
その設備を利用し、アパートなどの共有部分まで光ファイバーを引き込みます。
更に、各部屋に向けて光ファイバーを分散させ、接続が完了するという流れです。
また、他の部屋でも、光回線でインターネットを使用したい場合は、共有部分から各部屋に、分け合うように繋ぐだけで済みます。
しかし、光回線の設備が導入されていない場合は、戸建て住宅用として、直接電柱から部屋に、個別で回線を引くような形になります。
いずれにせよ、建物の中に光ファイバーを通す工事は必ず行います。
工事をする際、光ファイバーを引き込むわけですから「光ファイバーを通すための穴」が、どうしても必要になり、一般的な穴の確保は以下のようになります。
・電話の配管を使って開通する
・エアコンの穴を使って開通する
・窓枠・ドアの隙間を利用し開通する
それと、大家さんが嫌がる「壁に穴を開ける」という方法もあります。
しかし、この方法は、どこから通すこともできない最後の手段で、ほとんどの場合は、最初に挙げた2つの方法でおこなわれます。
賃貸物件によっても、開通方法は異なるので、工事する前に工事業者に聞くとよいでしょう。
このようにして、工事が行われ、所要時間は建物によってばらつきがあり、15分~1時間程度となっています。
光回線の工事で大家さんが得られるデメリットとメリット
前項で、工事のイメージはできたでしょうが、大家さんにとって、光回線の工事をすることは、一体どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
最初にメリットからお話しします。
・インターネット完備の賃貸物件に変わる
大家さんからすると、「開通した光回線を、そのまま残して退去すること」を約束してもらった上で、工事を了承すれば、住居者負担でインターネット完備の物件にすることができます。
インターネット完備の物件であれば、部屋を借りたいという人が、今までよりも多く現れる可能性があります。
しかも、インターネット完備となれば、今まで提示してきた家賃よりも、多少増額できそうですね。
次にデメリットです。
・穴あけ工事となった場合、物件に傷がついてしまう
デメリットは何と言っても壁に穴を開けてしまった場合、物件に傷がつくということです。
所有しているアパートなどの建物に傷がついてしまったら、誰でもショックなものです。
このように、メリットがあるにも関わらず、デメリットを強く感じてしまい、断固として工事を受け入れない大家さんもいるようです。
それでは、一体どのようにして、大家さんに光回線の工事許可をもらえばよいのでしょうか?
アパートに光回線を引きたい!大家さんに話す時のポイント
大家さんが工事を拒否するのは「光回線の工事の説明を聞いたけど、とても大規模に感じたから」という理由がほとんどです。
大家さんにとって、工事の説明が大規模に感じてしまうキーワードを挙げてみました。
・工事
・穴あけ
・IT用語
まず最初に「工事」というキーワードについてですが、工事と聞くと大がかりで、所有しているアパートを大きく変えられてしまうことを想像する大家さんが多いようです。
そのため、工事ではなく「配線作業」「取付作業」など、言い方を変えて伝えると、大家さんが想像する工事の規模が、小さくなる傾向にあるようです。
次に「穴あけ」という言葉ですが、これも工事と同じく「簡単に塞ぐことが困難な大きな穴」で、「大規模な工事により空いてしまう」という想像する大家さんが多いです。
しかし実際、穴の大きさは5mm程度でとても小さく、光ファイバーを通したあとにできる隙間は、きちんと埋めてくれます。
前項でもお話しましたが、穴あけの工事になる場合は「本当にやむを得ない場合のみ」です。
通常は、元から空いているエアコンの穴や、ドアの隙間などを活用するのがほとんどです。
最後にIT用語ですが、ご年配の大家さんとなると「インターネット」ですら、難しい言葉に感じる方もいます。
そのため、工事の許可を取る際は、専門用語の使用を避け、誰にでも伝わるようにお話するようにしましょう。
細かなところですが、許可を取るときに気を付けると、案外すんなりといいお返事がもらえるかもしれません。
住んでいるアパートに光回線が通せない
大家さんの許可を無事に取ることができたら、いよいよ光回線の工事の手続きですね。
しかし、光回線自体がそもそも引くことができない場合があるのをご存知ですか?
主な理由は2つあり、それぞれご説明していきます。
①光回線がない地域である
光回線を使用することができるのは、都市部などが多く、きちんと光ファイバーが張り巡らされていることが条件です。
したがって、郊外などはまだまだ回線が用意されていない地域も多く、その場合は光回線を引くことができません。
①建物の構造によって、光ファイバーを引き込めない
築年数が経過したアパートなどの建物は、そもそも光ファイバーを入れることを想定して建設されていません。
そのため、回線を通すためのスペースがなく工事できない場合や、光回線を使えたとしてもマンションの下までと制限があったりと、どうにもならない状態になることもあります。
このように、光回線を引くことができないという事例もあるのです。
では、光回線を引くことができない場合、一体どのようにしてインターネットを楽しんだらよいのでしょうか?
光回線が引けない場合は無線LANを活用しよう!
前項のような理由により、光回線が引けない場合でも、きちんと方法はあるのです。
それは、無線LANのネット回線を使用する方法です。
光回線は有線LANといい、光ファイバーを使用してインターネットとつなぎます。
一方、無線LANとは、お弁当箱サイズの親機のみでパソコンなどの機械と通信が可能です。
また、光回線のような工事が必要なく、ケーブルなどもないので見た目もすっきりしています。
しかし、無線LANにも欠点はあり、それは主に【セキュリティー面】と【接続状況】です。
【セキュリティー面】
無線であることから、建物の外などでも通信が可能で、他人に不正アクセスされてしまう恐れがあります。
通信経路は目に見えないので、不正に使われてしまっていることにも気づかず、ストーカー被害などの大きな脅威にもなりかねません。
【接続状況】
無線LANを使用していると、接続がいきなり切れてしまったり、不安定になったりすることがあります。
別の無線LANやアクセスポイントがあることで、いろいろな電波を感知してしまったり、無線LANの不都合により接続状況が悪くなってしまうことがあります。
ほとんどの場合、機器の電源を入れなおすことで改善されることが多いようです。
無線LANであれば、アパートなど集合住宅の大家さんに許可を取る必要もなく、また光回線が引けない場合にも適応できるのでオススメです。
光回線の工事は大家さんにしっかり許可を取ろう!
以上のように、光回線の工事内容やメリットデメリット、大家さんに交渉する際のポイントをご説明しました。
また、光回線が使えない場合でも、無線LANを使ってインターネットを楽しむことができます。
光回線にかかわらず、小規模な工事をする前は、必ず大家さんに相談し、トラブルがないように双方気持ちよく生活できるのが一番ですね。