玄関のちょっとした隙間を使ってディスプレイする「ニッチ玄関」が注目されています。
壁のちょっとした凹みを使って、季節に合わせたものや、可愛らしい雑貨を飾ると、玄関の雰囲気を素敵に変えることができます。
ニッチ玄関のサイズや形状は、お宅それぞれで違います。
それでは、ニッチ玄関のディスプレイのコツをご紹介していきましょう。
「ニッチ玄関」とは?サイズに決まりはあるの?
一般に「niche=ニッチ」と言えば、隙間のことを指し、いわゆる隙間産業のことをニッチ産業、ニッチ市場という言い方をします。
建築用語で言うニッチは、「西洋建築で壁面を半円や方形に凹ませた部分。彫刻などを飾ったり、噴水を設けたりする」としています。
今回ご紹介するのは、この建築用語のニッチで、玄関に合わせたサイズで作られている「ニッチ玄関」についてです。
通常、壁に飾り棚を作ると、壁面から棚板分出っ張ってしまいます。
しかし、ニッチは壁を凹ませて作っているので、出っ張りがほとんどなく、場所を取らずにちょっとしたスペースを作ることができるのです。
サイズに関しては、構造上の問題が大きく、柱の間隔や筋交いの有無で、巾や奥行き、取り付けの高さなどが変わってきます。
建物の構造上、邪魔にならない壁の一部を凹ませて、飾り棚を作っているので、ニッチ玄関のサイズに決まりはありません。
このことから、ニッチ玄関はマンション購入時のオプションや新築のときに作ることはよくありますが、通常のアパートやマンションでは、なかなか見かけることはないようです。
しかし、諦めてはいけません。
壁に凹みはなくても、ニッチ玄関を作ることはできます。
まずは、ニッチ玄関のディスプレイの仕方について見ていきましょう。
サイズに合わせたニッチ玄関のディスプレイ
ニッチ玄関をディスプレイするときには、ニッチのサイズや形に合わせて行いましょう。
では、そのコツをご紹介します。
【縦長サイズのニッチの場合】
上の方の空間が寂しくならないよう、高さのあるものを飾りましょう。
上に写真や絵を飾って下に雑貨を飾るのも良いですし、高さのある花や観葉植物を飾るのも良いですね。
棚を作ってバランス良く使うのもおすすめです。
【横長サイズのニッチの場合】
縦のサイズに合わせたコレクションを数多く並べてみると良いでしょう。
カラフルな色使いなら、明るく楽しいイメージになります。
また、ミニチュアの観葉植物を均等に置いておくのも素敵です。
統一感を持たせることで落ち着いた雰囲気を出せます。
【複数あるニッチの場合】
同じようなニッチがいくつかある場合は、統一感を持たせてバランス良くディスプレイしましょう。
あらかじめテーマを決めると統一感を出しやすくなります。
【オーソドックスなサイズのニッチの場合】
季節の行事や、自分の趣味を反映させたものを飾ると楽しいですね。
ディスプレイの仕方に悩んだら、シンメトリーになるようにするとバランス良く見えます。
新築なら思いのまま!自由なサイズでニッチ玄関を作ろう!
