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見落としがちな共同住宅の階段の蹴上や踏み面をチェック!

2019.6.3

役所、駅、病院、共同住宅、戸建てに設けられている階段で蹴上や踏み面の大きさの違いに、違和感を覚えた経験はありませんか?

階段は戸建てであっても、共同住宅でも、必ず一定の基準どおりに作られているのですが、ざっくりとした範囲なのでそれぞれ違いが出てしまうのです。

ご自宅の階段がどのような基準の範囲なのか、また、問題がないかを確認してみましょう。

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階段の蹴上、踏み面のサイズは決まっているの?

階段は、共同住宅や公共施設などに設けられていることが多いですね。

階段の1段の高さのことを蹴上(けあげ)と呼び、足を乗せるステップの部分は踏み面(ふみづら)と呼びます。

幼い子どもや高齢者の方は、蹴上が高いと上るのが一苦労で、転ぶ可能性があるため大変危険です。

また、踏み面が狭いと、足先しか階段に乗らず、踏み外す危険性があります。

そもそも階段の段数や踏み面の長さ、蹴上の高さはどのように決めているのでしょうか。

階段は建物の用途や床面積の大きさで作り方が異なっており、各部のサイズは定められた基準以下であれば良いことになっています。

そのため、設計段階で、いかようにも調整されてしまうものなので、物件により違いが出てくるものなのです。

1階から2階までの高さが決まれば、何段かで中間踊場となり、目的の階に到達するように計画します。

一段ごとの高さは正確に一致させる必要がありますが、1~2ミリ程度なら誤差があっても許容範囲です。

しかし、人間の感覚は意外と鋭く、5mmも違うと転ぶ可能性もあるため危険です。

ニューヨークの地下鉄には必ず人が転ぶ階段があるとの記事を見たことがありますが、おそらく1段だけ蹴上の高さが違うのでしょう。

階段は同じリズムや感覚で登ったり降りたりする必要があるため、蹴上の高さはとても大切なのです。

共同住宅や公共施設に設置されてる階段の蹴上と踏み面のサイズ

階段を建築する際の基準は、建築基準法施行令に定めがあります。

そこには、踊場の幅、蹴上、踏み面のサイズが定められており、その基準に基づいて作ることになります。

代表的なものをいくつかあげると、

「小学校の児童用」

・階段および踊場の幅 140cm以上
・蹴上 16cm以下
・踏面 26cm以上

「中学、高校、中等教育学校の生徒用」および「劇場、映画館、公会堂、集会場等の客用」

・階段および踊場の幅 140cm以上
・蹴上 18cm以下
・踏み面 26cm以上

「住宅(共同住宅の共用階段を除く)」

・階段および踊場の幅 75cm以上
・蹴上 23cm以下
・踏み面 15cm以上

「共同住宅の階段(直上階の床面積の合計が200㎡以下の場合の屋内階段)」

・階段及び踊場の幅 75cm以上
・蹴上げ 22cm以下
・踏み面 21cm以上

となっていて、対象となる人に合わせて基準が異なっています。

階段は、段数が多ければ多いほど、足を上げる高さは低くなりますが、その分階段の占める面積がたくさん必要です。

階段数や階段の距離は、建物のデザインや間取りにも大きく影響を与えるものなのです。

ご自宅や普段使われている階段をチェックしてみましょう。

アパートやマンションだけが共同住宅とは限らない

共同住宅といえば、マンションやアパートが思い浮かぶ方が多いでしょう。

しかし、最近はタウンハウスやテラスハウスといった共同住宅もあり、ドラマの影響もあって若い人には人気がある物件です。

また、高齢者が利用するサービス付き高齢者住宅、老人ホームなども共同住宅と言えるでしょう。

先ほどもご紹介しましたが、住宅(共同住宅の共用部を除く)で使う階段は、蹴上23cm以下、踏み面15cm以上が基準となっております。

しかし、そのまま作ると、まるで梯子を掛けたような急な階段が出来上がりますので、安全性の観点からいうと、このような物件に暮らすことはおすすめしません。

直上階の居室の床面積の合計が、200㎡以下の共同住宅の共用部、寄宿や下宿、老人ホーム、ホテル、旅館などは、蹴上22cm以下、踏み面21cm以上となっています。

ですから、少し緩やかな使いやすい階段となっているのです。

「高齢者等の移動の円滑化に関する法律(通称・バリアフリー法)」で指定される住宅などの場合は、上記の基準とは別に、蹴上16cm以下、踏み面30cm以上と定められています。

このように共同住宅でも対象とする人により、基準が分かれていることがわかりますね。

空き家を共同住宅に変更したいけど階段に問題が!

