賃貸アパートの契約で大きな壁となるのが連帯保証人の有無です。
親が高齢、兄弟とは疎遠で頼みづらいなど保証人がなく困っている人は、多いのではないでしょうか?
または正規社員ではないので、アパートを借りることができないのではないかと心配されている人もいるでしょう。
そんな時は、連帯保証人の代わりをしてくれる保証会社利用の物件を探してみましょう。
保証会社を利用する際の、料金相場や借主の審査など、わかりやすくまとめてみました。
保証会社は契約アパートの連帯保証人の代わりをしてくれる存在!
保証会社は、賃貸保証会社や家賃保証会社、家賃債務保証サービスといわれることもあり、連帯保証人の代行サービスを提供しています。
アパート契約者が家賃を滞納したとき、保証会社が代わりに大家さんや管理会社に家賃を払います。
立て替えた家賃は、保証会社がアパート契約者に延滞金をプラスして回収します。
大家さんや管理会社は、滞納を心配することなくアパートの部屋を貸せますし、部屋を探している人は保証人がいなくても部屋が借りることができます。
2008年のリーマンショック以降、リストラなどで連帯保証人であった人が保証人の資格を失うケースが多くなってきました。
以前は、多くの人が正社員として働き、連帯保証人は親や親族というのが一般的でした。
近年では、正社員以外の多様な働き方をしている人が増えています。
契約社員や地域限定正社員、派遣社員、請負、自営業、フリーランス、パート、アルバイト、副業など働き方は多様化し、中には複数の仕事を兼業している人もいるでしょう。
このような多様な働き方をする時代と共に、家賃を保証するサービス会社は増えています。
保証会社を利用するには、料金がかかります。
また、アパート契約をする際、保証会社の審査があります。
次項では、保証会社に支払う料金と審査についてご説明します。
保証会社に支払う料金相場と審査
賃貸アパート契約時に、家賃の20%~100%ほどを利用料として保証会社へ支払います。
その後、年1回または2年に1回更新料として10,000円~30,000円ほど保証会社へ払うケースが一般的です。
利用料や更新料はそれぞれの保証会社によって異なりますが、概ね上記の料金が相場です。
ただし、保証会社を自分で指定することはできません。
保証会社は、アパートを貸している大家さんや管理会社と契約をしています。
気に入ったアパート物件それぞれに、保証会社が決まっていますが、複数社から選択できる物件もあります。
気に入った物件を選んだあとは、保証会社の審査を受けることになります。
審査内容としては、まずは収入、職業、勤続年数、年齢などありますが、保証会社によって審査する基準が違います。
保証会社のタイプには、クレジットカードなどの信販系、賃貸保証業協会が設立したLICC系、どちらにも属さない独立系があります。
各タイプの保証会社のタイプごとに審査に特徴があります。
次項からは、タイプ別に保証会社をご説明します。
独立系保証会社を利用するときのアパート入居審査
独立系の保証会社とは、信販系やLICC系に属さない保証会社を指します。
他の保証会社との情報共有はせず、独自の審査をしています。
信販系やLICC系の持つ情報をもっていないので、審査に通りやすいともいわれています。
過去に以下のような経験があり、信販系やLICC系の保証会社の審査が通らなかった人でも、独立系保証会社では審査が通る可能性があります。
・家賃を滞納したことがある
・携帯電話の支払いができなかったことがある
・過去、アパートで部屋を借りているときに、大家さんとトラブルになったことがある
・現在、収入が不安定
独立系の保証会社は、信販系やLICC系に比べ、審査がゆるめといわれています。
また、同じ独立系でも審査基準が違うことがありますから、1社で落ちても他で通ることもあり得ます。
料金は、アパート契約時に支払う利用料と年1回の更新料というパターンが一般的です。
利用料や更新料は、保証会社と管理会社・大家さんとの契約内容や保証人の有無などで料金が変わる事があります。
賃貸アパートの料金をカードで引き落とし!信販系保証会社
信販系の保証会社とは、クレジットカード会社などが経営している保証会社のことを指します。
いうまでもなく、過去のクレジットカードの使用履歴をもとに審査が行われます。
ときには、アパート契約者のお金の貸し借りに関する情報を持つ機関である「個人信用情報センター」を利用して判断することもあるそうです。
クレジットカード利用やローンの支払いで滞納などがないひとは、審査が通りやすいでしょう。
