隣家との境界ブロック塀の基準は?高さはどれくらいがいい?

新しく土地を買って家を建てようとするとき、すでに隣家との境界ブロック塀があったらどうしますか。

高さもかなりあり、地震が来たら倒れてしまうのではないかと思えるようなブロック塀だったら…。

今回はそんな、ちょっと危険を感じさせる境界ブロック塀について、どうしたらいいか対策を考えてまいります。

境界ブロックが設置されていたら住む前に所有者の確認を!

新規に宅地や住宅を購入する際、隣家との間にすでに境界ブロックが設置されていたら、後々トラブルにつながらないようブロック塀の所有者は誰なのか、住む前にハッキリさせておきましょう。

隣家が所有者であるならもちろん勝手に使うことはできません。

その代わり、メンテナンス費用の負担はすべて隣家になります。

問題なのは隣家が所有者でないと主張する場合です。

次の3つのパターンが考えられます。

①ブロック塀込みの宅地として売られている

②本来は隣家の所有物であるが、隣家が誤解している

③境界線上に建っているため隣家との共有物としての扱いになる

高さのあるブロック塀ですと、今後壊れたり倒壊したりする可能性があります。

その際、だれが修繕費用を払うのか、所有者によって変わってくるのです。

①なら宅地を購入した人の所有物となるため、宅地購入者が費用負担します。

②なら本来の所有者が隣家ですから隣家が費用を払います。

③なら両家共有で所有していることになるため、費用は折半もしくは相談して決めます。

お金の絡む問題なので互いの認識が食い違っていると、住んでからトラブルになることがあり、場合によっては裁判にまで発展します。

疑念の芽は最初に摘み取っておいたほうがいいのです。

境界ブロックが設置されていたら「古さ」と「高さ」に注意!

新規に宅地や住宅を購入する際、隣家との間にすでに境界ブロックが設置されていたら次の点をチェックしてみてください。

・古くないか?

古いブロック塀は倒壊の危険性が高いため注意しないといけません。

単なる経年劣化だけでなく、ブロック幅が狭いのに高く積み上げられていることが多いため、風や地震で簡単に倒れてしまうのです。

また、中に鉄筋が通っていなかったり、ブロックをただ地面に突き刺し、上に積み上げただけの基礎工事がなされていないタイプもあります。

さらにはすでにどちらかの宅地へ傾いているのもあります。

いずれも倒壊の危険が高く、新築の住宅を傷つけたり、人がいたらケガをする可能性もあるのです。

・高くないか?

昔は高さのあるブロック塀のほうが、家を泥棒から守ってくれると考えられていました。

しかし実際は、高く積まれているほど外部からは見通せないため、泥棒にとってはむしろ好都合なのです。

高いブロック塀は倒壊の危険だけでなく防犯上も良くないため、最近では2~4段の低いブロック塀の上に軽いフェンスを取り付けたタイプが主流です。

あるいはブロックの代わりに植栽で境界としているケースも増えています。

いずれも倒壊の危険が避けられ、かつ外からも住宅が見通せるため、防犯上メリットがあると考えられています。

高さのある境界ブロックの倒壊を防ぐ建築基準法の制約とは?

現行の建築基準法では、高さのある境界ブロック塀の倒壊を防ぐため、下記のような制約が設けられています。

・ブロック塀の高さは1.2m以下
・ブロック塀の厚さは15cm以上
・ブロック塀の中には直径9ミリ以上の鉄筋を使う
・鉄筋のピッチ(鉄筋と鉄筋の間の距離)は80cm以下

ブロック塀は重く倒れやすいため非常に危険であることは、数々の地震で証明されています。

そのため昔より高さを低くして厚みを持たせ、中をしっかりと鉄筋で補強することで倒壊を防ぐのです。

しかし、控え壁を設置すれば、最大2.2mまでの高さが認められています。

控え壁とは境界ブロック塀を支えるために垂直に取り付けられた補強ブロックのことで、建築基準法では次のような制約を設けています。

・高さを1.2m以上にする場合はすべて控え壁を設置しなければならない

・控え壁は3.4m以内の間隔で設置する

・控え壁は境界ブロック塀の端から80cm以内に作る

・控え壁の高さは境界ブロック塀と同じか、同じ高さから45cm以内に設置する

古いブロック塀には控え壁のないものも多くあるため注意が必要です。

高さのある危険な境界ブロックが設置されている場合とるべき対策は?

