投資信託は、投資家から資金を集めて、専門家がまとめて運用する金融商品です。
少額から始められ、プロが運用をしてくれるので、投資信託は投資初心者にもおすすめです。
そんな投資信託ですが、購入や解約の際には様々な手数料やそれにまつわる消費税などの費用がかかってきます。
投資信託に関する手数料や税金についてみていきましょう。
そもそも投資信託とはどんな商品なのか
まずは、投資信託とはどんな金融商品であるのかというところからみていきましょう。
投資信託とは、投資家が委託会社にお金を託し、運用のプロであるファンドマネージャーが投資家の代わりに運用をするという商品です。
投資先の対象は多く、株式・公社債・不動産などがあります。
投資先が多いということは、リスクを分散出来るという側面があります。
リスクが分散されている上に、プロが運用をしますので、比較的ローリスクな金融商品といえます。
とはいえ、元本の保証はありませんので注意してください。
また、1万円程度から始めることが出来るので、手軽に投資が出来るというのも魅力の一つです。
銀行預金の利息が無いに等しい今、銀行預金の代わりにと投資信託を始める方もいるようです。
そんな少額から始められる投資信託ですが投資するにあたり、さまざまな手数料や手数料に伴う消費税をはじめとする税金がかかってきます。
加えて、投資信託を換金するときは「解約請求」または「買取請求」をすることとなりますが、その場合にも手数料がかかる場合があります。
投資信託を始める前には、諸々の費用がかかってくるということをあらかじめ頭に入れておきましょう。
投資信託の購入には消費税を含む手数料がかかる
では、実際に投資信託を購入するとなった場合、どんな費用が必要となってくるのでしょうか。
投資信託を購入から解約などで換金するまでにかかる費用を、場面ごとにみていきましょう。
まずは、投資信託を購入するときです。
投資信託を購入する際にかかる費用は「購入手数料」です。
これは、「申込手数料」と呼ばれることもあります。
この購入手数料は購入するファンドや、購入する金額によってかかる手数料が変わってきます。
購入手数料は無料のものから、購入金額の4パーセント近くかかるものもあり、ファンドによって幅広く設定されています。
中でも購入手数料が無料のファンドは「ノーロードファンド」と呼ばれています。
また、購入手数料がかかる場合には、別途消費税相当額も必要となってきます。
例えば、投資金額が10万円で、購入手数料が3パーセント(消費税を入れると3.24パーセント)だった場合、購入手数料は3,240円ですね。
購入手数料とは、投資する金額とは別に払うものなので、この場合必要な金額は、103,240円となるのです。
投資信託を解約するには消費税を含む手数料が必要な場合も
投資信託を購入する際に、購入手数料がかかることは知っている方も多いのではないでしょうか。
投資信託はかかる手数料が高い金融商品ですので、出来るだけ手数料は安く抑えたいと考えますよね。
そんなときに魅力的に見えてくるのが、購入手数料が無料という投資信託です。
高い手数料が必要ないのであれば、とてもお得な印象を受けますね。
しかし、購入手数料が無料の投資信託は、解約するときに手数料がかかる場合があるのです。
解約の際に手数料がかかる場合には、その手数料に対して消費税もかかることとなります。
購入の際に手数料がかからないという理由で飛びつかずに、解約時の手数料がどのくらいかかるのかを把握してから投資信託を購入するようにしましょう。
また、投資信託を途中解約する場合には、「信託財産留保額」を支払わなければなりません。
これは、途中解約した場合のペナルティ的要素のある手数料のようなものです。
投資信託を途中解約した場合、委託会社は解約した人にお金を払うために、運用している株や債券の一部を売却することとなります。
そうすると、運用のポートフォリオのバランスが崩れるため、運用会社の手間がかかるのです。
その手間賃として、投資信託を途中解約する人は信託財産留保額というを支払うのです。
ただし、信託財産留保額に関しては手数料ではないので消費税はかかりません。
なぜ購入手数料・解約手数料には消費税がかかるのか
ここまで、投資信託にかかる手数料についてみてきました。
信託財産留保額は手数料ではないので、消費税はかかりません。
しかし、購入手数料と解約手数料に関しては、手数料そのものに加えて手数料に消費税がかかってきます。
どうして手数料に関しては「消費税」がかかるのでしょうか。
消費税というと、モノを買ったときに支払う税金というイメージがありますよね。
ですが、消費税はモノの購入だけでなく、モノの貸付やサービスの提供まで幅広く課税されます。
物品の売買のみならず、サービスを消費することも消費税の課税対象なのです。
日本における消費税の制度は、福祉・医療・公教育などを除いた、消費活動の全般が消費税の課税対象となっています。
そのため、銀行や証券会社などのサービスにも消費税がかかるのです。
解約請求と買取請求の違いはある?
投資信託を購入・解約する際には、手数料に加えて消費税を払わなければならない場合もあるということがお分かりいただけたと思います。
投資信託を途中で解約してしまった場合には、信託財産留保額も支払わなければなりませんので注意が必要ですね。
そんな投資信託の換金についてですが、「解約請求」と「買取請求」の2種類の方法があります。
「解約請求」は証券会社をはじめとする販売会社を通じて、委託会社に信託財産のうち一部の解約を請求します。
一方、「買取請求」は、証券会社をはじめとする販売会社に受益証券の買取りを請求します。
この2つの方法ですが、個人の投資家の場合、どちらを選択しても税制上の違いはありません。
そのため、「解約請求」という選択肢しか示していない販売会社もあります。
個人の場合には、どちらを選択しても同じですが、法人の場合には違いがありますので注意が必要です。
購入手数料・解約手数料の他に信託報酬もかかる
投資信託に投資する際に必要な費用は、購入するとき・解約するときだけではありません。
投資信託を購入し、保有しているだけでも費用がかかります。
それが「信託報酬」です。
近頃では、信託報酬ではなく「運用管理費用」と呼ぶことも多くなってきています。
信託報酬とは、投資信託を持ち続けている間は払う必要のあるもので、投資信託の利用料のようなものです。
販売会社・委託会社・信託銀行のそれぞれに分割して支払われます。
信託報酬は、投資信託の純資産総額対して一定の割合の金額となっています。
多くの場合、年0.5パーセントから2パーセント程度に消費税がプラスされます。
この信託報酬を安く抑えることが、投資信託で利益をだすにあたり重要なポイントです。
信託報酬を抑えたい場合には「インデックス型」の投資信託がおすすめです。
インデックス型投資信託は、日経平均株価や東証株式指数をはじめとする「指数」に連動するタイプの投資信託です。
インデックス型投資信託は、信託報酬が0.5パーセント程度のものが多いです。
投資信託が初めてという方は、このインデックス型投資信託から始めてみてはいかがでしょうか。
投資信託はかかる費用が多い
投資信託にかかる費用についてみてきましたが、多くの費用がかかりますね。
さまざまな種類のある投資のなかでも、投資信託はかかる費用が多く、利益がたくさんでるという投資ではありません。
少ない投資で大きな利益をだしたいと考えている方には向かないでしょう。
分散投資でリスクを減らしたいという方などにおすすめです。