ネットの浸透によって、大小さまざまなニュースをすぐに知ることができるようになりました。
自分に興味のあるニュースだけを調べることも簡単ですね。
そのさまざまなニュースの中でも、不動産ニュースランキングから気になる情報をピックアップしました。
不動産のことが気になっている人はもちろん、興味がないという人も知っておいて損はないニュースです。
ぜひご覧ください。
所有者不明土地の活用にうれしいニュース!
2018年、不動産ニュースの上位にランキングされ、ネットでも多くの関心が寄せられたニュースのひとつが「所有者不明土地特措法」の成立です。
2018年3月、「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案」が閣議決定されました。
現在、日本では人口減少や高齢化による土地のニーズの減少や、地方から都市への人口移動による土地所有意識の低下などによって、「所有者不明土地」が増加しています。
所有者不明土地は、登記簿を調査しても所有者が判明しなかったり、連絡がつかない土地を意味します。
この傾向は今後も加速し、増加し続けると考えられています。
所有者不明土地は、所有者の特定に膨大なコストがかかるため、公共事業の推進においてもそのことが事業の妨げになっていました。
そのため、この所有者不明土地を円滑に利用できるような仕組みが組み込まれたのが、この法律です。
以下に簡単な内容をご紹介します。
・公共事業として所有者不明土地を活用する際の手続きの合理化・円滑化
・土地の所有者の探索のために必要な情報を、行政機関が利用できる
・相続登記等がされていない土地については、登記官が長期相続登記等未了土地である旨等を登記簿に記録することができる
この法律によって、これから将来増え続けるであろう所有者不明土地を活用し、また所有者の探索を合理化するのが目的です。
ネットニュースランキングをにぎわせた建築基準法改正
こちらも、2018年に閣議決定された法律のニュースです。
建築にまつわる法律ですので、不動産関連のネットニュースランキングをにぎわせました。
2018年3月、「建築基準法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。
2016年に糸魚川市で起こった、大規模火災などの甚大な被害を踏まえて、建築物や市街地の安全性の確保が求められています。
今回の改正により、建築物の安全性を高めるために、防火地域・準防火地域において延焼防止性能の高い建築物の建ぺい率制限を10%緩和しました。
また、現在増えつつある空き家を活用するためには、建築基準法に適合させるために大規模な工事が必要になり、これが活用の妨げになっていました。
この改正により、延べ面積200㎡未満で3階建以下の空き家を、ほかの施設に用途変更する場合、在館者が迅速に避難できる措置を講じることを前提に、耐火建築物等への大規模な改修工事が不要となりました。
上記以外にも、「木造建築物の整備の推進」「老人ホーム等にかかる容積率制限を緩和」などが挙げられます。
市街地での安全確保、既存建物の活用がこの法律の主な目的と考えられます。
既存の建物を利用したビジネスチャンスが広がる可能性がありますね。
ネットがざわつく!地価上昇のニュースがランキング
不動産投資に携わっているのであれば、地価が気になりますよね。
ランキングでも、地価に関するニュースはよくランクインします。
2018年、地価・住宅地が10年ぶりに上昇というニュースが飛び込んできました。
国土交通省による1月1日時点の「地価公示」では、
・住宅地0.3%上昇
・全国・全用途平均は0.7%上昇
・商業地は1.9%上昇
と発表されました。
地価の回復は、現在継続中の低金利政策や雇用・所得の改善によるものと考えられます。
また、2018年6月に国土交通省が公表した「地価LOOKレポート」では、主要都市の地価の9割以上が「上昇基調」とされています。
上昇の要因としては、オフィス市況の好調、再開発事業による繁華性向上、訪日客による消費、マンション需要の堅調などが挙げられ、不動産投資意欲が堅調なことが挙げられます。
これを裏付けるかのようにネットのアンケートでは、投資用不動産は今が買い時、と考える投資家が約6割に達するという調査結果が出ているようです。
買い増しを検討されているのであれば、買い時が到来しているのかもしれません。
ネットで世界から集客できるかも?新しい民泊が始まる!
