不動産の仕事は、求人広告に載っていることが多いので、面接を受けてみようか悩むこともあるかもしれません。
入れ替わりが激しく激務できつい、というイメージもありますが実際のところはどうなのでしょうか。
不動産の仕事内容、メリットやデメリットなどをまとめました。
不動産事業の種類
不動産の仕事、といっても千差万別です。
仕事がどのくらいきついのか、ということを書く前に、不動産の仕事の基本知識を知っておきましょう。
まず、不動産業界の事業は、大きく分けて6種類あります。
それは、不動産賃貸事業、管理事業、流通事業、投資事業、開発事業、販売事業です。
このうち、不動産賃貸と管理、開発、販売は比較的、身近な存在かもしれません。
一つの会社で兼務していることも多いですね。
一つ一つ簡単にご説明していきましょう。
〇不動産賃貸事業
不動産(アパート・マンション、ビル)などを個人や法人に貸す事業です。
〇不動産管理事業
オーナーから委託された賃貸物件を管理し、入居者との連絡や建物のメンテナンスを行います。
〇不動産流通事業
物件の売り手と買い手を仲介します。
〇不動産投資事業
不動産が生む利益を証券化し、投資します。
資金を投資家から集め、不動産を運用し、収益を投資家に配当する仕組みです。
〇不動産開発・販売事業
土地に施設や住宅を建設し、売ったり貸したりします。
ちなみに規模が大きい場合は、不動産デベロッパーとも呼ばれています。
不動産の仕事内容
次に、不動産の仕事内容を見てみましょう。
不動産の仕事、というと営業や接客が思い浮かぶかもしれませんが、企画や開発、投資などもあります。
企画・開発の場合は、大きなマンションやショッピングモールなど大規模な企画に関わります。
そして投資の場合は、不動産投資会社に勤めて、投資家のニーズにどのように合わせていくかを戦略的に考えていく必要があります。
それぞれ豊富な知識とチームワークが求められる難しい仕事です。
求人も多くはないので、「不動産の仕事がきつい」と言われたときに思い浮かぶことではないかもしれません。
不動産仲介や営業などになると、辞める人も多く、大変だと言われることが多いですね。
不動産会社に勤めて、賃貸管理や売買の仲介、売却の手配などを行います。
賃貸管理の場合は、借主を探す仕事や、入居者同士のトラブル対応なども含まれて、精神的にタフでないとやっていくことができません。
それでは、いったいどのような面が大変なのか、次項からくわしく考えていきましょう。
不動産の仕事がきつい理由①
不動産の仕事がきついと言われる理由としては、まず、「ノルマ」が挙げられます。
不動産関係のノルマは、会社にもよりますが相当厳しいことが多く、扱う金額も大きいので責任重大です。
知人の不動産業界の営業マンによると、家族や親戚に助けてもらってノルマをこなしている、という場合もあるようです。
営業は努力しても必ずしも達成できるとは限らない部分なので、性格が合わないと楽ではありません。
しかも、達成できない期間が続くと、社内での立場も苦しくなってきますし、上司からも辛くあたられる場合があるようです。
今はパワハラやモラハラなどに対して厳しくなったので、昔ほどではありませんが、無言のプレッシャーを感じることもあるでしょう。
飛び込み営業や、何度も何度も繰り返し営業に行かなくてはいけないことも珍しくはありません。
また、このように過酷な仕事内容でも、成果が出ないと給料も上がりません。
残業や休日出勤などの時間外労働が多いのもよく知られています。
お客さんの都合に合わせないといけないので、家庭的な生活を楽しみたい場合には難しい仕事です。
特に繁忙期ともなると、勤務時間がさらに長くなります。
肉体的に疲れるわけではありませんが、精神的な疲労はかなりのものがあります。
不動産の仕事がきつい理由②
不動産の仕事がきついと言われる理由としては、クレーム対応が大変、という声もよく耳にします。
営業でクレームが発生することも、もちろん多いです。
今は調べれば情報がいくらでも手に入る時代ですから、お客さんもいろんな知識があり、あいまいにするのは難しくなっています。
営業として、それ以上の知識を持って対応できないと、すぐになめられてしまいます。
また、入居者同士のいざこざを解決しなければいけないこともあります。
愚痴を聞いたり、怒鳴られたりしても平常心を保ち、誠意を持って冷静に対応できないと、難しい仕事です。
なかなか連絡が取れない入居者であれば、勤務時間外でも電話をかけなければいけないこともあります。
最近は外国人も増え、言葉の壁や文化の違いで悩む場合も多いようです。
同じ不動産の仕事でも、企業相手なら少しは楽なようですが、消費者相手のいわゆるBtoCの仕事は、気遣いと精神力が重要になってきます。
きついだけじゃない!?不動産の仕事のメリット
不動産の仕事はきついだけではありません。
辞めずに続けている人が多いのには、それなりのメリットもあるからです。
営業の場合は、もともとの素質が大きく関係してきます。
前向きで行動力があり、人好きされる性格であれば、営業には向いていると言えるでしょう。
また、オンオフしっかり分けるのではなくて、プライベートでも仕事のことを考えられるような人なら、ストレスが少なく働けると思います。
コミュニケーション能力も忍耐力も、経験を積むにしたがってアップしていきますので、不動産に関わらず、ずっと営業職で働きたい場合や、起業したい場合にも、不動産の営業の仕事はメリットがあります。
そして、やはり一番の魅力は収入です。
ノルマを達成し、たくさんの売買を成約させれば、お給料も上がります。
若くして年収1000万も夢ではありません。
しかも、学歴や職歴もそこまで影響せず、実力次第で出世できる業界なのです。
同じ販売・営業の仕事でも固定給な場合は、いくら努力して人の上を行っても、やりがいを感じられないかもしれません。
その点で、成功すればそれだけ報酬がもらえる仕事は、飛び込んでみるだけの価値はある、と思う人も多いようです。
不動産の仕事の魅力
不動産の仕事のやりがいは、他にもあります。
例えば、土地や建物の情報にくわしくなることができます。
インターネットで検索しても出てこない裏事情に精通していくことで、困っている人を助けることもできたりします。
いい物件と悪い物件の差や、環境によってどのように変わるのかなど、あらゆる情報が入ってきて、見る目も養えます。
さらには地域の人間関係や風習などにもくわしくなれます。
長く勤務するほど情報通になれる、というというのも魅力の一つなんです。
不動産の仕事はきついところもたくさんありますが、人の役に立つ仕事です。
自分が努力することによって、誰かに感謝されたりすると嬉しいものですよね。
また、他の販売業と比較しても大きな金額が動きますから、お客さんにとってどれだけ信頼できるかが重要なポイントになってきます。
そのため、長く不動産の仕事を続けるためには、バランス感覚に優れ、高いコミュニケーション能力があり、精神的に強くなければいけません。
社内にそんな尊敬できる先輩がいれば、その背中を追って成長を目指すのもいいかもしれません。
不動産の仕事は楽じゃないけど、やりがいもある
不動産の仕事といっても、事務や営業、投資など様々です。
今回は、求人の多い「営業」の仕事を中心に、不動産の仕事の厳しさやメリットをご紹介しました。
会社によっても違う部分はありますし、運の良さも無関係とは言えない業界です。
ですが、向き不向きはやってみないと分かりませんよね。
営業成績トップで社内でも評価され、収入もどんどん上がっていく。
自分の可能性を低く見積もらずに、誠意と情熱を持って目標と向き合って、そんな夢をかなえた人もいるのです。