ネット上や書籍では、「FXは簡単に儲けることができる!」といった謳い文句を見かけることがあります。
確かに、FXのトレーダーの中には、億単位という巨額な資産形成に成功した方も存在しています。
しかし、だからと言って誰でも簡単に儲けられるというのは間違いで、現に多くのトレーダーがFXで失敗し、大損しているケースが少なくありません。
この記事では、FXの失敗談をまとめていき、そこから見えてくるFXについてご説明していきます。
失敗談のまとめの前に!そもそもFXとは何か
ネット上からあらゆる悲鳴が聞こえてくるFXは、一般的には、「怖い」イメージが強いことでしょう。
そもそも、FXとはどのような仕組みの取引なのでしょうか?
FXとは、Foreign Exchangeの頭文字から来た言葉で、日本語では「外国為替証拠金取引」と呼ばれています。
これは市場の値動きによる「為替取引」であり、外国通貨を両替していきながら、利益を増やしていく取引です。
つまり、保有する通貨の価値が上がることによって、利益が生まれるので、今後価値が上がりそうな通貨へと両替し、実際にその価値が上がれば利益が出る仕組みになっています。
したがって、FXは資金を運用して行う「投資」ではありますが、その一方で、「FX=ギャンブル」という見方も拭えません。
確かに、上記のことを見れば、FXは立派な「投資」であることには間違いありませんが、FXの知識に欠けた、「簡単に稼げそうだからなんとなく始めてみた」という方にとっては、非常に「ギャンブル性」が強いと言えます。
と言うのも、通貨の価値が上がるか下がるかに資金をかけるということは、ノリだけで始めた「運任せ」の方にとって、まさしく「賭博」要素が強いからです。
これから、FXの失敗談をまとめていきますが、その中でも、ギャンブル性の強さを垣間見ることができます。
では次項で、早速FXの失敗談をまとめていきましょう。
FX失敗談のまとめその①!デモトレードによる過信
FXの失敗談としては、失敗するいくつかのケースに分けることができます。
では始めに、「デモトレードによる過信」から、大損してしまうケースをまとめていきましょう。
まず、デモトレードとは、多くのFX取引会社において設けられている、「初心者向け」の無料の取引です。
つまり、実際には存在しないバーチャルなお金を運用することで、自由にFX取引を体験できるシステムです。
このデモトレードによって、バーチャルな資産を何十倍にも築くことができた過信から、実際に仕事を辞めてしまい、専業トレーダーになって大損した方がいます。
確かに、FXを始める際には、このデモトレードで「取引感覚」を掴んでいくことは、とても重要です。
しかし、実際にリアルマネーを使ったFXと、デモトレードとでは、大きな差異があります。
・バーチャルな故に恐怖心などのプレッシャーがない
結局はデモトレードなので、誰しも「失敗しても損はしない」という心理状態が働きます。
そのため、どんな相場であっても、大きな賭けに出て取引が行えます。
しかし、実際のFXでは、「失敗したら損をする」ので、取引においてはこの「恐怖心」と絶えず戦う必要があるのです。
・デモトレードは100%約定できる
約定とは、売買取引の際に注文を入れることです。
多くのFX会社のデモトレードでは、100%約定ができてしまいます。
しかし、実際のFXでは、市場の注文が一つに集中することがあり、指定した注文が滑る(通らない)場合もあります。
上記の違いから、デモトレードで大勝ちできたからといって、実際のFXで勝てるとは限りません。
こういったデモトレードと実際の市場の差異は、事前に十分に理解しておく必要があります。
FX失敗談のまとめその②!全財産を運用する
では次に、全財産をFX資金として運用し、失敗してしまったケースについてまとめていきましょう。
FXを行う上では、「銀行の金利よりもFXの方が効率が良い」という理由から、全財産を運用資金にしてしまうケースも少なくなく、失敗して全財産を失ってしまった方も存在します。
FXを始める大前提として、FXに投資する運用資金は、生活に必要な資産から運用するものではなく、全く割り切って用意することがFXの常識でもあります。
