地目変更登記の費用はどのくらい?宅地に変更する際の流れ

土地の種類を現す言葉として、「地目」というものがあります。

もし、家を建てる予定の土地が「宅地」でなかった場合、地目変更を行い、地目を宅地に変えなければなりません。

地目変更の登記には費用がかかりますが、実際にどのくらいの金額なのでしょうか。

今回は地目変更登記にかかる費用と、宅地に変更する際の流れをご紹介していきましょう。

地目変更とはどのようなものか?

そもそも、地目変更とはどのようなものなのでしょうか。

地目変更登記の費用のお話をする前に、まずは、地目についての知識を深めましょう。

まず、土地には必ず種類が存在します。

不動産登記法により、宅地・田・畑・公衆用道路・山林・墓地・公園など、土地の種類はおよそ20種類ほどに分類することができます。

その土地の状況を確認し、目的理由を判断したのちに地目は決定されています。

今住んでいる場所も、誰かの土地として所有者登録され、宅地として登記されていることでしょう。

ちなみに、どの種類の土地とも判断されない場合は、「雑種地」として登録されることとなります。

また、登記された情報は法務局で管理されており、1筆の土地ごとに「所有者」「土地の面積」「土地の地目」「土地の住所」などが記録されているのです。

そんな地目ですが、用途の目的が変わった際は、必ず変更をしなければなりません。

例えば、今まで地目が畑となっていた土地に家を建てることになった場合、宅地に変更をしなければなりません。

これを「地目変更登記」と呼びます。

どのように申請を行うのか、次項でご説明していきましょう。

地目変更登記とは?どこで行うの?

地目変更登記とは、土地の用途が変わったため、現在とは異なるほかの地目に変更する登記のことを指します。

これは用途が変わり次第、すみやかに行わなければなりません。

土地の状況を見て目的を判断することになりますが、決して土地の1部分のみを見て判断することはせず、土地全体を見て地目認定を行います。

例えば、畑を開拓して、道路をいくつか通し、家を建てたとします。

この場合、分筆登記(土地を複数に分ける登記)を行い、宅地部分と道路部分を分けて登記しなければなりません。

地目変更登記の際に分筆登記を同時に行うことは珍しいことではありません。

しかし、上記のケースはかなり費用がかかってしまうため、事前に予想できていなかった場合は、大きな出費となることが考えられます。

ちなみに、地目変更登記の申請は「法務局」で行うこととなります。

どの法務局でも良いというわけではなく、地目変更を行う土地を管轄している法務局でなければなりません。

法務局はあまり馴染みがないため、どの法務局が土地の管轄なのか分からない方も多いでしょう。

その場合、1番近くの法務局を調べて、まず問い合わせしてみましょう。

地方には、法務局・地方法務局・支局などがありますが、どの法務局がその土地を管轄しているのか、教えてくれるでしょう。

その際は、土地の住所が必要となりますので、準備しておきましょう。

地目を「宅地」へ変更する際の流れ

ここでは、「田」や「畑」の土地を「宅地」へ変更する際の流れをお話ししていきましょう。

田や畑を宅地にするには、「農地転用」を行う必要があります。

農地転用とは、田や畑をほかの地目に変更する際に行うもので、日本では勝手に農地をほかの地目に変更できないようになっています。

宅地に変更したい場合、まず「届け出」か「許可申請」を出す必要があります。

届け出は「市街化区域」と呼ばれる土地の場合に必要になり、それ以外の土地の場合は許可申請で対応します。

土地によって2つのどちらか異なりますので、役所で確認しましょう。

その後、無事に許可が下りたら「確認済証」が発行され、家の工事に取り掛かるといった流れになります。

では、地目変更登記を行うタイミングはいつが良いとされているのでしょうか。

基本的に、家が建ってから「1ヶ月以内」に地目変更登記を行う決まりとなっています。

これは、家が完成してから「土地の目的を決定する」という理由が大きいためでしょう。

また、登記は登記名義人が申請することとなりますが、費用が発生します。

地目変更登記にかかる費用

ここからは、地目変更登記にかかる費用のお話をしていきましょう。

まず登記とは、基本的に土地の所有者本人が申請しなければなりません。

これを本人申請と呼びます。

本人申請で登記を行った場合、法務局に提出する書類をすべて自分で作成し、手続きをすることとなります。

すると、地目変更登記にかかる費用は数千円ほどの金額となるでしょう。

この数千円の内訳は、登記簿謄本を取得するための費用や、交通費、蓄積測量図の取得費用などです。

つまり、本人申請で地目変更登記を行うと、それほど費用はかからないのです。

しかし、登記の申請は専門的な知識が必要となることが多々あり、本人申請の場合、作成した書類を何度も補正されることも少なくありません。

そのため、このような場合「土地家屋調査士」に依頼して登記申請を行う方が多いです。

土地家屋調査士に依頼して地目変更した際の費用は?

不動産登記の手続きは専門的な知識が必要となるため、一般の方が行うと時間も労力もかかります。

そのため、代理人として「土地家屋調査士」や「司法書士」に依頼し、所有者の代わりに手続きを行う「代理申請」を行うことが多いです。

土地家屋調査士や司法書士は土地のプロなので、安心してお任せすることができます。

しかし、代理申請の場合、当然ですが土地家屋調査士などに報酬を支払わなければなりません。

相場では、1筆の土地の場合、およそ5万円前後の費用となるでしょう。

これが3、4筆と増えていくと、登記の書類も増えていきますので、比例して費用も上がっていきます。

また、これはあくまで地目変更登記の際の費用となります。

地目変更登記の際に分筆登記も一緒に行うと、そちらの費用も上乗せとなりますので、30~50万円ほどの支払いになってしまうこともあります。

これは土地の大きさにもよりますので、土地家屋調査士に事前によく相談しておきましょう。

地目変更登記の費用を抑えたい!方法はある?

地目変更登記を土地家屋調査士に依頼すると、1筆に対しおよそ5万円前後の費用がかかってしまいます。

この費用を抑える方法はあるのでしょうか。

●自分でできる範囲のものは自分で済ます

地目変更登記を自分ですべて行えば、最も安い費用で済みますが、なかなか難しいでしょう。

その場合、できる範囲だけ自分で行い、難しい箇所のみを土地家屋調査士にお願いするといった方法をとれば、少しは費用を節約することができるでしょう。

しかし、通常は申請書の作成からすべてをお任せすることが一般的です。

まずは相談して、快く受け入れてくれる方に依頼しましょう。

●登記申請ソフトを使う

土地家屋調査士が監修している、地目変更登記のソフトがあります。

こういったソフトで登記を行えば、費用を抑えることもできるでしょう。

地目変更登記の費用を事前に頭に入れておこう

土地には地目があり、目的が変わった場合、すみやかに地目申請をしなければなりません。

この地目変更登記には費用が発生します。

自分1人で申請をする場合は数千円の費用で済みますが、土地家屋調査士などに依頼した場合は、1筆でおよそ5万円前後の費用がかかってしまいます。

同時に分筆登記を行った場合など、とても大きな費用が発生するため、事前によく調べておきましょう。