アパート退去の立会いなしは危険?トラブルを未然に防ごう

アパートを退去する時は、立会いを行うことが一般的です。

立会いは退去の際にとても重要な事柄で、敷金を精算する上でも、しっかりと見届けなくてはなりません。

しかし不動産会社によっては、立会いなしで退去を行うように、契約者にすすめるところもあるようです。

今回は、アパートの退去に関してのお話や、立会いなしによって起こるトラブルなどについてもご紹介していきましょう。

アパート退去の立会いは具体的に何をするの?立会いなしは危険?

そもそも、アパートの立会いとは何を行うのでしょうか。

引っ越しが決まると、電気やガスなどの解約手続きをするとともに、現在住んでいるアパートの退去手続きも行わなければなりません。

退去の立会いは、基本的にアパートを明け渡す当日に行われます。

国土交通省が定めた「退去時の原状回復に関するガイドライン」に基づき、床や壁、付帯設備に傷や汚れがないかを細かくチェックしていきます。

そのため、引っ越し後に新居に荷物を運び終えて、部屋に何もない状態で行われることが一般的です。

かかる時間は小1時間程度で、早ければ20分くらいで終了することもあるようです。

不動産会社の担当と借主で、壁や床にある傷や汚れを見て、もとからあったものなのか、借主の過失でできたものなのかなどを話し合います。

双方にとって室内の状態を、納得しながら共有していくことで、しっかりと敷金の清算ができるようになるのです。

敷金がないアパートの場合は、修繕費がすべて借主の負担となってしまうため、より注意が必要となります。

そのため、立会いなしで退去を行うと、のちのちトラブルに繋がりやすいです。

これについては、のちほどくわしくご説明していきます。

アパート退去の立会いに必要なものはある?

アパートの退去の立会いは、正しく敷金を清算するための重要な事柄だということが分かりました。

では、立会いの際に必要なものは何かあるのでしょうか。

退去の立会いには、特にこれといって必要なものはありません。

しかし、もしアパート入居当時に撮影した部屋の写真があれば、用意しておきましょう。

というのも、新築以外のアパートの場合、前の住人がつけた小さな傷や汚れが、床や壁に残っていることがあります。

その傷や汚れをつけたのが自分ではないという証明のために、日付入りの写真を前もって撮影しておくのです。

今回用意できない方は、引っ越し先のアパートでは、証拠用に部屋を撮影しておくことをおすすめします。

退去の際に担当者に問われても、自信を持って説明することができるでしょう。

また、クリーニング代を事前に支払ってあるアパートであっても、退去の立会い前は、部屋の掃除を行っておくことをおすすめします。

部屋全体のイメージが良くなり、場合によっては負担費用を割り引いてくれる不動産会社もあるようです。

次に、退去の立会いなしの場合のトラブルを見ていきましょう。

アパート退去の立会いなしがトラブルになりやすい理由

一般的に、どのアパートも退去の立会いは行うものです。

しかし、不動産会社によっては、立会いなしで退去をすすめるところもあるのです。

先ほども少しお話ししましたが、退去の立会いをしないと、のちのち大きなトラブルへと発展しかねません。

正当なチェックを行い、正しい請求を行う不動産会社が存在する一方、多額の修繕費用を請求する悪徳な不動産会社も存在します。

10万円を超えるような請求をしてくる会社も、ないとは言い切れません。

多額の修繕費用を請求されても、立会いなしで退去した場合は、反論がしづらいのです。

よほどの理由がない限り、退去には必ず立ち会いましょう。

また、都合が悪く、代理人に立会いを任せることも控えた方が良いでしょう。

代理人は借主ではないため、不動産会社に傷や汚れについて指摘された際の反論ができません。

さらに立会いの確認サインを代理人がしてしまうことから、退去後にクレームを入れても、書類がそろってしまっているため、決定事項を覆すのは難しいでしょう。

アパートの退去の立会い前に知っておくこと

アパート退去の立会いなしの場合、修繕費用をめぐるトラブルに巻き込まれやすいということが分かりました。

では、アパート退去の立会いをする前に、知っておいた方が良いことは何かあるのでしょうか。

それは、「部屋の汚れや傷がすべて借主負担になるわけではない」という点です。

壁紙や床、付帯設備は、経年劣化により汚れたり壊れたりするものです。

借主が故意に汚したり壊したもの以外の自然の劣化に関しては、修繕費用は貸主負担となります。

また、普通に生活していてできるレベルの傷や汚れもここに含まれます。

例えば、家具を置いてできた床の傷や、時計やカレンダーを設置するための、壁の小さな穴などに関してです。

しかし、家具には脚の裏に傷つき防止のクッション、時計やカレンダーは穴が目立ちにくいピンを使用するなどの配慮も必要となるでしょう。

これらの事柄は、知っておくと退去の際に有利に事を進められることに繋がります。

アパート退去の際は壁紙の貼り替えに注意!

アパートの退去の立会いで、特に注意していただきたいポイントに「壁紙の貼り換え」があげられます。

というのも、壁紙の一部が汚れていたり、少し剥がれていただけなのに、壁全面の貼り替えの費用を請求されるケースがあるのです。

これは、立会いなしの場合だけでなく、立会いありの場合も十分に考えられる事柄です。

通常、壁紙の貼り換え費用は敷金から支払われるため、借主に直接請求はないと考えられます。

しかし、敷金を上回る請求金額の場合は、追加で修繕費用を支払わなければなりません。

もし、立会いの際に「壁紙を貼り替える」という旨の話が担当者から出たら、どの部分をどのらい貼り替えるのか、具体的な話を聞くようにしましょう。

退去立会いなしの場合!明細書を必ずもらおう

アパート退去の立会いなしの不動産会社の場合、修繕費用の請求金額や敷金精算は不透明です。

この時、必ず明細書や内訳書をもらうようにしてください。

また、明細書を請求する場合は、「拾いと単価を明記、一式は不可」と一筆付け加えることをおすすめします。

上記の「拾い」とは、リフォームの対象面積のことをいいます。

「単価」は、材料や工事費用のことをいいます。

すなわち、拾いと単価を足した金額が、工事費ということになるのです。

ここでいう「一式」とは、不動産会社のメリットのことを指します。

提示金額の際に一式と書かれている場合は、不動産会社の利益がプラスされていることがとても多いのです。

通常、退去の修繕費用に利益を出してはいけませんよね。

もちろん、退去立会いなしの不動産会社が、すべて一式として利益を上乗せしているわけではありません。

しかし、明細書や内訳書を請求して、きちんと確認することをおすすめします。

引っ越しは新しいスタートとなりますので、良い気分で新生活を迎えられるようにしましょう。

アパート退去の立会いは必ず行おう

アパートの退去の際には、立会いを行うことが一般的です。

そこで壁紙や床の、傷や汚れのチェックをするため、敷金の正しい清算が行えます。

中には立会いなしをすすめる不動産会社もありますが、のちのち大きなトラブルになる可能性があります。

そのため、都合が悪くても必ず借主が退去の立会いに出向きましょう。