新築で住宅を購入すると、「家屋調査」というものが行われるのはご存知でしょうか。
一度は耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
この家屋調査は、一体何のために行われるのでしょうか。
また、新築の住宅が引き渡されてから、いつごろに来るものなのでしょうか。
当記事では、これらのことについてご説明してしていきます。
新築物件ではいつやるの?「家屋調査」とは?
家屋調査がいつ来るのかお話しする前に、まずは「家屋調査」が一体何なのかについてご説明していきます。
新築住宅の引き渡しが済んでしばらく経つと、「家屋調査に伺いたい」などといった連絡がきます。
家屋調査は、固定資産税の計算を行うために必要な、「評価額」を決めるための調査です。
つまりは、支払う税金の金額を決めるための調査ということですね。
固定資産税を計算する上で必要になる「評価額」は、新築住宅で使われている資材・設備を見て決められます。
具体的な例を挙げると、以下のようなものを見るということです。
・躯体(木造・鉄骨造など、建物の構造部材)
・外壁の構造や材料
・屋根の構造や材料
・内壁の構造
・天井(クロス・ボード)
・床(フローリング、畳など)
この他にも、住宅に使われている設備や住宅の基礎、窓などの建具などを見てまわります。
新築住宅の引き渡し後に家屋調査はいつ来るの?
家屋調査がどのようなものなのかは、おわかりいただけたかと思います。
では、新築住宅の引き渡しが済んでから、いつごろこの調査が行われるのでしょうか。
実は、この家屋調査は「いつ来ます!」とは言い切れません。
というのも、この家屋調査は自治体ごとに行われており、新築住宅のある自治体によって行われる時期に違いがあるのです。
多くの場合では、引き渡しから1~2ヶ月ほどで、家屋調査を行う旨の連絡がきます。
自治体によっては、このような連絡がない場所もあれば、決められた月に家屋調査を行うというところもあります。
また、固定資産税には1月1日が「基準日」として設けられています。
これは、この基準日までに新築住宅が完成していると、この年から固定資産税を払うことになる、というものです。
そのため、基準日である1月1日に新築住宅の引き渡しが行われた場合には、1~2ヶ月の間に家屋調査が来る可能性が高いと言えます。
逆に、1月1日を過ぎてすぐに引き渡しが行われた場合には、その年には固定資産税はかからないため、家屋調査はすぐには来ない可能性があります。
いつ連絡が来るかわからない…家屋調査の拒否はできない?
新築住宅の引き渡しが済んでから、いつ頃家屋調査を来るのかわからないため、住宅の中に荷物を入れてしまうという方がほとんどなのではないでしょうか。
家屋調査では、先にご説明したように住宅に使われている資材や設備を見るために、部屋の中はもちろん、クローゼットなどの収納の中まで目を通します。
しかし、「クローゼットの中は見られたくない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このような場合には、どうしたらいいのでしょうか。
家屋調査が行われる前に、「ここは見ないでください」と伝えておくことで調査員が配慮してくれる可能性があります。
また、荷物を入れてから「全部の部屋を見られたくない」という場合には、事前に家屋調査を依頼しておくという方法もあります。
「家の中は絶対に見られたくない!家屋調査自体拒否したい」という場合には、書類や聞き取りによって評価額が決められます。
しかし、この場合ですと、現地での調査よりも税金が高くなってしまう可能性があります。
新築住宅の家屋調査に必要なものは?
新築住宅の家屋調査に用意しておくべき、必要書類というものはあるのでしょうか。
家屋調査には主に以下の3つの書類が必要になります。
・建築確認できる書類、または住宅の間取り図(延べ床面積・建物の構造が確認できる書類)
・長期優良住宅証明書の写し(ない場合には不要)
・建物仕様書(設備についてわかる書類)
家屋調査を行う旨の連絡がいつ来ても対応できるように、これらの書類を揃えておきましょう。
評価額を決める際には、住宅の建物面積が必要になってきます。
そのため、これが記載してある書類は必ず必要になってきます。
ちなみに、木造住宅のほかに軽量鉄骨造の住宅も数多くありますが、これらのどちらが税金が安く済むかというと「木造住宅」になります。
また、設備により良品質なものが使われているほど税金が高くなってきます。
家屋調査でよく聞く噂①
新築住宅の家屋調査がいつ来るかは断定できませんが、「家屋調査」において「住宅がこんな風だと固定資産税が上がる」といったような噂を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
ここからは、そんな噂についてご紹介していきます。
【外構が立派だと固定資産税が高くなる】
これに関しては、固定資産税が高くなるということはありません。
固定資産税はあくまでも新築住宅の「建物」についての税金ですので、外構は関係ないのです。
しかし、車庫・物置に関しては住宅とは別に固定資産税がかかってくる場合もあります。
その基準としては、車庫・物置が「土地に定着しているか」が焦点になります。
つまり、車庫・物置に建物と同様に基礎などがあり、容易に移動させることができないものに関しては、固定資産税がかかるのです。
【家電製品の有無で固定資産税が変わる】
先ほどもお伝えしましたが、家屋調査では住宅に使われている設備(キッチンやユニットバスなど)についても見ていきます。
このことから、「家電製品があると、固定資産税が高くなるかもしれない」と思われることがありますが、そのようなことはありません。
なお、「家電製品」の中には壁掛けエアコンも含まれていますが、住宅でビルトインタイプのエアコンの場合には固定資産税の対象になります。
家屋調査でよく聞く噂②
続いても、新築住宅の家屋調査でよく聞く噂についてご紹介していきます。
【蔵には固定資産税がかかる】
これは、固定資産税がかかってきます。
規定では「高さ150cm以下であれば面積として算入しない」とあります。
しかし、これは「面積として」算入しないだけであり、蔵を作るために使われている材料などは、課税対象になるのです。
【ソーラーパネルは固定資産税がかからない】
これは固定資産税がかかるものと、かからないものとに分けられます。
ソーラーパネルには2つの種類があります。
一つは「屋根置き型」でもう一つが「建材型」になります。
「屋根置き型」は、その名の通り屋根に置いて使うものです。
一方の「建材型」は屋根とソーラーパネルが一体型になっているものです。
どちらが固定資産税がかからないものになるかというと、「屋根置き型」になります。
「建材型」では、住宅の一部と考えられるため、固定資産税が高くなることがあります。
この他にも「部屋の中は散らかしておいた方が、固定資産税は安くなる」などといった噂もありますが、家屋調査は「建物」に関して見るものです。
そのため、部屋が散らかっていても安くなることはありません。
どちらかと言えば、いつ家屋調査を行う旨の連絡が来ても大丈夫なように、掃除をしておく方が良いのではないでしょうか。
家屋調査についての詳しいことは各自治体に
ここまで、新築住宅の家屋調査について、ご説明してきました。
「家屋調査」と聞いて思わず気構えてしまうものですが、税金の金額を決めるためのものですので、決して怖いものではありません。
とはいえ、ご説明してきたように、家の中の細部まで見ていくものになります。
見られたくない場所に関しては、調査前に伝えておくようにしましょう。
また、いつ来るのかそわそわしてしまう方は、各自治体に聞いてみるのも方法の1つです。
詳しいことを知りたい場合には、一度問い合わせてみてください。