過去に以下のような経験がある場合は、信販系の保証会社の審査に通らない可能性があります。
・クレジットカードで買い物をして、入金日に引き落としができないことが多かった
・車や住宅ローンの支払いが滞ったことがある
・消費者金融からお金を借りて、きちんと返済できなかった
・現在、収入が低くて不安定
また、信販系保証会社は、他のローン会社や消費者金融会社と情報を共有していることが多いので、審査は比較的厳しくなります。
信販系は、審査が厳しいかわりに保証料金や更新料金が安めに設定されていることが多いようです。
また、カードによっては、アパート料金にもポイントが付くこともありお得です。
利用料金や更新料金は、あらかじめ賃貸アパート料金に組み込まれている保証会社もあります。
加盟社どうしでアパート料金支払い状況共有!LICC系保証会社
LICC系の保証会社とは、全国賃貸保証業協会という団体に加盟している保証会社のことを指します。
LICC加盟の保証会社同士で情報を共有して、審査の判断材料としています。
そのため、この団体に加盟している保証会社利用でアパート物件を借りた経験のある人は、情報が保存されている可能性があります。
共有されている情報に、家賃の滞納や大家さんとのトラブルなどがなければ、審査に影響はないでしょう。
過去に、他の団体の保証会社利用で問題があったとしても、LICCには情報がありません。
あくまでも、LICCに加盟している保証会社同士内で、情報共有されています。
以下のような経験がある場合は、LICC系の保証会社の審査に通らない可能性があります。
・LICC加盟の保証会社利用のアパート物件で滞納したことがある
・LICC加盟の保証会社利用のアパート物件に住んでいるとき、大家さんとトラブルになったことがある
・LICC加盟の保証会社利用のアパート物件に住んでいるとき、近隣とトラブルになったことがある
・現在、収入が低くて不安定
しかし、先ほども説明したとおり、LICCに加盟していない保証会社利用での滞納やトラブルといった情報は、持っていません。
あくまでも、LICC加盟の保証会社内での情報をもとに審査がなされます。
料金については、過去の支払い状況により、リスク度が加算されるケースもあります。
LICC加盟の各社、利用料や更新料は、保証会社との保証内容や保証人の有無などでも料金が変わる事があります。
賃貸アパート料金が払えない、または審査が通らない人はどうしたらいい?
お仕事や家庭の状況が不安定で、賃貸アパートを借りることが困難な人もあきらめないでください。
そのような場合は、国や地方自治体の力を借りましょう。
今までうまくいっていた生活が、突然不安定な状況に置かれ、アパートの賃貸料金が払えなくなったというようなことは、だれにでも起こり得ます。
そのようなときのために、国や地方自治体では様々な支援を行っています。
厚生労働省のホームページでは、生活困窮者自立支援という制度について、記述されています。
職を失って住まいに困った場合や次の仕事が見つかるまでの支援、生活の立て直しなどの相談・支援を行っています。
国土交通省のホームページでは、住宅セーフティーネット法により、高齢者や子育て世代・外国人・障害者・低額所得者など住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅を支援に関する記述があります。
住宅確保要配慮者を受け入れている賃貸アパートなどを登録し、部屋を探している人が検索できるようになっています。
いずれも要件を満たした人が対象となりますが、保証会社の審査が通らなかった人は、一度相談に行くことをおすすめします。
各自治体の生活支援窓口へ相談されるとよいでしょう。
具体的には、お住まいの市役所の受付で生活支援について相談したいと訪ねてください。
連帯保証人がいない人は保証会社利用の物件を探そう!
昨今は保証人不要、つまり保証会社が連帯保証人の代わりをしてくれるアパート物件が増えています。
保証会社の審査に通れば、連帯保証人がいなくてもアパートなど賃貸物件を借りることができるようになってきています。
過去に滞納やトラブルがあった人の審査はやや厳しくなりますが、保証会社はたくさんあり、審査基準もさまざまです。
不動産仲介業者などに事前に自分の状況を話したうえで、賃貸物件を探してもらうと、保証会社の審査も含めて合う物件を選んでくれるでしょう。
審査が大変通りにくい、またはアパートの賃貸料金の支払いが難しい状況の場合は、国や地方自治体の支援制度を活用することも検討してみましょう。