ニッチ玄関は新築のお宅を検討中の方には、特におすすめです。
前述したように、構造上の制約もありますが、サイズや奥行など、多くの場合は自分の希望に近いものを作ることができます。
タイルを使ったり、棚を取り付けたり、照明を入れるなど、雑誌で見かけるようなおしゃれなニッチ玄関も夢ではありません。
天井から床まである大きなニッチや、通常より長い横長のニッチ、形も四角いものではなく、丸にすれば和風モダンといった風にもできます。
天井まであるニッチの場合、巾がなく細長いものは、上か下か、どちらか一方から照明を当てることで高級感を演出できますし、横長のニッチに均等に照明を入れると、玄関が広く見える効果も期待できるでしょう。
このように、サイズの大きいニッチにすることで、玄関の雰囲気を大きく変えることができます。
ただし、大きなニッチや凝ったデザインや照明を使うと、当然予算は膨らみます。
なかには、10万円単位で予算アップにある場合もあるので、注意してください。
小さいサイズだからこそ楽しい!ニッチ玄関ディスプレイ
サイズの大きい凝ったものでなくても、ニッチ玄関は楽しめます。
サイズの大きいニッチは、空間の使い方が案外難しく、空間を演出するセンスと技術も多少必要となってきます。
また、鉢植えや生花なども大振りなものの方が映えるので、そういったものが必要になりますし、照明の力も重要になってきます。
反対に、小さめで奥行きもさほど深くない、シンプルなニッチ玄関だからこそ、気軽に楽しめるディスプレイもあるのです。
小さな鉢植えを1つ真ん中に置くだけでも絵になりますし、お気に入りの雑貨を1~3個バランス良く置けば、可愛らしい空間を作れます。
季節に合わせた物を飾るのも素敵ですし、気に入ったものをごちゃ混ぜにして飾っても、にぎやかで楽しい空間になります。
このように小さいニッチは、それほどセンスや技術を必要とせず、大振りなものも照明もいりません。
ちょっとした雑貨で、可愛らしくディスプレイすることができるのです。
ニッチ玄関がないなら作ろう!自分サイズのニッチ玄関!
新築でニッチ玄関を作る場合や、マンションのオプションで付ける場合、あるいはすでにニッチ玄関がある場合でないと、ニッチ玄関は楽しめないのかというと、そんなことはありません。
壁を凹ませることはできませんが、作り付けのシューズボックスの上や、シューズラックの上を使うなど、ちょっとした工夫でニッチ玄関は作れます。
正確には壁に凹みを作っているのではないので、ニッチ玄関とは呼べないかもしれませんが、隙間と言う意味では間違ってはいないかもしれませんね。
古い賃貸物件でも、長年住んでいる戸建てであっても、玄関のちょっとしたニッチ空間を探してみましょう。
サイズはさまざまだと思いますが、工夫次第でニッチ玄関の楽しみ方はどんどん広がっていきます。
大きいニッチは大きいなりに、小さなニッチは小さいなりに、形がユニークニッチはユニークなりに、自分の好みに合ったニッチ玄関を作りましょう。
玄関にニッチがない!でも大丈夫!
どこをどう探しても、玄関にニッチな空間がない場合もあるでしょう。
そんなときには、壁を使ってニッチ玄関風なアレンジをしてみてはいかがですか?
壁でしたら、どこのお宅の玄関にもあります。
そこで、壁の平面を使ってニッチ玄関風にしてみましょう。
まずは、サイズの違うフォトフレームをいくつか用意して、写真や絵を入れて、壁に飾るのです。
サイズの違うもの、というのがポイントで、組み合わせ次第では何通りものディスプレイが楽しめます。
また、子どもの絵を入れたり、季節に合わせたものに変えるなどすると楽しいですね。
雑貨や絵葉書を可愛らしい画びょうで留めるだけでも、素敵な空間ができます。
壁に直接画びょうを刺せない場合は、コルクボードを使っても良いでしょう。
L字型のフックを壁に取り付けて、雑貨を下げて飾っても面白いです。
このように、ニッチ=隙間と考えれば、たくさんのアイデアがでてくるのではないでしょうか。
ニッチ玄関を工夫で楽しもう!
形にこだわらず、ニッチ=隙間と考えれば、アイデアはたくさん出てくるかと思います。
施工のときからニッチ玄関を作るもの良いですし、今の状態からニッチを探し出して、工夫するのも楽しいでしょう。
ニッチは小さな空間ではありますが、ちょっとした工夫で素敵な玄関を演出できます。
家の顔である玄関を、自分なりの工夫で素敵に変えてみませんか。