ジュエリーに使われる金が色落ちすると価値は下がる?

貴金属の中でも金は古来より価値のあるものとして大切にされてきました。

現在でもさまざまな宝飾品に使われています。

もし、手元にある金でできた宝飾品などの価値を知りたいとき、どのような手段があるのでしょう。

また普段使いしている、または手入れをせずしまったままのジュエリーなどは、くすみや色落ちしていることも考えられますが、その場合の金の価値には違いがでるのでしょうか。

意外と多い金の種類

一口に金といっても、いくつかの種類があります。

金の中でも、よく知られているのはジュエリーに使われている18金ですね。

金を使ったものには「24K」や「18K」といった文字が刻印されているのを見かけることがありますが、これは金に含まれる金以外の金属の配合率を指します。

私たちになじみ深い18金(18K)は金の含有量が75%、あとの25%は金以外の金属で構成されたいわゆる合金です。

この金以外の金属に何を使うかによって色味の変化が出るのも18金の特徴です。

このほかにも金にはたくさんの種類があります。

まずは金の種類について触れてみたいと思います。

●24金(24K)

他の金属を混ぜない、純金と呼ばれるものです。

非常に純度が高く、変色や色落ち、錆がつきにくいことが特徴です。

●22金(22K)

金の含有量が91.7%のものを22金と呼んでいます。

純金や18金と比べあまりなじみのない呼び方ですが、アジアの一部の国々ではより純金に近い純度でありながら純金より傷つきにくい22金で作ったネックレスや指輪を、自身の資産の一部として身に付ける人々もいます。

●10金(10K)

金の含有量42%。

18金と同様に配合する金属素材によって色味の違いを楽しむことができます。

含有量が少なく比較的リーズナブルな価格で提供できるため、10金をつかったアクセサリーも増えてきています。

●金メッキ(GP)

真鍮などの地金に金箔を貼ったものを金メッキと呼びます。

「18KGP」という表記がされ、18金を使ったメッキ製品という意味合いになります。

●金張り(GF)

地金に金を張り付けるのはメッキと変わりませんが、金の厚さに違いがあります。

金張りの方は板状の金を地金に熱と圧力で張り付けたものです。

金の価格を知りたい!色落ち・くすみなどの状態に左右されるのか

親の代などから金でできた宝飾品を譲り受けたがデザインの好みが合わなかった等、使う予定のない金のアクセサリーやジュエリーは意外と家の中にあるものです。

金には高い価値がありますから、それらの使う予定のないものでも仕舞ったままにしておくのはもったいない、少しでもいいのでお金に換えたいと考えるのが自然ですね。

しかし金の買取をしたことがなく知識がないと、買取店に持ち込んでも安く買いたたかれてしまうかもしれません。

たとえ使うことが無い宝飾品でも、ひとつの資産ですからできるだけその価値や価格を知っておきましょう。

この項目では身近な金、18金に注目して価値や価格などをご紹介します。

まず、18金の価格についてみていきます。

手持ちの指輪などに「18K」と刻印されていたら、その指輪は純度75%の金でできているということになります。

この刻印がないものは、含まれる金がどれくらいなのか判断しにくいため価格がつきにくい可能性があります。

18金の買取価格は1グラムにつき3,000円前後だといわれています。

他の金属を混ぜることで加工しやすい18金は、強度があり、こったデザインのジュエリーが作りやすいのですが、金の価値としては純金である24金(1グラム4,000円前後)よりも確実に劣ってしまいます。

また、金の価格は毎日変動するため、買取を決めたら金の相場をチェックしてタイミングを見極める必要があります。

金の価格が分かってきたところで、手持ちのジュエリーをよく観察してみましょう。

表面に色落ちしたような部分やくすみ、黒ずみはありませんか?

