近年、空き家の増加が問題になっていますが、空き家の管理は相続人の悩みですよね。
空き家であっても、その固定資産税は毎年かかります。
そして、かなりの額になることもあるため、それを未納にしてしまう人もいるようです。
しかし、固定資産税を未納のままにしておくと、延滞金もかかってしまいます。
今回は、空き家の固定資産税について、未納になっていないかの確認方法や未納が分かった場合の対処方法をお伝えします。
家の固定資産税がいくらなのかを確認するには
「空き家にも固定資産税がかかる」ということは、皆さんもよくご存知だと思います。
しかし、まずは、家の固定資産税についてご説明していきます。
家に固定資産税がかかる理由ですが、それは「土地の上に家がある」からです。
家があれば、当然、その家の所有者がいるわけなので、所有者に課税されます。
家を持っているだけで課税されるのは、納得しにくい気もしますが、固定資産税として納めた税金が、家の近くの道路や水道管の整備などに使われます。
生活を維持していくために必要な、とても重要な税金なのです。
そのため、こうして課税されている以上は、未納にせず、きちんと納めることが重要です。
では、家の固定資産税がいくらなのかを確認するには、どうしたら良いのでしょうか。
家の固定資産税がいくらかは、地域や築年数などによっても異なりますが、納付通知書を見れば確認することができます。
一方、空き家の固定資産税を確認したい場合には、
・空き家の所有者(親など)に聞いておく
・役所に行って聞いてみる
などの方法がありますよ。
空き家がある場合には、その分が未納になっていないかを併せて確認しておくと良いでしょう。
家の固定資産税が未納になるケースには、空き家が多い!
冒頭でもお伝えしましたが、近年問題となっているのが、空き家の増加です。
しかし、土地の上に建っている以上は、空き家にも固定資産税がかかっています。
誰も住んでいない家でも、誰か所有者がいるので、通常は、空き家の所有者に固定資産税の納付通知書が届きます。
また、空き家の所有者が亡くなった場合でも、それを相続した人がいれば、相続人に固定資産税の納付通知書が届き、相続人がその空き家の固定資産税を納付することになります。
この場合、仮に、相続手続きが完了していなくても、役所から「相続人である」と認識されれば、その人宛てに空き家の固定資産税の納付書が届きます。
そのため、通知が来た時にきちんと納付すれば、空き家の固定資産税が未納になることはありません。
とはいえ、「その空き家は自分のものではない」という認識があると、空き家の税金を納めることに抵抗感が生まれます。
固定資産税を納付すべき人が納付しない場合、他に相続人がいれば、今度はその人に通知書が届きます。
しかし、他の相続人も「これを納付すべきなのは自分ではない」という認識で放置すれば、結果的に未納になってしまいます。
そのため、兄弟・姉妹がいる場合には、「誰が空き家を相続するのか」を一度きちんと話し合い、しっかり確認しておくことが重要です。
空き家の固定資産税が高いと感じたら、役所に確認しよう!
空き家であっても、所有者か相続人が固定資産税を納めなければならないのはお伝えした通りですが、税金を納める気があっても、やはりその額は負担になるものです。
納税通知書が届いたら、納める前に、その額を必ず確認するようにしましょう。
固定資産税は、3年に一度「評価替え」があるので、前年までと比べて税額が高くなったり、安くなったりする可能性があります。
しかし、「なぜか急に、今までより明らかに高くなっている」場合があります。
その場合、役所が「特定空き家」に指定した可能性があるので、まず、役所に確認しましょう。
「とても納められないから」といって、黙って未納にしてはいけません。
この「特定空き家」とは、「倒壊の危険のある空き家や不衛生な空き家」のことで、この指定をされてしまうと、「固定資産税が6倍にまで上がる」などといわれています。
なぜ固定資産税がそれほど上がるのかというと、「特定空き家」は、取り壊しを進めるための制度だからです。
「取り壊しが必要だ」と判断されるほど傷みがひどい状態の空き家がこれに指定され、そのままにしておくと、納税額もかなり高くなります。
そこまで荒れていなければすぐに指定されることはありませんが、もし「特定空き家」に指定されたら、空き家の取り壊しを検討しましょう。
放置しても代執行で取り壊され、その費用は所有者や相続人に請求されるので注意が必要です。
空き家の固定資産税が未納のままだとどうなる?
