投資というのは、将来の利益を見込んでお金を投じることで、大きく二つの種類があります。
一つは自分への投資で、これは将来的に利益となって返ってくることを期待して行うものです。
もう一つは、直接的にお金を儲けるための投資です。
ここでは、サラリーマンにおススメしたい株への投資について解説します。
サラリーマン向きの投資はどれ?
まず、投資にはどんなものがあるのかを、まとめて見ておきましょう。
(1)外貨預金
外貨預金は、利息が高めなことと為替差益が得られることが特徴ですが、反対に為替差損になるリスクもあります。
さらに外貨預金は預金保護されませんから、銀行が破綻した場合、利息も元本も戻ってきません。
(2)債権
国や地方自治体、企業が発行する債権を購入して、満期まで一定の利率で利息を得る投資です。
債権を途中で売却して売却益を得る方法もあります。
他の投資と組み合わせるのがおススメです。
(3)FX(Foreign Exchange:外国為替証拠金取引)
ドルやポンド、フラン、ウオンなど外国の通貨と円の交換レートの値動きを利用して利益を得る投資です。
レバリッジという仕組みにより、少ない資金で大きな額の取引ができることが特徴です。
大きな利益になることもある一方、反対に損失も多額になるため注意が必要です。
(5)株
企業が資金調達の手段として発行する株式を売買して利益を得る投資です。
業績によって配当が分配されることもあります。
サラリーマンが株に投資をするメリットは3つあります。
次の章から詳しく解説します。
サラリーマンが株に投資をするメリットその1
では、サラリーマンが株に投資をするメリットを一つずつ見ていきましょう。
一つ目のメリットは、株で学んだことを仕事に活かせることです。
株価は「企業の業績の将来評価」と言われています。
業績の評価を判断する指標を知ることで、経営のことにも詳しくなります。
また、株価は政治・経済・社会の動きでも変動します。
そのため、株に投資するようになると、これまで気にならなかった日々のニュースや世の中の動き、世界情勢などにも興味がわくようになります。
話題が豊富になり、客先での会話も弾むようになるでしょう。
そうなれば関係性が深まり、商談をうまく進めることができます。
上司との会話も幅が広がり、質が高くなります。
上司の評価が高くなることは間違いありません。
また、サラリーマンの場合、仕事で関わっている業界においては、他の人よりも企業情報が集めやすくなるというメリットもあります。
今後のトレンドを見極めて、注目したい銘柄を選ぶこともできるはずです。
そうなれば、株への投資と仕事のいい循環環境ができていくでしょう。
サラリーマンが株に投資をするメリットその2
また、株はいろいろな投資の仕方ができます。
取引単位が100株、1000株であることが多いため多額の資金が必要と思われがちですが、株は1株からでも買えるので、少額の取引から始めることもできます。
また、たくさんの銘柄があるため、短期の売買で儲けることも長期保有で儲けることもできます。
忙しいサラリーマンには、買いや売りのタイミングをじっくりと分析して、指値で注文を予約し、あとは翌日以降のお楽しみにするという取引が向いています。
指値というのは、買値や売値を指定して注文を入れることです。
例えば、指値で買い注文を入れた時は、指定した買値よりも安い株価にならないと注文が成立しません。
そんな時はあきらめて、次のタイミングを待ちましょう。
買えなかったからといって決して後悔しないことです。
「買えずに損をした」と思う気持ちが、判断を誤らせてしまいます。
これは、サラリーマンが株で気をつけたいポイントの一つです。
もし、「ここは絶対に買いを逃したくないタイミングだ」と思ったら、その時は成行で注文を入れましょう。
成行というのは、買値を指定しない注文です。
ただし、売買の成立を優先させる注文方法なので、想定よりも高い値段で買うことになる場合もあります。
そのことは十分頭に入れておきましょう。
配当や株主優待を目当てに株式投資をするサラリーマンも!