ジュエリーに使われる18金は前述のように金以外の金属を含んでいるため、身に付けているだけでも皮脂などと反応して表面の色味が変化してしまうことがあります。

このような変色してしまった状態でも買取をしてもらうことは可能ですが、店によっては金自体の価値が下がったと判断されてしまうかもしれません。

ジュエリーの変色や黒ずみは自分で取り除くこともできますので、買取店に持ち込む前にクリーニングするのも金の価値を下げない手段のひとつです。

金でできたジュエリーの色落ちの原因

金属製のアクセサリーやジュエリーは、使うほどに変色や色落ちしてしまうものです。

アクセサリー・ジュエリーを身に付けることで表面に皮脂が付き、空気中の酸素と反応して酸化します。

金は錆や変色などが起きにくい金属ですが、宝飾品に使われることの多い18金などには金以外の銅や銀などの金属が含まれています。

銅、銀といった金属は変色しやすい金属です。

これらの金属と皮脂とが起こす化学反応が錆や色落ち、変色の原因です。

付いてしまうのは皮脂だけではありません。

ジュエリーを身に付けていた場所によりさまざまなものが付着します。

例えばファンデーションなどの化粧品、耳元に付けるピアスにはヘアスプレーや整髪料がつくこともあります。

ハンドクリームが指輪やブレスレットに付いてしまうこともあるでしょう。

これらの汚れがついたまま仕舞い込んであったとしたら、くすみや色落ちしてしまうのは時間の問題です。

また、温泉などのミネラル成分が豊富な湯や水に触れるときに金のアクセサリーやジュエリーを付けたままにしていると、金自体に影響が出る場合もあります。

金のジュエリーの色落ちやくすみを取る方法

金のジュエリーに汚れや色落ちのようなものを見つけた時、自分でできるクリーニング方法をいくつかご紹介します。

ただし、自宅でできるクリーニングには限界があります。

なかなか汚れ等が落ちないときは宝石店などに相談してみましょう。

【自宅でできるジュエリークリーニング】

●中性洗剤で洗う

ぬるま湯に中性洗剤を数滴混ぜたものにジュエリーを入れ、5分ほど置いておきます。

少したつと汚れが浮いてくるので、お湯から取り出して柔らかい布で拭き取ります。

●アルコールで拭き取る

消毒用のエタノール1、水1の割合で薄めたものを柔らかい布に含ませて汚れを拭き取ります。

作った水溶液にしばらく付けてから拭き取っても良いでしょう。

●金専用の磨き布を使う

アクセサリーショップや宝石店などで手に入ります。

ジュエリー全体を磨き上げるのに適しています。

大切に扱うことで金やジュエリーの質や価値が保たれる

手元のジュエリーに、たとえ使い道がなく自分には価値の無いようなものに思えても、金製品である以上は価値ある資産のひとつです。

買取だけがそのものの価値を決めるわけではありませんが、せっかく縁があって手元にあるのですから大切に扱いましょう。

普段から身に付けているものについては、使うたびに柔らかい布で拭き取り、汚れを取り除いて変色や色落ちを防ぎましょう。

長い間手に取らず、仕舞ってあったものについては前項でご紹介した方法を使ってクリーニングします。

ただし、宝石が付いたものには扱いに注意が必要です。

真珠や琥珀、べっ甲などは有機物でできているため洗うことができません。

また、ムーンストーン、オパールなどの石は水に弱いため水洗いは避けるべきです。

硬度が低かったり衝撃に弱い石が使われている場合、ほんの少しの衝撃でも割れてしまったり傷やヒビが入ってしまうことがあります。

そして、金はもともと柔らかく傷つきやすい特徴をもっていますので、ジュエリーの金でできた部分も物が当たったりこすれたりすると、思いがけなく大きな傷が付くこともあります。

ジュエリーを保管するときには、貴金属部分や石同士がぶつかることがないようひとつずつ分けておきましょう。

金の買取時に必要なもの

金の価格や金でできたジュエリーの扱い方についてお伝えしてきました。

まずはジュエリーの状態を確認して色落ちや黒ずみがないかチェックしましょう。

そのうえで手元にある金のジュエリーを、とっておかずに買取に出すか判断します。

買取には必要になる書類がいくつかあります。

店舗にいってから慌てることが無いようにしっかり準備しておきましょう。

【必要書類と注意点】

●身分証明書

金を売るときには、古物営業法により本人確認を求められます。

店側から身分証の提示が要求されない場合は、違法業者である可能性があります。

提示する身分証は、運転免許証、パスポート、健康保険証などの公官庁発行のものをいずれか1つで十分です。

●支払調書

金を売却した金額が200万円を超える場合、支払調書の提出が義務付けられています。

調書には、住所、氏名、売却した金のグラム数、金額、売買の年月日が記され、税務調査などに使われます。

この調書をもとに譲渡税の計算がされ、譲渡益が50万円を上回る金額になる場合には課税対象となります。

売却対象の金の購入から5年以上たっていると、譲渡税の納税額が2分の1になります。

●未成年は金の買取をしてもらえない

売却する本人が18歳未満の未成年の場合には注意が必要です。

買取規制があるため、1人で行っても買取を受け付けてもらえません。

これは店側と客側の双方を守るために必要な措置です。

中には18歳以上なら買取の受付をしているところもありますが、その場合は保護者が同伴するか親権者からの同意書が必要です。

●買取手数料

金の売買をする際には、手数料が発生します。

売る金のグラム数によりますが、買取業者が独自に決めているため金額に幅があります。

安いところで2,000円ほど、高くなると16,000もするところもあるようです。

査定や見積もり、見積もってもらったけれど売らない場合にはキャンセル料が発生する場合もあります。

ある程度、手持ちのお金を準備する必要があります。

金を含む貴金属の売却は慎重に判断することが大切

たとえ自分には必要でない貴金属だったとしても、価値のある大切なものに変わりありません。

軽い気持ちで買取店に行き、金額を告げられるままに売ってしまってから後で後悔することのないように、売却の判断は慎重に行いましょう。

売却を決めたら金の価格相場や純度などを確認します。

金という資産の知識を身に付けて、しっかり準備をすることが大切です。