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土地境界のブロック塀で境界トラブルに!その事例と解決法

2019.3.25

みなさんは自分の土地の境界を正しく把握していますか?

近年では、ブロック塀の設置後に隣地所有者と境界トラブルに発展する事例が多くみられ、その背景には境界ルールに対する知識不足が挙げられます。

隣家との境界トラブルは非常に厄介な問題なため、境界ルールについてはしっかりと理解しておくことが大切です。

この記事では、境界におけるルールの知識から境界トラブルの事例まで、詳しくご説明していきます。

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急増する境界トラブル!なぜ境界トラブルは起きるのか

近年急増している境界トラブルは、自分の所有する土地の認識が、実際の登記状況と異なることで起こっています。

例えば、ブロック塀の設置後に、実際は隣地所有地にはみ出ていることが発覚したり、反対に隣家のブロック塀がはみ出ていたりなど、そのほとんどが境界の誤認によるトラブルです。

隣家との境界トラブルは、日々の暮らしをお互いに憂鬱にさせるばかりか、その問題解決には時間と労力を要します。

そのため、境界トラブルを防ぐためには、あらかじめ自分が所有する土地の境界を把握して明確にし、境界ルールに則って境界塀を建てることが重要と言えます。

では始めに、土地境界の基礎知識から見ていきましょう。

まず、土地の境界は「筆界(ひっかい)」と「所有権界(しょゆうけんかい)」の2つに分けることができます。

「筆界」とは、地番と地番の境であり、法務局に登記されているため「公法上の境界」とも呼ばれています。

したがって、個人の意思や個人間の同意によって自由に変更できるものではありません。

一方で、「所有権界」とは、土地の所有範囲の境を指し、隣地所有者との合意によって決められた境界です。

そのため、筆界と相反して「私法上の境界」と呼ばれています。

つまり、この「筆界」と「所有権界」の不一致が、境界トラブルの発展に繋がっているというわけです。

ブロック塀を設置する前に!まずは境界標の確認を

では、実際に境界としてブロック塀などを設置する場合、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか。
まず、確認しておきたいことは、「境界標」のチェックです。

一般的に、隣地との境界が確定している場合、その境界に杭などの「境界標」を設置することで、境界を明確にしていることがほとんどです。

しかし、境界標がなかったり確認できない場合、そのままブロック塀を建ててしまうと境界トラブルへ発展する可能性もあります。

もし境界標がない場合、まずは「境界確定図」の有無を確認する必要があります。

「境界確定図」とは、所有する土地の境界が確定されたものを示す確定図で、これがあれば土地の境界確定がされているということになります。

境界標の復元をしたい場合、土地家屋調査士に依頼することで設置することができます。

一方で、もし境界確定図がない場合は、所有する土地の境界を明確にすることからしなければなりません。

土地の境界確定には、「境界確定測量」が必要となり、法務局や役所の登記資料、現地調査などをもとに境界確定が行われます。

そして、境界確定が行われた後、隣地所有者の立会いのもとに境界標の設置をしていきます。

このように、土地の境界確定が行われた上で境界標が設置されていれば、ブロック塀設置による隣家との境界トラブルを未然に防ぐことができます。

境界線上にブロック塀を設置する!注意したいポイント

ブロック塀を設置する場合、あらかじめ所有地が境界確定されていることで、境界トラブルの防止に繋がることが分かりました。

では、実際にブロック塀などの境界塀を設置していくにあたり、「境界線上に設置する場合」と「所有地内に設置する場合」に分けて、注意したいポイントを見ていきましょう。

まず、両土地の境界線上にブロック塀などを設置する場合、民法では以下のような規定がされています。

・境界標や塀は隣地所有者と共同の費用で設置する

・境界標や塀の設置・管理費用は、相隣者との折半で負担する

・境界線境界標、囲、塀などは、相隣者の共有に属する

つまり、「境界線上の塀=共有の塀」と定義されるため、一方の勝手な意思による設置はできず、相隣者同士で話し合った上での設置がルールになっています。

ただし、費用の負担について、例えば相隣者間で別の合意があれば、必ずしも折半にする必要はなく、当人同士の合意内容に沿った費用負担にすることができます。

共有する塀の設置メリットとしては、設置の費用が節約できることが挙げられますが、今後隣家との関係が良好に続いていく保障はありません。

そのため、共有する塀の設置はよく考えた上で決めていきましょう。

所有地内にブロック塀を設置する場合は?

