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瑕疵担保責任!売主の責任とは?個人と法人のちがいについて

2019.3.30

不動産の取引では、瑕疵担保責任という言葉が必ず出てきます。

それは、物件の瑕疵(外部から容易に発見できない欠陥)に対して売主が買主に対して負う責任のことです。

その責任範囲は、売主が個人か法人かで異なります。

今回は、瑕疵担保責任とその責任範囲について記していきます。

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売主が負う瑕疵担保責任の瑕疵とは

前述しましたように、瑕疵担保責任とは瑕疵に対して売主が負う責任です。

では、不動産でいう瑕疵とはどのような欠陥でしょうか。

具体的には、「物理的瑕疵」「法律的瑕疵」「環境的瑕疵」「心理的瑕疵」などがあります。

「物理的瑕疵」とは、雨漏りやシロアリなどの建物自体の欠陥のことを言います。

「法律的瑕疵」とは、その物件に法律的制限があって買主が思うように使えない状況を指します。

「環境的瑕疵」とは、その物件を使用するのに弊害となりそうな環境が近所にあることを指します。

例えば、交通量が多く騒音や振動がひどかったり、近くにゴミ処理場があったりなどです。

「心理的瑕疵」とは買主がどう感じるかによって解釈が変わってきます。

例えば、その物件で過去自殺、他殺、事故死があった場合「心理的瑕疵」と解釈できます。

以上が主な瑕疵の種類ですが、すべてを売主が負わなければならないわけでもなく、その時の状況によって異なります。

また、売主が個人か法人によっても責任範囲がちがってきます。

次項では売主が個人の場合の責任範囲について記します。

売主(個人)の瑕疵担保責任と買主の請求期間について

この章では、売主が個人の場合の瑕疵担保責任の内容と期間について記していきます。

個人としての責任が問われる「物理的瑕疵」としては、「雨漏り」「シロアリ」「建物構造上主要な部位の腐食」「給排水管の欠損、故障」です。

また、買主に著しく心理的不安を与える心理的瑕疵も範囲内です。

瑕疵担保責任は、無過失責任です。

無過失責任とは、売主に過失がなかったとしても、上記のようなケースの場合は瑕疵担保責任を免れることはできないという意味です。

瑕疵担保責任を問える期間ですが、民法上は買主がその瑕疵の事実を知った時から、1年以内に、契約の解除、又は損害賠償を請求することができます。

但し、買主が売買契約時に隠れた瑕疵があったことを知らず、かつその為に購入の目的が果たせなかった時に限ります。

民法上はそのように規定されていますが、これでは買主が物件を購入してから瑕疵を発見すれば、いつでも解除や損害賠償の請求ができます。

個人が売主の場合は「売主と買主の合意の上、引渡完了日から三カ月以内に請求を受けたものにかぎり、責任を負うこととする。」という特約を結ぶケースが一般的です。

次項では、法人が売主となった場合の瑕疵担保責任の範囲について記していきます。

売主(法人:宅建業者・非宅建業者)の瑕疵担保責任と買主の請求期間

前章では、売主が個人の場合の瑕疵担保責任と期間について記してきましたが、こちらでは、売主が法人の場合について記していきます。

先ず、瑕疵担保責任を問える期間ですが、売主が法人でしかも宅建業者であった場合は、「宅建業法」が適用され、引き渡し完了日から2年以上です。

つまり、最低2年の間は瑕疵担保責任を追及できる期間となります。

また、責任の範囲は売主が個人の時のように、「雨漏り、シロアリ、構造上の主要な部位、給排水設備の欠陥、故障」などの建物本体の瑕疵に限定せず、「付帯設備」も含めた物件の隠れた瑕疵について、責任を負うとこととなっています。