新規に購入した宅地に隣家との境界ブロック塀が設置されていた場合、所有者を明らかにすることと、古さや高さをチェックすることをお話ししました。

その結果、現行の建築基準法に照らし合わせて違反している点があるなら、倒壊の危険を防ぐためにもできるだけ早い時期に作り替えることをおすすめします。

その際、重要なのが塀の所有者が誰であるかという点です。

費用が発生するため、上述したように塀の所有者をあらかじめ明らかにしておかないといけないのです。

ブロック塀込みの宅地として売られていたのなら、全額自己負担で塀を壊し、新たに作り替えられます。

たとえば高さが1.2m以上あるのに控え壁がない危険なブロック塀であったのなら、自分の敷地内に控え壁を設置しないといけません。

ブロックは縦20cm×横40cmですから、垂直に設置すると本来の敷地が狭く感じられるうえに、当初計画していたエクステリアの変更を迫られるかもしれません。

しかし隣家の同意なく自由に塀を壊したり、補強したりできるのがメリットです。

問題なのは、境界線上にあるためブロック塀が共有であるとされている場合や、隣家が所有している場合です。

今ある塀を取り壊して新たに作り替えるには、隣家の同意が必要だからです。

自分の所有物ではない危険な境界ブロックを取り壊すには?

境界ブロックが両家の共有物とされている場合、取り壊すには必ず隣家の同意が必要で費用は折半します。

しかし、隣家が取り壊しに反対ならどうでしょう。

なぜ反対なのか、その理由が金銭的負担を嫌ってのことなら、(反対の多くがこの理由です)隣家の負担額を減らす、あるいはゼロにするといった対策で取り壊しが可能です。

また、高さのあるブロック塀で倒壊の危険が高いのなら、隣家の同意なしで補強の工事ができ、費用も隣家に半額を請求できます。

とはいえ関係がこじれないよう、十分な話し合いの場を設けることは必要でしょう。

今ある塀の取り壊しには隣家の同意が必要ですが、その後新たに作る塀に関しては、自分の所有とするなら全額自己負担、隣家の同意なしに設置できます。

しかし、今の塀が隣家の所有物であり、取り壊しに反対なら、その塀はそのままにして新たに自分の敷地内に塀を設置することも可能です。

いずれにせよ隣家との境界にあって費用が発生するデリケートな問題です。

今後の両家の関係に亀裂が入らないよう事前に相談や話し合いを重ね、納得のいく形で工事をはじめましょう。

意外な盲点!境界ブロック塀の基礎と住宅の関係

新規に宅地を購入して家を建てようとする場合、隣家との境界ブロックが設置されていると家が思っていたより小さくなることがあります。

ブロックにも家にも基礎があるため互いに邪魔となり、境界の近くに家を建てられないためです。

ブロック塀の高さや古さといったものは目視でわかりますが、基礎は地中にある部分のため一見しただけではわからず、工事をして初めて気づくことが多いのです。

自分の敷地内にあるブロック塀なら許可なく移動もできますが、隣家との共有物であったり、隣家の所有物である場合には、許可をもらわないといけません。

なかには相談に上がったことをきっかけに隣家との関係がこじれる場合もあるので、難しい問題です。

特に都会の宅地の場合、もともとの面積が狭く、住宅の配置プランもギリギリであることが多いため、スムーズに変更できないようです。

たかがブロック塀1枚と侮れません。

意外なリスクを抱えた存在であることを知っておくべきといえます。

隣家との境界ブロック塀は危険性の低いものへと変えておこう

新しく土地を買って家を建てようとするとき、すでに隣家との間に境界ブロックがあったら、所有者、高さ、古さなどをしっかりチェックし、わからないことは不動産会社に尋ねてください。

曖昧なまま放置しておくと、住んでから隣家との間にトラブルが起こりかねません。

倒壊や防犯上の理由からも、できるだけ危険性の低いものに差し替えるべきでしょう。

その際は隣家とトラブルにならないよう、十分話し合ってくださいね。