そして、株には、配当金や株主優待という楽しみもあります。
配当金は、預金や債券の利息のようなものです。
株を保有している企業の業績が上がれば、保有している株数に応じて、配当金を受け取ることができます。
しかし、配当を受けるためには、企業が定めた権利確定日にその企業の株を保有している必要があります。
そして、配当金は決まった額がもらえるわけではありません。
企業が上げた利益が株主に分配されるものなので、業績によっては配当金が支払われないこともあるのです。
そのため、配当金を目当てに銘柄を選ぶ時は、配当利回りの高い銘柄を選ぶのがポイントです。
一方、株主優待とは、企業が株主に対して自社の商品やサービス券などをプレゼントするというものです。
日々の生活を株主優待だけで済ませているという、ユニークな有名人もいます。
サラリーマンであるあなたも、チャレンジしてみてはどうでしょうか。
株の取引はどうしても売買益の方に目が向きがちですが、配当金や株主優待を目的にするというのも、忙しいサラリーマンにおススメの投資法です。
儲かる株をどうやって見つける?
では、サラリーマンが株への投資をする場合、儲かる株はどうやって見つければいいのでしょうか。
株価が割安かどうか、買い得な銘柄かどうかを見る指標はいくつかあります。
ここでは、3つの指標をご紹介しておきましょう。
【株価収益率:PER】
PERというのは、収益の観点から株価の水準を見る指標で、銘柄を選ぶ時の基本となるものです。
PERは、株価を一株利益で割った数値です。
一株利益は、今期の予想値を使います。
PERが高いほど割高で、低ければ割安です。
標準は15程度とされていますが、成長性の高い業種はPERが高くなります。
成長性への期待度は業種によって違うため、同業種の企業間で比較して割高か割安かを判断するといいでしょう。
【株価純資産倍率:PBR】
PBRは、株価を一株純資産で割った数値です。
PBRのPERと同様に、数値が高いほど割高で、低ければ割安です。
PBR1倍が標準的な値ですから、PBR1倍を割り込んでくると株価はそれ以上には下げにくくなると判断できます。
【配当利回り】
配当利回りは、一株あたりの年間配当金予想額を株価で割って算出します。
配当を目的として株に投資するのであれば、配当利回りの数値が大事です。
株の配当の大きな特徴は、保有期間の長さは関係なく、権利確定日に株を保有していれば配当を受け取ることができるという点です。
配当利回りを国内預金の利率や国債の利回りと比較すれば、株への投資が魅力的であることがわかるでしょう。
株価チャートはどう使うか
そして、株の売買のポイントは、「いかにして安い時に買い、高い時に売るか」です。
そのタイミングを見つけるために、株価チャートを使います。
株価チャートとは、取引の始値と終値、最安値と最高値をローソクのような形に表したローソク足を時系列に並べたものです。
一日単位、週単位、月単位、年単位で株価チャートを見ることで動きの傾向が掴めます。
これに移動平均線を加えることで、売買のタイミングを掴みやすくなります。
移動平均線というのは、ある期間の株価の終値の平均値を一日ずつずらしてグラフ化したものです。
移動平均線が右肩上がりであれば上昇傾向にあり、右肩下がりであれば下降傾向にあるというように判断します。
また、移動平均線は、週単位や月単位で見ることもあります。
例えば、週の移動平均線なら、13週の短期、26週の中期、52週の長期の移動平均線とローソク足を並べます。
株価が上昇する時は、ローソク足は3つの移動平均線の上の方で推移し、株価が下降する時は、下の方で推移します。
そのため、移動平均線の向きと、株価の位置がどこにあるかを見ることが投資には重要です。
サラリーマンにも株への投資で得られるメリットは沢山ある!
株への投資はお金を儲けるのが目的ですが、ギャンブルとは違います。
ギャンブルは勝ちか負けかのどちらかですが、株は、株価が上がったり下がったりするので、勝ちの局面になったり負けの局面になったりします。
どのように投資していくかや、大きな勝ちを狙うか、小さな負けで済ませるかもあなた次第です。
仕事に活かせたり、配当がもらえたりとメリットも多い株式投資を始めてみてはいかがでしょうか?