境界立会いの拒否トラブルはなぜ起こる?立会いのメリットは

境界確定測量に伴う境界確定では、隣地所有者の立会いがなければ成立しないため、隣地所有者の協力が必要です。

しかし、この境界立会いの依頼には、応じなければならない法的な義務がなく、様々な背景を理由に立会いを拒否するトラブルも増えつつあります。

この記事では、境界立会いの拒否トラブルの原因や、立会いを依頼された側のメリットについてご説明していきます。

スポンサーリンク

関連のおすすめ記事

地目が宅地の土地の使い道!駐車場は宅地に当てはまるの?

土地にはそれぞれ地目があります。牛などの家畜を放牧していれば「牧場」、耕作をしている土地であ...

土地境界のブロック塀で境界トラブルに!その事例と解決法

みなさんは自分の土地の境界を正しく把握していますか?近年では、ブロック塀の設置後に隣地所有者...

地番・住所(住居表示)の違いとそれぞれの調べ方について

日本で使われているのは基本的に住所(住居表示)であり、登記上で使用される地番は使わない人にとって...

地目が原野の土地とは?読み方などを知り新築に活かそう

土地ひとつひとつに地目があることをご存知でしょうか。地目は20種類以上あり、その中のひとつに...

境界から隣家の塀がはみ出している!中古物件の越境対処法!

新しい住まいに暮らすため、中古物件の購入を検討している方もいることでしょう。物件購入の際、様...

地番と住所は異なる!?それぞれの違いと異なる理由は?

普段郵便物や身分証明等に使用している住所ですが、不動産売買の時には住所ではなく地番を尋ねられるこ...

地目が公衆用道路となっている土地を売買する時の注意点!

不動産を売買する経験は一般的にはそう多くはないですが、しっかりとした知識のないままに売買してしまうと...

境界の測量でのトラブルを回避!立会いで注意すべき点!

土地家屋調査士や業者からある日突然境界測量の立会いを求められたらどうしますか。測量は場合によ...

地目が田となっている土地を売却したい!売買での注意点は?

現在の日本では、農家の高齢化により休耕地や耕作放棄地が増えてきています。「後継がいない」「相続...

土地の地番の調べ方は?無料で調べる方法をご紹介

「所有する不動産に関する書類を紛失してしまったせいで地番がわからない」と困ったことがある人もいる...

地目が原野の土地に建築したい!気になる注意ポイント

私たちが目にする多くの土地には、それぞれに地目があります。中でも原野は、その位置づけを詳しく...

登記上の地目が墓地である土地を売買することはできるのか?

墓地というと、都会では霊園などの一区画にお墓を建てるのが一般的でしょう。しかし、田舎では村落の...

地番の載った地図を使って、無料で簡単に調べる方法!

相続税や不動産売買の関係で、土地の地番を調べなければいけないことがあります。しかし地番は一般...

地目が畑の土地に建物を建てる!地目変更の方法とタイミング

新築予定の土地の地目が「畑」になっていることもあるでしょう。地目が畑のままだと建物を建てるこ...

新築で外構!境界はコストの安いブロックフェンスがおすすめ

新築したら、それと同時に外構工事も必要となります。特に、隣家の土地と自分の土地を分ける境界に...

スポンサーリンク

境界立会いの拒否トラブルは相隣関係の不仲が背景?

境界確定に伴う境界立会いは、依頼側にとっては非常に重要な合意になるため、滞りなく済ませる必要があります。

しかし、突然立会いの依頼をしても難色を示されることも少なくありません。

境界立会いには法律上応じる義務が伴わないため、依頼された側には拒否をする権利があります。

そのため、境界立会いの依頼を受けた側は、隣の土地の境界は無関係だと決め込んだり、忙しい時間を割いてまで、わざわざ協力をする必要はないと拒否するケースも見られます。

また、多く見られるケースは「相隣関係の不仲」が背景になっているケースです。

例えば、隣家の騒音問題やゴミ出し問題など、社会的なマナーにおいてトラブルがある場合、境界立会いを拒否されるケースがあります。

つまり逆に言えば、相隣関係が良好でさえあれば、このような立会い拒否トラブルは起こりにくいと言えます。

境界立会いの拒否トラブルの原因に測量士や不動産業者が関わることも

境界立会いの拒否トラブルには、依頼された側の主観的な考えや、隣接関係の不仲以外にも、測量士や不動産業者の態度が背景になっているケースもあります。

隣地所有者へ立会いの依頼をする際、まずは測量士や不動産業者が挨拶をしに行くことが一般的です。

しかし、挨拶もなしに勝手に隣地に入っていったり、許可もなく境界周辺に穴を掘ったりするなど、隣地所有者に迷惑をかけるケースがしばしば起こっています。

また、隣地所有者の意見も聞かず、一方的に境界立会いをごり押ししてくるケースもあり、そういった不快感・不信感から、最終的に境界立会いが不調に終わることも少なくありません。