では次に、自分の所有地内に塀を設置する場合を見ていきましょう。

まず、敷地内でブロック塀などを設置するメリットとしては、自分の好きなデザインで、自由に設置できることです。

設置費用はもちろん自己負担になりますが、費用や塀の種類に関して隣家と話し合う必要がありません。

また、前述したように、隣家との良好な関係が続いていくとは限らず、そういったことを考慮すれば、所有地内に塀を設置する方が後々の境界トラブルを避けることができます。

ただし、所有地内の設置であっても、注意したい点もあります。

それは、隣家への日当たりに支障が出る高さの塀を設置することです。

実際に、隣家が高い塀を作ったことで日当たりが悪くなり、厄介な境界トラブルに発展したケースも少なくありません。

また、ブロック塀の場合は、倒壊リスクを伴うため、たとえ建築基準を満たしているブロック塀でも、大きな地震が多い日本では注意をする必要があります。

以上のことを踏まえれば、所有地内の設置であっても念のために隣家に一声かけておくことがベターと言えます。

境界トラブルの事例とその対処法

これまでの基礎知識やブロック塀などの設置ルールを踏まえた上で、実際にあった境界トラブルの事例と、その対処法についていくつか見ていきましょう。

①事前に何の相談もなく、勝手に境界線上にブロック塀を設置し、その費用を折半で請求してきた

相手の独断で一方的に設置されたブロック塀に関しては、費用を負担する必要はありません。

また、設置されたブロック塀は相手の所有塀となりますので、ブロック塀の厚み半分は所有土地をはみ出していることになります。

そのため、法律上、土地所有権の侵害にあたるとして、塀の移設や収去請求をすることができます。

しかし、仮にこのような越境状態を長い間放置してしまうと、「不動産の時効取得」によって泣き寝入りしなければならなくなる可能性もあります。

「不動産の時効取得」とは、その土地などを長期間占有している者が、その所有権を取得する制度です。

土地は大事な財産ですから、できるだけ早めの対処をするのが良いでしょう。

ただし、今回のような境界線上の塀設置の場合、例えばフェンスのように越境の程度が小さければ、収去を訴えることは権利濫用とみなされ難しくなる可能性もあります。

②隣地から樹木の枝が越境してくる

民法233条1項によると、「隣地の木々の枝が越境してくる場合は、その所有者に枝の切断を請求することができる」とあります。

したがって、法律上、隣地所有者に対して枝の切断を請求する権利はあります。

ただし、何の相談もなく、越境されている側が勝手に切断してしまうことは避けた方が良いでしょう。

なお、隣地から越境しているのが「根」である場合は、法律上、独断で切断する権利があります。

上記以外にも、境界トラブルは様々なケースがあります。

誰しも隣家とのトラブルは避けたいものですが、土地の所有権はしっかりと守れるようにしておきましょう。

厄介な境界トラブル!話し合いでは解決が望めない場合は?

前項では、境界トラブルの事例とその対処法についてご紹介してきました。

では、ブロック塀越境などの境界トラブルについて、隣地所有者と話し合いの解決が望めない場合はどうすれば良いのでしょうか。

その場合、全国に展開している「境界問題相談センター」に相談をしてみることをおすすめします。

「境界問題相談センター」は、土地家屋調査士会が運営している相談所で、土地境界トラブルのプロである土地家屋調査士を始め、弁護士にも相談することができます。

また、最終的には裁判を通して解決することもできますが、「筆界特定制度」を利用する方法もあります。

「筆界特定制度」とは、筆界特定登記官によって土地の筆界の位置を特定する制度を指します。

これは、筆界を新たに決めるものではなく、実地調査や測量などの調査をもとに、もともとの筆界を明らかにするものです。

この制度を利用するには、土地所有者の申請が必要ですが、裁判のような当事者の費用負担を軽減できるメリットがあります。

上記の相談所や制度を利用して、自分の納得のいく解決を目指していきましょう。

所有地の境界を把握しておこう

土地の境界トラブルは、決して他人事とは言えません。

これまでは隣家と良好な関係が続いていても、所有地の境界が曖昧であるばかりに、ふとしたことで境界トラブルに発展することがあります。

これを機に、自分の所有する土地を見直し、境界トラブルを未然に防止していきましょう。

 - 土地, 境界