家を新築したら、どのお宅でも行うのが固定資産税の家屋調査です。
家屋調査は、今後支払う固定資産税額を決定するための重要な調査です。
その家屋調査、家の中を見られたくないなどの理由で拒否することはできるのでしょうか。
ここでは、固定資産税の家屋調査の疑問をはじめ、固定資産税の他の疑問についても解説していきます。
固定資産税の家屋調査とは?
固定資産税に関する家屋調査は、家屋の価値を計算して、その家屋の評価額を算出するために行います。
固定資産税は、この家屋の評価額に税率をかけたものです。
固定資産税は、土地や家を持っていると必ず支払わなくてはならない税金です。
土地はもともとあるものなので調査することはありませんが、家は新たに建てるため評価額の調査が必要なのです。
何を調査するかと言いますと、どのような資材や設備を使っているのかということです。
例えば、資材であれば外壁はサイディングなのか、塗り壁なのか、タイルなのかなどということです。
設備であれば、キッチン、トイレ、洗面台についてや床暖房の有無などを調べます。
この調査は、市役所や役場の職員が実際に家に来て行います。
そのため、家はプライベートな空間なので、調査を拒否したいという方も多いことでしょう。
固定資産税の計算をするための家屋調査を拒否することはできるのでしょうか。
固定資産税の家屋調査は拒否できる?
先述したとおり、固定資産税の家屋調査は市役所や役場の職員が家まで来て行うものです。
そのため、知らない他人を家の中に入れたくないという方もいらっしゃることでしょう。
そこで疑問ですが、家屋を持っていると支払いの義務がある固定資産税の調査を拒否することは可能なのでしょうか。
結論から言うと、拒否することは可能です。
家屋調査の拒否をした場合は、下記のような対応で固定資産税額が計算されることになります。
・聞き取り
・図面で確認
・似ている建物評価を参考にする
しかし、家屋調査を拒否した場合は、実際に調査した場合の税額より高くなってしまう可能性が高いのです。
そのため、税額が上がるのが嫌だという方は、家屋調査を受け入れる方がいいでしょう。
それでも、家の中に他人を入れたくないけど税金が高くなるのも勘弁してほしいという方も多いですよね。
それでは、次項でその場合の対応方法について解説しましょう。
固定資産税の家屋調査を拒否しなくてもプライベートが守れる!?
「知らない他人に家の中を見られたくないから固定資産税の家屋調査を拒否したい、でも、税額が高くなるのも嫌」という方は、下記のような対応方法があります。
【引っ越す前に家屋調査してもらう】
引っ越し前であれば家の中にプライベートなものはなく、かつ、家屋をしっかりと見てもらうことができますよね。
一般的に、固定資産税の家屋調査の依頼は市役所や役場から直接手紙などで連絡がきます。
ですから、引っ越す前に家屋調査をしてほしいということを市役所や役場にお願いすることが大切です。
そうすると、日にちを調整して来てくれるでしょう。
【事前に入られたくない部屋を伝えておく】
例えば、「ウォークインクローゼットの中は入られたくない」「寝室は立ち入らないでほしい」などと、他人に入られたくない部屋に関しては事前に調査員に伝えるようにしましょう。
事前に伝えることで、部屋の中に入らないように対応してくれるかもしれません。
ただし、全部屋を見ないでというのは無理なので、その場合はやはり、引っ越し前に調査をしてもらうように手配しましょう。
固定資産税のいろいろな疑問解決!①
家を新築することは、ほとんどの人が初めてのことでしょう。
そのため、固定資産税に関してさまざまな疑問も多いものです。
固定資産税の支払いは拒否することはできず、誰もが支払わなくてはならない税金ですので、抱えている疑問はここで解決してしまいましょう。
まず、固定資産税の家屋調査は家屋自体をチェックするものですが、外構は固定資産税に関係してくるのでしょうか。
外構も家の一部ですから、外構が立派だと固定資産税が上乗せになってしまうのではないかという不安もありますよね。
しかし、外構は固定資産税の対象外なのです。
したがって、外構がいくら立派でも固定資産税が高くなることはありません。
ただし、車庫や物置があると、そのものによっては固定資産税の対象となってしまうことがあります。
固定資産税の対象になるものはどういうものかと言いますと、「屋根が付いていて、壁が3方向以上ついていること、そして、土地に定着していること」が条件となります。
例えば、物置であれば屋根が付いていて、壁が3方向以上付いているということは当たり前ですよね。
しかし、最後の「土地に定着していること」という部分がポイントになるのです。
「土地に定着していること」とは、建物が土地にしっかりと定着していて、移動が容易にできない状態のことを指しています。
つまり、物置の下にコンクリートブロックを置いて固定しておけば、固定資産税の対象とならないのです。
ただし、ここでコンクリートブロックの置き方に注意が必要です。
コンクリートブロックを隙間がないように敷き詰めてしまうと、土地に定着しているとみなされることになるのです。
そのため、コンクリートブロックを置く際には、物置の下四隅に置くように施工するようにしたほうがいいでしょう。
固定資産税のいろいろな疑問解決!②
ここ数年で新築されているお宅では、太陽光パネルをつけることも多くなっていますよね。
その太陽光パネルに対しては固定資産税はかかるのでしょうか。
それは、太陽光パネルの種類によって異なるのです。
太陽光パネルには主に「屋根置き型タイプ」と「屋根一体型タイプ」の二種類あります。
「屋根置き型タイプ」であれば建物の一部とはならずに、固定資産税の対象外となります。
しかし、「屋根一体型タイプ」のものであれば家屋調査で建物の一部とみなされてしまい、固定資産税の対象となってしまうのです。
固定資産税の対象とみなされてしまうと、固定資産税の支払いは拒否することはできないです。
そのため、太陽光パネルをつけようと検討されている方は、つける太陽光パネルがどのような種類のものなのかよくチェックするようにしましょう。
固定資産税の支払いを拒否するとどうなる?
土地や家屋を所有している場合、固定資産税の支払いは義務付けられています。
しかし、家屋調査のみならず、その支払い自体を拒否するとどうなるのでしょうか。
まず、固定資産税の支払いをせずにいると各自治体から督促状が送付されます。
督促状の内容は非常に厳しいもので、「期限内に支払わない場合、給与や資産を差し押さえます。」などという主旨のものが記入されているのです。
「給与や資産を差し押さえる」と書かれている書面が届けば、大体の人はそれに驚いて税金を納付することでしょう。
しかし、それをも無視して固定資産税の支払いを行わなかった場合は、実際に給与が差し押さえられてしまいます。
さらに、給与内で延滞金や滞納金を支払うことができなかった場合は、土地や家屋などの資産が差し押さえられてしまうのです。
そんなことになってしまうと、せっかく建てた家に住むことができなくなり、財産も失ってしまいます。
以上のことを考えると、固定資産税の支払いを拒否することは大変なことになりかねないので、決められた期限までに支払うべきということになりますね。
固定資産税支払いは義務!
固定資産税の家屋調査に関しては、納税額が高くなるかもしれないものの、拒否することは可能です。
しかし、固定資産税の支払いに関しては拒否をすると大変なことになりかねません。
土地や家屋などを所有している限り、固定資産税の支払いには義務が生じます。
必ず、決められた期限内に支払うようにしてくださいね。