近頃、複数人で共同生活する「シェアハウス」が人気を集めています。

シェアハウスは、空き家問題の解決策としても注目されているほか、借り手の目線でも複数人で生活するため、家賃の負担が軽減される等のメリットがあります。

また、オーナーも部屋数や入居者を増やすことにより収益が高まる特徴を持っています。

しかし、空き家や一般住宅をシェアハウスとして活用する場合は、注意をしなければならないことがあります。

シェアハウスは建築基準法に該当がないため、各行政庁において「寄宿舎」と見なされ、建築基準法上の共同住宅に近い特殊建築物として規制を受けるのです。

戸建ての住宅をシェアハウスに変更する場合、建物面積が100㎡を超えると用途変更の確認申請が必要になります。

100㎡を超えているにも関わらず確認申請を怠った場合、違反建築となるため、後から用途変容の確認申請を提出しても基本的に受理されません。

そして住宅の階段の蹴上なら、23cm以下、踏み面は奥行き15cm以上の基準ですが、シェアハウスでは蹴上22cm以下、21cm以上と住宅に比べて緩やかな勾配の階段が求められます。

その他、居室と見なすなら採光のための窓がなくてはなりませんし、非常灯なども必要になりますから、空き家をシェアハウスに変更することは簡単なことではないのです。

お住まいの共同住宅に避難階段があるか確認しよう

お住まいの共同住宅には専用の避難階段がありますか?

専用の避難階段がある物件もあれば、普段から使用する階段と兼ねている場合もあると思います。

これは、建物の構造や材料に加え、階数、居室フロアの面積により避難階段を設置するかどうかの基準が決まっているからです。

よって、高層マンションは避難階段を別に作りますが、低層のアパートなどは基準に満たないため、建築コストなどを考え、普段使用する階段と兼ねるていることが多いでしょう。

2~3階程度の階段であれば、蹴上や踏み面、設置場所が基準に満たしてさえいれば不満を感じないと思いますが、問題は高層マンションの避難階段です。

高層マンションは避難階段であってもデザインを重視して、屋外避難階段を螺旋状にデザインしているものがあります。

しかし、地上10数階以上からこの螺旋階段を降りていくとどうなるでしょうか。

要所ごとに広い踊り場があれば比較的問題ないですが、何もないとおそらく、3階~5階くらい下がったあたりから、めまいがするでしょう。

高層マンションにお住まいの方は、蹴上や踏み面以外に、どのようなデザインの避難階段なのかを一度確認されることをおすすめします。

使いやすい階段の蹴上と踏み面のバランス

階段には「登っているのに進まない」と感じる階段や、「急で登りにくい」という階段があります。

公共施設の階段は、比較的多くの人が使いやすいと感じるように、蹴上の高さや踏み面の幅が設定されています。

また、戸建ての注文住宅ならば好みに合わせて蹴上を低めにしたり、部屋を広くさせるため階段を狭くし、急な勾配にすることもあるでしょう。

しかし、共同住宅の場合はそうはいきません。

実際にサイズを計測し、次の式に当てはめてみてください。

・蹴上げ高さ×2+踏み面巾

この結果が61~65cmの範囲になれば、比較的使いやすい階段といえるでしょう。

建材メーカーのカタログでは、勾配が緩やかな階段として、蹴上げ19cm、踏み面24cmという寸法が出ており、これだと62cmになります。

蹴上が高い方が狭い階段スペースでも2階に早く登れる感じがしますが、子どもや高齢者、また、荷物を持って登る場合は少し使いにくいかもしれません。

共同住宅の場合は個人でリフォームができないため、使いにくい階段なら、自ら住み替えないといけなくなるかもしれません。

古い共同住宅なら階段が負担にならないうちにライフスタイルの見直しを

土地の狭い都心部では、共同住宅が中心です。

建物は時代とともに様々なスタイルに変わりました。

しかし、建物が変化しても変わらないものは階段です。

若いうちは問題なくても、年をとると蹴上が高い階段は1段でも負担が大きいものです。

エレベーターのない共同住宅にお住まいのご高齢の方は、できるだけバリアフリー住宅か、エレベーターの物件に住み替えることをおすすめします。

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