そのため、境界立会いを依頼する側は、隣地所有者に対して真摯な姿勢が求められ、境界立会いを円満な形で進めることが重視されています。

境界立会いの目的は?必要となるケースは様々

これまでに、境界立会いの拒否トラブルにおける原因について見てきました。

ところで、そもそも境界立会いとは何を目的に行われるのでしょうか。

境界立会いとは、境界確定測量に伴う必須事項で、その土地の境界を隣接する所有者で確認し、合意を交わすことを指します。

つまり、将来的な隣地所有者との境界トラブルを未然に防ぐ意味があるのです。

境界確定に伴う境界立会いは、必要となる具体的なケースが様々にありますが、大きく分けると4つ挙げることができます。

①土地の売買

土地の売買契約における成立条件には、売買する土地の「境界確認書」の提出が求められ、境界立会いにおいて隣地所有者の合意が必要になります。

②分筆登記

一筆の土地を複数に分ける「分筆登記」では、前提として、隣地所有者の合意のもとに境界が確定されていることが必要です。

分筆登記を必要とするケースは、土地の一部を売買する場合や、土地を相続人ごとに分ける場合などがあります。

③境界フェンスの設置

境界フェンスなどを設置する場合、境界を巡るトラブルを防止するために、所有する土地の境界を明らかにし、隣地所有者との立会いが求められます。

④境界標の復元

所有地の境界を示す境界標は、経年劣化によって損壊したり、本来の位置からズレてしまう場合があります。

家屋調査士や隣地所有者との立会いのもと、境界標を正確な位置に復元しなければなりません。

以上のように、境界立会いが求められるケースは様々ですが、将来的な境界トラブルを防ぐ目的であることは共通しています。

そのため、境界立会いの理由がどうであれ、その土地の境界は隣接する土地の問題でもあるため、拒否するメリットは基本的にないでしょう。

境界立会いは財産を守ることにつながる

境界立会いが必要になるケースについて見てきましたが、境界立会いは依頼された側にも非常に大きなメリットがあります。

立会いには法的義務が伴わないため、拒否することもできますが、メリットについて知っておいても損はありません。

では、具体的な境界立会いで得られるメリットについて、2つに分けて見ていきましょう。

まず一つ目は、前述している通り、隣接する土地との境界が明確になることです。

隣接する土地との境界が明らかになるため、将来的な境界トラブルを防ぐことができます。

これは、ただ単に厄介なトラブルを防ぐだけではなく、不動産という大切な財産を守るためのメリットとも言えます。

例えば、塀やフェンスが設置されていたとしても、それが必ずしも境界線上にあるとは限りません。

と言うのも、杭などの境界標がなければ、境界が明確になっているとは言えないからです。

境界立会いを行うことで、自分が所有する土地の境界を見直す機会にもつながり、将来的に受け継いでいく土地を守ることができます。

拒否するには勿体ない!無料で境界を見直せる

境界立会いの2つ目のメリットは、無料で境界を明らかにすることができる点です。

境界測量や境界標設置にかかる費用は、基本的に境界立会いを依頼する側が全て負担します。

つまり、境界立会いに協力することで、費用をかけることなく自分の所有地を明確にすることができるのです。

また、境界確定や境界標の設置だけではなく、立会後は「筆界確認書」と「筆界確認図」まで貰うことができます。

「筆界確認書」とは、隣接する土地の境界線について、当事者同士が合意を交わした証明になりますが、それとセットで貰えるのが、土地の境界に関する図面である「筆界確認図」です。

この証明書を貰えるメリットは大きく、これを考えると立会いの拒否は勿体ないと言えます。

境界立会いは他人事じゃない!自分が依頼する側になる可能性も

これまでに、境界立会いのメリットについてご説明してきました。

境界立会いに得られるメリットは大きいですが、隣地所有者からの境界立会いは、別の意味でも他人事とは言えません。

と言うのは、土地を所有している場合、例えば将来、土地の贈与や売却、新しいブロック塀やフェンスの設置など、境界立会いが必要となるケースが出てこないとは限りません。

このようなケースはそう多くあることではありませんが、土地を所有している限り想定しておくべきことです。

今後もし境界立会いが必要になれば、隣地所有者に立会いの協力をお願いしなければなりませんが、仮に過去に立会いを拒否していた場合、隣地に協力を求めることは難しくなります。

したがって、土地の境界立会いは「お互い様」と考えるべきで、もともと相隣関係にトラブルさえなければ、積極的に協力することが望ましいと言えます。

相隣関係が立会いを左右する

境界立会いには法的義務がないため、様々な背景を理由に拒否される場合があります。

しかし、日頃から相隣関係が良好であれば、隣地所有者からの協力を得ることができるでしょう。

また、境界立会いは依頼された側にとっても大きなメリットになります。

境界立会いは「お互い様」と考え、積極的に協力をしていきましょう。