冬になると、「家が寒い」と感じることはないでしょうか。
木造の家に住んでいる方からはこのような声が多く上がっています。
一体なぜ、寒くなってしまうのでしょうか。
その原因と簡単に行うことのできる対策について見ていきましょう。
木造の家で暖房をつけているのに寒い!一体どうして?
木造の家で冬を迎えると、とても寒い思いをしているという声を耳にすることがあります。
その原因としてまず考えられるのは、「窓」です。
窓は、断熱材などを使って作られている壁とは異なり、ガラスのみで内外を隔てています。
そのため、部屋の暖かい空気が逃げてしまいやすいのです。
部屋の暖かい空気の約58%は窓から逃げていくと言われています。
そのため、木造の家に住んでいて寒さを感じたときには、まず窓に寒さ対策を施す必要があると言えます。
また、日本の窓は、世界的に見るとまだまだ性能が低いということも寒さの原因として考えられます。
それは、日本では窓サッシはアルミニウムが使われることが一般的なためです。
断熱性の高い窓サッシと言われているのはアルミニウムではなく、樹脂サッシです。
と言うのも、アルミニウムは熱を通しやすい性質があります。
このことから、窓にアルミニウム製の窓サッシを使うと、部屋の暖かい空気は外に逃げて行ってしまうのです。
では、この寒さを改善させるためには、どのような方法がとれるのでしょうか。
次項からご説明していきます。
木造の家の窓を一工夫!寒い思いはもうしない!
木造の家では、窓から部屋の暖かい空気が逃げて行っているということをご説明しましたが、寒い思いを少しでも少なくする方法はたくさんあります。
まず、窓に取り付けることの多いカーテンを見ていきましょう。
近年ではカーテンと一口に言っても、様々な機能が備わったものが販売されています。
その中には、保温効果の高いものもあります。
このような断熱性のあるカーテンは、ランク分けがされています。
【断熱性カーテンのランク】
・SAランク…保温率約30%で断熱性の高いカーテンの中では最も効果が期待できます。
・Aランク…保温率約20%で比較的効果が高いです。
・Bランク…保温率約15%で中程度の効果が期待できます。
・Cランク…保温率15%以下で効果は高くありません。
一般的に販売されている断熱性の高いカーテンは、このようなランクがあります。
また、このような断熱性の高いカーテンでなくても、一般的なカーテンに裏地を付けることや厚手のカーテンを付けることでも効果を期待することができます。
木造の家のカーテンは使い方次第で寒い思いをしなくてすむ!
ご紹介してきたように、カーテンには断熱性の高いカーテンというものが販売されています。
そのため、木造の家にお住まいで「寒い」と感じる方は、窓にこのようなカーテンに付け替えてみてもいいでしょう。
しかし、この他の方法でも寒さ対策を行うことが可能です。
どのような方法があるのかについてご紹介していきましょう。
●カーテンのサイズを大きくする
カーテンのを床につくくらいの長さにして取り付けることで、寒さ対策をすることができます。
このようにすることで、窓から冷気が部屋に入ってくることを防ぐことができます。
この方法は、掃出し窓以外にも腰高窓でも行うことが可能です。
●カーテンレールの位置を変える
カーテンレールは窓枠に近い壁につけることが多いのではないでしょうか。
このようにすると、窓の上部分に隙間ができてしまうことが多いです。
そのため、カーテンレールを天井に近い部分に取り付けたり、カーテンボックスを取り付けるといった方法が有効な手段となります。
このようにすることで、カーテンの上部分に隙間がなくなり、暖かく快適に過ごすことができるようになります。
他にもある!カーテンを工夫することで木造の家でもあったかい!
木造の家のカーテンは、他にも工夫することができます。
●暖色系のカーテンを使う
多くの方がご存知のことかとは思いますが、色には「暖色系」と「寒色系」の2種類があります。
文字通り、暖色系は暖かみのある色で、寒色系は冷たい印象を与える色です。
「カーテンの色を変えるだけで寒い部屋が暖かくなるわけない」と考えてしまう方は多いでしょう。
確かに、部屋の温度自体が上がるということはありませんが、心理的な体感温度は、暖色系のカーテンのほうが、寒色系と比べて約3℃ほど高くなると言われています。
●スクリーンを使う
近年、ハニカムスクリーンというものが販売されていることをご存知でしょうか。
これは、蜂の巣のような立体的な形をしたスクリーンで、空気の層を作ることができます。
空気の層を作ることで、高い断熱性を期待することができます。
一般的なカーテンと異なり、ブラインドのように上げ下げをして使います。
見た目もおしゃれということで、部屋につける方が増えてきています。
●日が暮れる前にカーテンを閉める
冬の寒い時期でも日中、部屋に日光が差し込んでいる間は比較的暖かいですよね。
そのため、日が暮れる前にカーテンを閉めてしまうことで、日光によって暖かくなった空気を逃がさないようにすることができます。
窓用ヒーターで木造の家の中を暖かくする
木造の家に住んでいて「部屋を暖かくしよう」と考えたとき、おそらく多くの方は暖房を使うのではないでしょうか。
先ほどもお伝えしたように、部屋をいくら暖めても、窓からその空気が逃げていってしまいます。
そこで、できる限り寒い思いをしないために「窓用ヒーター」を使うことをおすすめします。
窓用ヒーターは、窓際に置いて使うことができ、外の冷気から部屋を守るだけでなく、冬に窓に発生しやすい結露も防止することができます。
部屋を暖めるほどの効果は期待できませんが、他の暖房器具の補助として使うことで、効果が高まるでしょう。
デメリットとしては、窓用ヒーターの価格が約12,000~30,000円と高く、電気代もかかってしまうことがあげられます。
他にも、運転し始めるまでに時間がかかることや、窓近くにコンセントがないと使えないということも留意しておく必要があるでしょう。
木造の家の窓を二重窓にする
ここまでご紹介してきた方法は、比較的手軽に行える方法でした。
これからご紹介する方法は、DIYをすることも可能ですが、多くの場合、工事を必要とする方法となります。
一体どのようなものかというと「窓を二重窓にする」というものです。
この方法は木造の家で寒い思いをしなくてもいいだけでなく、夏に使う冷房の効果を高めてくれます。
つまり、1年を通して省エネ効果を期待することができるのです。
二重窓にすることで、寒さ対策の他に以下のようなメリットを得ることができます。
・防犯性が高まる
・気密性が上がるため、防音効果が期待できる
・結露対策になる
寒さ対策の他に、このような効果が期待できるのは嬉しいですよね。
しかし、窓を開ける際に手間がかかることや掃除が大変になるなどの面もあります。
自分で二重窓にDIYをする際には、ポリカーボネートなどを使うことになります。
取り付けるには少々苦労するかもしれませんが、工事をせずに済むので、その分費用はかからないでしょう。
木造の家での寒さ対策は窓から行おう
木造の家で寒い思いをしてしまう原因の多くには、窓があげられます。
窓からの冷たい空気を遮ることで、寒く感じることが少なくなるでしょう。
窓に対策を行ってもまだ寒さを感じる場合には、その他の部分でも断熱性が十分でない可能性があります。
そのような場合には、専門家に相談してみることをおすすめします。