つまり、失っても生活に困ることがない「余剰資金」で始めることが、非常に重要なのです。
したがって、無計画な全財産の投資は、失敗した際のカバーもない、何の予防線もない無謀な取引と言え、マグレで勝てることはあっても、長期的に勝てることはできません。
FXをする上では、必ず余剰資金を運用し、リスク管理を徹底することが大切です。
FX失敗談のまとめその③!損失を取り戻そうと借金をする
前項では、全財産をFX資金として運用して、失敗したケースをまとめました。
しかし、更にその失った財産を取り戻そうと、借金をしてまでFXをして、挙句の果てにはそれを全て溶かしてしまう方も存在します。
消費者金融はおろか、親や友人からまでも借金をする方も珍しくありません。
「次こそは勝って取り戻せる」といった根拠のない繰り返しが、借金を生んでしまう理由です。
まさに、FXがギャンブルと言われる所以に当てはまるのではないでしょうか。
FXはギャンブルではありませんが、投資者の心一つでギャンブルになることもあります。
考えるだけで恐ろしいですが、先ほど述べたように、FXをする上では、余剰金を資金として使うことが大前提です。
ましてや、お金を借金してまでFXをする心理状態では、まともな判断で取引ができるはずがないのです。
FXを始めるには、必ず資金管理を徹底し、引き際を考えて計画的に行うことが重要です。
FX失敗談のまとめその④!ビギナーズラックとFXの理解不足
では次に、「FXで簡単に稼げる」というフレーズに飛びついて失敗するケースについて、まとめていきましょう。
ネットや書籍では、「FXで簡単に稼げる」という謳い文句が流行っていることから、FXを始めた方も少なくありません。
しかし、そのような安直な考えて始めた方の多くは、FXの様々なハイリスク性についての理解が足りていないケースが大半です。
確かに、ビギナーズラックという、初心者だけが持ち得る「ラッキーな大勝ち」があることもありますが、これはFX初心者において危険な錯覚になり得ます。
つまり、ビギナーズラックによって、何回か勝ち続けると、それが自分の実力であると錯覚してしまい、過信に繋がる場合が多いのです。
最終的には、その根拠のない過信から、取り返しのつかない損失に繋がります。
FXを始めるには、FXの基礎知識は勿論、特にハイリスク性や、初心者がハマりかねないビギナーズラックについてなど、様々な面を理解しておく必要があります。
「簡単に稼げる」といった言葉に惑わされることはないように、計画性を持ってFXを始めましょう。
FXには資金管理とリスク管理を徹底しよう!
これまでに、FXの失敗談について、ケースごとにまとめてきました。
それぞれに共通して言えることは、無計画な資金管理と、FXに対するハイリスク性の理解不足が挙げられます。
まず、「勝てるトレーダー」は、必ず資金管理とリスク管理を徹底します。
例えば、前述したように、FXの運用資金としていくらまでと設定した「余剰資金」を用意し、「その資金の底が突いたら、潔くFXから撤退する」と、自分なりのルールを決めておくことです。
また、FXはハイリスク・ハイリターンと言われるように、リスク性も極めて高い取引です。
その多岐に渡るリスク性を把握しておくことは、リスク回避にも繋がります。
ただ、やはりFXにはギャンブル性も強いため、この沼にハマってしまうと、余剰資金を溶かした上で、更に生活資金にまで手を出すことになります。
したがって、FXをする上では、割り切れる意思の強さが重要で、それは取引における「損切り(見切って売ること)」や「利食い(そのまま売って利益にすること)」の判断にも必要になってきます。
FXをする上では、ギャンブル的な賭け事にはならないように、徹底して資金管理とリスク管理を行いましょう。
FXは簡単に稼げない
これまでの様々な失敗談から、FXは簡単に稼げるものではないということが分かりました。
軽い気持ちで手を出したことがきっかけで、ギャンブル的な要領でお金を使っていくことは、まさに破産に繋がりかねません。
FXをする上では、事前の知識収集と訓練が必要で、徹底した資金管理とリスク管理を行うことが重要です。
こういった失敗談のリスク性を享受できなければ、安易にFXに手を出すことは、止めた方がベターでしょう。