「特定空き家」の制度ができるほど、空き家は荒れたまま放置されがちで、その固定資産税も未納になりがちです。
では、空き家の固定資産税を未納のままにしていたらどうなるのか見てみましょう。
その場合は、様々なペナルティーが科せられます。
まず、延滞金が発生します。
固定資産税の延滞金は、「税額×利率×延滞日数÷365」の計算式で出すことができます。
つまり、固定資産税の支払い期限を過ぎても未納していた場合、それに気づくのが遅れ、支払いが遅れるほど、支払う延滞金の額も増えていくのです。
しかし、それでも納めることが重要です。
期限を過ぎて20日以上、固定資産税の納付がないことを役所が確認した場合は、法律に従って、家の差し押さえの手続きが開始されます。
最初に、督促状が送られてきます。
その後10日以内に未納分の固定資産税が納付されないと、今度は、催告書が届きます。
催告書は、督促状よりも強制力のあるものなので、これをもって最終勧告とされることが多いです。
それも無視していると、財産調査で給与や預貯金はもちろん、不動産や株式、家財、高価なもの(貴金属やブランド品など)がないかの確認を受けることになります。
こうしたものが見つかれば、未納分の納税に充てるために没収され、それでも未納分の固定資産税が払いきれない場合には、空き家自体が差し押さえられてしまいます。
空き家の固定資産税が未納かどうかを確認する方法は?
空き家の固定資産税が未納になる原因と、未納が続いた場合どうなるのかは前述のとおりです。
固定資産税の未納が続けば、空き家を差し押さえられる可能性があります。
自分が空き家の相続人であれば、その固定資産税の納付通知書が届いた時にきちんと納めれば良いだけなので、「未納を知らず高額になっていた」という事態にはなりにくいです。
しかし、相続人となりうる人が複数いる場合には、行政側が選んだ相続人のところに通知書が届くので、自分のところに通知書が来る場合もあれば、来ない場合もあります。
通知書が来ないと「ラッキー」と思いがちですが、固定資産税がきちんと納められているのかどうかは分かりにくくなります。
他の相続人が未納にしていたために、空き家を差し押さえられる事態になるのは避けたいところですよね。
そうしたことになっていないかどうかを確認したい時は、やはり、通知書が届いていると思われる相続人に聞くのが早いです。
・誰のところに、空き家の分の固定資産税納付通知書が届いているのか
・毎年期日までにきちんと納めてくれているのか
をしっかり確認しておきましょう。
確認しておけば、空き家の固定資産税が未納になっていたとしても、早い段階でそれに気づけるかもしれません。
空き家の相続人が複数いる場合には、他の相続人ともコミュニケーションを取るようにしましょう。
空き家の固定資産税の未納が分かったら
では、最後に、空き家の固定資産税が未納になっていることが分かった場合の対処法をお伝えしておきます。
まずは、未納となっている額を確認しましょう。
いくらの未納(プラス延滞金など)があるのかをはっきりさせることが先決です。
そして、それが払える金額であるならば、それ以上の額になる前に、支払ってしまいましょう。
もし、その時点でかなりの額になっていて、支払うことが困難である場合には、税金に詳しい弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
一度、役所に行くこともおすすめです。
なぜなら、そこで解決につながる情報が分かることもあるからです。
例えば、延滞している固定資産税を分割で納める方法を教えてもらえることがあります。
もしかしたら、税制が変わり、減免の対象になっていることがあるかもしれません。
また、過去の税額を調べた際に、新しい税率や減免措置の適用がされていなかったことが分かる場合もあります。
税額の確認や現状把握のためにも、役所に相談に行くのが早いです。
固定資産税が未納だと、相談に行きにくいかもしれませんが、あまり考えすぎず、足を運んでみて下さい。
空き家の固定資産税は滞納にしないようにしよう!
今回は、空き家の固定資産税についてお伝えしました。
空き家にも固定資産税がかかるので、きちんと納税する必要があります。
また、払いたくないからといって未納にしておくと、空き家を差し押さえられる可能性も出てきます。
空き家の固定資産税を未納にしないことは大前提ですが、未納が分かっても慌てることはありません。
まずは、役所や専門家に相談し、問題を解決する方法を探していきましょう。