次にご紹介するのも、新しい法律のニュースです。
2018年6月、「住宅宿泊事業法」(民泊新法)が施行されました。
この法律は、今までの旅館業法に当てはまらない新しい営業形態である「住宅宿泊事業」を規制する法律です。
現在、急激に増加しているヤミ民泊(旅館業法上の届け出も民泊の認定も受けていない民泊)による近隣トラブルが問題になっています。
このことに対応するために、民泊のルールを定めた法律が施行されたのです。
民泊業者は、各自治体に届け出を出すことで、合法的に営業することが可能になります。
この「住宅宿泊事業法」のいちばんの特徴は、「営業日が年間180日以内」という縛りです。
そのほかの認可の用件は、「施設が住宅であること」「台所・浴室・トイレ・洗面施設があること」「必要書類が添付されていること」などです。
また、家屋の条件は、「現に人の生活の本拠として使用されている家屋」「入居者の募集が行われている家屋」「随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋」です。
住宅宿泊事業法そのものは届け出のハードルが低いものの、年間180日以内という条件が足かせとなって届け出の件数は伸び悩んでいるようです。
この法律が施行され、世界中の民泊をネットで探すことができる民泊仲介サービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」では、届け出がされていない民泊については予約を強制キャンセルすると発表しました。
今後、法律に即した措置を取っていく方向にあります。
法律ができたことで、本格的な民泊ビジネスがこれから始まるものと考えられます。
ネットだけでなく世間を騒がせたスマートデイズのニュース
続いては、流行りの「シェアハウス」にまつわるニュースです。
不動産関連のネットニュースだけでなく、テレビのニュースランキングでも大々的に報道されました。
シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズが、2018年4月に民事再生を申請しました。
かぼちゃの馬車は、スマートデイズが運営する女性専用のシェアハウスのブランド名です。
東京都、千葉県、神奈川県が中心に建設されました。
スマートデイズは、このシェアハウスを一般のサラリーマンを対象に不動産投資用の物件として販売していました。
1棟売りで、価格は1億円~3億円ほどです。
30年のサブリース契約と、金融機関の融資スキームが売りとなり、購入者は700人を超えました。
多くの購入者が1億円以上の融資を受け、サブリース契約を結んでいました。
2017年頃からそのサブリース賃料が突然支払われなくなったことが、この事件の発端です。
そして2018年4月、とうとう民事再生の申請となりました。
負債額は60億円を超え、そのうちサブリース賃料債務が23億円ほどといわれています。
スマートデイズ関連のニュースが再びランキング
2018年5月、スマートデイズの被害弁護団は、融資を行った「スルガ銀行」を刑事告発したというニュースが流れました。
世間を揺るがせたという意味で、スマートデイズ関連のニュースが2つランキングされました。
ネットで話題になったスマートデイズの民事再生からすぐのことです。
シェアハウスオーナーのほとんどは、スルガ銀行から融資を受けていました。
オーナーが融資を受けた際、スマートデイズに預金通帳の写しなどを渡してスルガ銀行との手続きを一任していました。
そして、その与信資料の改ざんにスルガ銀行の融資担当者が関与していたとみられています。
これが支店独自の判断であったのか、スルガ銀行の組織ぐるみの改ざんであったのかが焦点とされています。
スルガ銀行は、融資がおりやすいとサラリーマン大家の多くが利用していました。
地銀の優等生といわれていましたが、現在株価が下落し、3月期の決算では数百億円規模の損失を計上しています。
今後、警察の介入で事件の解明が進むものと考えられます。
アンテナを張って情報を取り入れよう
法律の改正から大きく話題となった事件まで、不動産に関連したニュースが盛りだくさんでしたね。
ニュースで目にしたことがあるものもあれば、知らなかった情報もあったのではないでしょうか。
もし、不動産だけでなく投資などに興味があるのであれば日々のニュースを知っておくことはとても重要なことです。
アンテナを張って、常に情報を取り入れる姿勢を持つことが、まずは投資を始める第一歩になりますよ。