固定資産税がいきなり値上がり?その理由には様々な背景が!

皆さんは、「固定資産税がなぜか値上がりした」という話を聞いたことはないでしょうか。

多くの場合、「評価替え」の年に固定資産税が値上がりします。

なぜ、そういったことが起こるのでしょうか。

実は、それには様々な背景があるのです。

今回は、固定資産税がいきなり値上がりした場合に考えられる理由を、一つ一つ見ていきましょう。

固定資産税の仕組み

まず、固定資産税という税制の仕組みについて見ていきましょう。

固定資産税は、1月1日時点で持っていた家や土地にかかる税金です。

徴収された税金は、地域住民の生活に必要な設備を維持するために使われます。

つまり、私達の生活を維持する事業に使われる、大事な財源なのです。

そして、この固定資産税は、3年ごとに「評価替え」が行われます。

「評価替え」とは、「固定資産税の税率を見直す」ことです。

どうして3年に一度「評価替え」を行なう必要があるのかというと、固定資産の価値は毎年変わるという特徴があるからです。

そして、この評価替えを行う年度のことを「基準年度」と言います。

前回と変わったことで、固定資産税が高くなる方もいれば安くなる方もいるのです。

固定資産税が安くなれば助かりますが、値上がりすると、「どうして高くなったのか」と思いますよね。

その理由にはどんなことがあるのか、次の章でお伝えします。

固定資産税が値上がりするのはなぜ?

では、固定資産税が値上がりするのはなぜなのか、その理由を見ていきましょう。

一般的には、家や土地の価値は、年数が経つごとに下がっていきます。

そのため、「固定資産税は、毎年下がっていくものだ」「固定資産税が値上がりするはずがない」と考えている方も多いのが現状です。

しかし、家や土地の価値が絶対に下がるとは言い切れません。

例えば、新築してから4年目(人によっては、6年目または8年目)を迎えた場合がそうです。

新築住宅の場合、建てるのに多くのお金がかかっています。

そのため、一時的な措置として、固定資産税が減額されているのです。

その減額措置が終了するタイミングが大抵4年目にあたるので、一気に値上がりしたように感じますが、これは固定資産税の値上がりではなく、減額措置の終了によって「適正な税額に戻った」と考えるべきです。

また、値上がりのタイミングが人によって違うのは、新築で建てた家の内容によって減額される期間が異なるためです。

普通は3年の措置なので、4年目から税額が戻りますが、

・3階建て以上で耐火・準耐火の家(もしくは長期優良住宅)では5年間

・3階建て以上の耐火・準耐火の家であり、長期優良住宅でもある場合は7年間

減額されることになっています。

固定資産税が値上がりした場合に考えられる他の理由とは?

しかし、固定資産税が値上がりした場合に考えられる理由は、新築時の減額措置が終了した場合だけではありません。

固定資産税の減額は、新築時以外にも適用されることがあるからです。

「うちは新築ではないのにいきなり固定資産税が値上がりした」と思っていても、値上がりの理由はそれではなかったというケースは多いものです。

例えば、

・自宅を耐震工事したり、バリアフリー化の工事をした

・省エネ性能を上げるために家を改修した

ということはなかったでしょうか。

その場合には新築時と同じように、減額制度によって税額が少なく抑えられていたということになります。

もちろん、減額される期間は、工事の内容によって異なりますが、その期間を過ぎたことで、固定資産税の税額が適正なものに戻ったのです。

今年になって、固定資産税いきなり値上がりしたという方は、数年前に家に関わる工事をしていないかよく思い出してみて下さい。

役所の計算ミスが原因で固定資産税が値上がりすることも!

新築でもなく、特に家の工事をしたわけでもないのに固定資産税が値上がりしている場合には、単純に役所の計算ミスが原因という可能性も考えられます。

しかし、その場合に気を付けたいのが、

・役所の計算ミスで今年からの固定資産税が値上がりしたのか

・計算ミスで今まで安い額だった(今年からの固定資産税は適正になっている)のか

のどちらなのかをはっきりさせることです。

また、役所の計算ミスでなくても、元々の固定資産税の額が今までは安すぎたという事情もあるかもしれません。

それが固定資産税の値上がりの理由だとしたら、「仕方がない面もある」と納得できるのではないでしょうか。

それでも多く払うことに納得できないと思う方は、その理由を役所に聞いてみることをおすすめします。

詳しい理由も聞かずに「値上がりしたから払いたくない」というのは、良くありません。

固定資産税の値上がりに納得できない時は理由を聞こう

固定資産税の値上がりに納得できない時は、その理由が気になるものです。

また、人の心理として、「どうしてこうなっているのかが分からない状態では、1円たりとも支払いたくない」というのもあります。

こうした場合には、遠慮せずにその理由を聞きましょう。

固定資産税の計算をしている地域の役所に問い合わせれば、答えてもらえるはずです。

納得いく説明をしてもらえるかは分かりませんが、多少は理解できる部分も出てくるのではないでしょうか。

ただし、その際は冷静に落ち着いて話すようにしましょう。

仮に、役所の評価ミスや計算ミスだったとしても、それは誰にでもあることです。

それを必要以上に責めてもどうにもなりません。

役所の計算ミスで税額が値上がりしていたのなら、正しい額に戻してもらえば良いのです。

一方、今まで計算ミスで安くなっていたのが今年から適正な税額になったのであれば、支払いに応じましょう。

また、固定資産税の値上がりについて、電話で聞ける場合もあれば、電話での問い合わせには個人情報保護の観点から応じていない場合もあります。

送られてきた固定資産税の納付書を持参して、直接役所の担当窓口まで行けるなら、そうするのが確実でしょう。

値上がりの理由を確認して、固定資産税の払い過ぎを防ごう!

固定資産税が値上がりしても、正当な理由があれば納得できるものです。

そして、多くの人は、値上がりの理由が分からなくても支払いに応じます。

しかし、それを「払い過ぎていた」としたらどうでしょうか。

役所の計算ミスで固定資産税を多く支払っていたと知ったら、気分の良いものではありませんよね。

近年、問題になっているのが、「固定資産税の過払い」の問題です。

もちろん、払い過ぎていたことが判明すれば減額修正されることもあります。

ですが一般的には、過払いに気づいた人が個別に還付請求して取り戻すことになるでしょう。

また、固定資産税に限らず、計算や入力などを人が行なう場合はどうしてもミスが起こります。

そして、ミスに気づかないまま時が流れてしまうことも多いので、自分が過払いに該当することも十分考えられます。

そのため、固定資産税の納税通知が届いたらすぐ、

・支払う額

・軽減措置がきちんと適用されているか(軽減措置がある場合)

を必ず確認しましょう。

税金を払わないのはいけませんが、言われるがまま払ってしまうのも危険です。

値上がりしている場合には、役所に問い合わせるなどして、その理由をきちんと探して下さい。

税金について正しい知識を持つことは、自分のお金を守ることにもつながります。

固定資産税が値上がりしたらその理由を調べよう!

今回は、固定資産税が急に値上がりした場合に考えられる理由について見てきました。

固定資産税は、「様々な理由で、値上がりすることがある」ということが分かりましたね。

そして、値上がりの明確な理由が分からない場合には、必ず説明を求めましょう。

また、税金については、人任せにせず、一度自分で計算するなどの当事者意識を持つことも大事ではないでしょうか。