但し、「付帯設備」に関しては、ケースバイケースで、例えば、保証期間のすぎたエアコンが、引き渡し1年後に故障したからといって、修理を要求することはできません。

ちなみに、売主が宅建業者ではない法人であった場合、瑕疵担保責任を追及できる期間は、民法上の規定である瑕疵の事実を知った時から1年とするのが、慣例となっています。

売主(法人:宅建業者)買主(法人:非宅建業者)の場合の瑕疵担保責任と請求期間

これまでは、売主が個人・法人(宅建業者・非宅建業者)の瑕疵担保責任と期間について記してきました。

こちらでは、売主が法人(宅建業者)で買主が法人(非宅建業者)であった場合の瑕疵担保責任と期間について記します。

売主と買主の両者が宅建業者であった場合、両者の合意で瑕疵担保責任を無しとすることはできます。

しかし、買主が法人(非宅建業者)であった場合は、売主の瑕疵担保責任は免責となりません。

但し、買主も法人ということで、宅建業法で定められている2年以上の瑕疵担保期間を定めるか商法526条を定めるか、当事者間の自由ということになります。

商法526条によると、買主が売買の目的物を受領したときは、遅滞なくその物を検査しなければなりません。

また、瑕疵が発見した場合は直ちに売主に対してその旨の通知をしなければ、損害賠償や契約の解除、損害賠償の請求もできません。

直ちに発見できない瑕疵についても、六カ月以内という限定がついています。

宅建業法による規定を定めなければ商法526条が適用されますので、宅建業者にとっては少し有利な契約となります。

但し、宅建業者が瑕疵を事前に知っていた場合は無効となります。

また、この規定は法人が商人(営利団体)の場合のみ適用されます。

瑕疵担保責任が免責されるケース

ここでは、瑕疵担保責任が免責されるケースについて記していきます。

瑕疵担保責任が免責されるケースは、法人が絡む取引ではなく、個人間で行われる取引のみとなります。

築20年以上、あるいは保証期間をはるかに過ぎた物件の場合、瑕疵担保責任の免責の特約を契約の条項に盛り込むことができます。

いくら瑕疵担保責任は無過失責任といっても、築20年以上たって老朽化の進んだ物件では、売主が知らない構造上の隠れた瑕疵がある可能性が高いです。

このような物件を相応の金額で売り出した場合に、瑕疵担保責任を追及するのは、あまりにも売主に取って不利な条件だからです。

但し売主は、この物件の瑕疵を引き渡しまでに知らなかったあるいは、知ることができなかったことが前提となります。

売主が物件の瑕疵を知っていた時は告知義務があり、契約までに買主にその瑕疵があることを告知しなければなりません。

つまり、売主が瑕疵担保責任を一切負わない旨の特約は、売主が知りながら告げなかったときを除き、有効です。

但し、買主がその「瑕疵担保免責特約」の法的効果を知らないまま契約をしてしまった場合、民法に規定された、「錯誤無効」を主張できるかという難しいケースとなります。

この場合、売主及び仲介業者は、事前に買主へ「瑕疵担保免責特約」を説明し理解と納得をしてもらった上で契約することが肝要です。

法人は加入が必要?住宅瑕疵担責任保険とは

これまでは、売主の瑕疵担保責任に関して法人と個人の責任範囲や期間などについて記してきましたが、こちらでは、新築住宅に関する住宅瑕疵担保責任保険について記します。

2000年4月から新築住宅を供給する事業者(法人)の瑕疵担保責任を負う期間は、引き渡しから10年とさらにきびしい規定が課せられるようになりました。

しかし、瑕疵担保責任を履行する資金が不足することもあります。

また、その事業者が、瑕疵担保責任を負ったまま倒産することもあります。

このため事業者は、瑕疵担保責任履行の資金を確保するため、住宅瑕疵担保責任保険の加入が必要となってきました。

事業者は、住宅瑕疵担保責任保険がついている新築住宅で、構造上主要な部分や雨水の侵入を防止する部分に瑕疵が10年以内に発見された場合、支払われる保険金を、瑕疵の補修費用に充てることができます。

また、他にも損害賠償費用、裁判手続き費用、瑕疵補修の調査費用、仮住まい費用なども保険金の対象とります。

瑕疵担保責任の今後

今回は、瑕疵担保責任の個人と法人の責任範囲や期間、住宅瑕疵担保保険について記してきました。

今後、消費者保護の観点から、瑕疵担保責任の範囲が大きくなることが考えられます。

例えば個人の売主であっても、新築に近い物件を売買する場合の責任範囲や期間が中古物件を売買する時よりも大きくなることもあり得ます。

このような消費者保護の流れが益々主流となっていきますので、今後、宅建業者や法人、個人を含めた売主には、先を見据えた対応が望まれます。

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