住宅の外壁というと、どのようなことを思い浮かべるでしょうか。
近年では様々な種類の外壁があるため、人によって思い浮かべる外壁が異なるでしょう。
そもそも、外壁にはどのような役割があるのでしょうか。
そこで当記事では、鉄骨造の住宅などに使われることのある外壁の種類やメリット・デメリットなどについて、ご紹介していきます。
鉄骨造の住宅などに使う外壁の役割とは
鉄骨造の住宅や木造の住宅など、住宅の種類にかかわらず、外壁は必ず作られます。
ではそもそも、外壁にはどのような役割があるのでしょうか。
外壁には大きく3つの役割があります。
①美観
まずは何と言っても住宅の見た目です。
外壁にはたくさんの種類があり、それによって住宅の見た目をきれいにすることがあげらます。
②機能性
外壁には、種類にもよりますが、太陽からの熱を遮る効果や、外壁の汚れが落ちやすくする効果のあるものがあります。
③住宅の保護
最も重要な役割と言っても過言ではないでしょう。
住宅は常に厳しい自然環境にさらされています。
そのため、外壁はそれらから住宅を守る役割があるのです。
では、そんな役割がある外壁には、どのような種類があるのでしょうか。
数ある外壁の種類から5つを次項からご紹介していきます。
鉄骨造の住宅の外壁に使われることもある種類「サイディングボード」
鉄骨造などの住宅の外壁に使われる種類の中でもで最もポピュラーなのが「サイディングボード」です。
「サイディングボード」といっても種類は様々で、具体的には以下のようなものがあげられます。
・窯業系サイディング
・金属系サイディング
・セラミック系サイディング
・樹脂系サイディング
・木質系サイディング
このように種類が豊富にあることから、理想とする外壁にすることが可能にしやすいです。
また、どのサイディングボードも耐久性が高いことが共通しています。
サイディングボードの耐久性は比較的高く、約40年と言われています。
しかし、メンテナンスをしなくてもこの期間耐久性が保てるというわけではなく、約10~15年ごとに塗装をし直さなければなりません。
サイディングボードを外壁に採用する際に忘れてはならないのが「サイディングボードのトラブル」です。
サイディングボードは、目地が劣化してしまうことを始め、以下のようなトラブルが起きてしまうことがあります。
・日光による変色、色あせ
・チョーキング(塗装面が白い粉を噴く)
・サイディングボードが反り変えるなどの変形
・浸水トラブル(変形、ひび、腐食など)
このようなことを避けるためにも、メンテナンスを行うことが大切になってきます。
鉄骨造住宅以外の種類の外壁に!「モルタル外壁」
「モルタル外壁」というものを聞いたことがあるでしょうか。
モルタルは、水・セメント・砂を混ぜ合わせて作ったものです。
外壁以外にDIYをする際に使われることもあります。
住宅の外壁に使う場合には、金属の網などの上からモルタルを塗っていきます。
モルタルを使っているので、外壁に問題があった際には、補修・修復が容易に行えます。
鉄骨造などといった種類の住宅よりも、木造住宅の外壁に使われることが多いです。
先ほどご紹介したサイディングボードが広く使われるようになる前は、モルタル外壁が主流でした。
そんなモルタル外壁ですが、左官作業で作られるため、様々なデザインの外壁を作ることができます。
外壁にR壁と呼ばれる、アーチのような形をしたデザインの出入口を作りたいときもモルタル外壁であれば、問題なく作ることができます。
また、サイディングボードのようにつなぎ目がないため、新築時にはとてもおしゃれに見えるでしょう。
しかし、モルタル外壁はひび割れなどの劣化が起きやすく、汚れが目立ちやすくなっていきます。
このことから、モルタルがかけてしまうことや、腐食してしまうことが考えられます。
このようなことを防ぐために、メンテナンスは10年ごとに行うことをおすすめします。
日本で人気な種類の外壁!「ガルバリウム鋼板」
ガルバリウム鋼板という種類の外壁は、鉄板にアルミニウムなどを使用したアルミ亜鉛メッキ鋼板です。
耐久性が高く、熱反射性もあるため、長持ちして特に夏には、住宅の中の温度が上がりにくいことが特徴としてあげられます。
また、耐震性や耐火性が高いこともあげられます。
いいことばかりのようにも感じてしまいますが、デメリットもあります。
ガルバリウム鋼板は、傷がついてしまうと、サビてしまうことがあります。
しかし、これは大きな傷がついてしまった場合についてで、小さな傷の場合には、特に心配はありません。
メンテナンスは10~15年に一度、再塗装をする必要があります。
ちなみに、このガルバリウム鋼板はアメリカ生まれですが、人気が高いのは世界的に見ても日本くらいです。
と言うのも、ガルバリウム鋼板は日本の建築基準法の耐火基準に最も適しているからです。
また、日本は地震大国と言われることもあります。
鉄骨造や木造の住宅に、ガルバリウム鋼板のように軽い外壁を使うことで、地震が発生した際に、建物の歪みなどに対応し、住宅が崩れにくいということも理由の1つとしてあげることができます。
鉄骨造の住宅におすすめの種類!「磁器タイル」の外壁
鉄骨造の住宅におすすめな種類の外壁といえば磁器タイルの外壁です。
この磁器タイルの外壁は、大手ハウスメーカーでも採用されています。
磁器タイル自体が重たいため、木造の住宅では使われることはほとんどありません。
磁器タイルは、粘土やろう石などを使って作られていて、コストは高いですが、とても丈夫なことが特徴です。
傷に強く、釘などでひっかいたとしても傷ついてしまうことはありません。
また、他の外壁には定期的なメンテナンスが必要でしたが、磁器タイルの場合ではそれを必要としません。
行うことといえば、タイルが破損してしまっている場合に修繕を行うことや、汚れが気になったら高圧洗浄機などできれいにするといったことでしょう。
しかし、タイルは丈夫でも、目地は劣化してしまう可能性があります。
目地が劣化してしまうと、磁器タイルが落下し危険な状況となりえます。
このようなことにならないためにも、目地にどのようなものを使っていいるかをあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
外壁をおしゃれに!「レンガ」
「新築の住宅はおしゃれにしたい」と多くの方が考えるのではないでしょうか。
そこでレンガを外壁に使うのはいかがでしょう。
レンガは、これまでご紹介してきたような外壁の種類とは異なり、木造の住宅や鉄骨造の住宅の化粧仕上げとして使われることの多い種類になります。
そのため、価格は割高になってしまうことが考えられますが、見た目はとても華やかになります。
住宅の全面に使うこともできますが、外壁の一部に使うだけでもおしゃれになります。
レンガを外壁に使う場合には、敷地面積のことを頭に入れておくことをおすすめします。
と言うのも、レンガを外壁に使うと、その分厚みが出てしまうためです。
敷地面積が小さいと、居住面積に影響が出てしまうことがあります。
外壁はメンテナンスのことを考えながら選ぼう
ご紹介してきたように、一口に「外壁」と言っても様々なものがあります。
つまり、それだけ選ぶ幅が広いということです。
その価格も高い物からお手頃なものまで様々です。
どのような外壁にしたらいいかを悩んだ際には、値段を基準にするのではなく、メンテナンスの手間やコストに着目して選んでみてください。