窓のサイズの標準とは?種類別にご紹介!

家やオフィスなど、様々な建物に設置されている窓。

窓には様々な種類がありますが、どの種類の窓においても基本的な役割は同じです。

建物や窓の種類によってサイズも様々ですが、基本的な窓の標準サイズは決まっているのでしょうか?

窓の役割と測り方、窓の種類別の標準サイズについてご紹介します。

窓の役割とは?

家やオフィスなど、普段何気なく目にする窓ですが、窓には重要な役割がいくつかあります。

まずは窓の役割についてご紹介します。

・換気

建物に窓を取り付ける一番大きな理由は、換気のためです。

開閉ができないはめ込み式の窓は別ですが、基本的に住宅などの窓は換気の役割を果たすために取り付けられています。

・採光

換気の次に必要とされている窓の役割が採光です。

窓から室内へ太陽の光を取り込むことによって、部屋を明るく見せることができるうえに、室内のカビの増殖を防ぎます。

・緊急時の出入り口

火事や地震などの震災によって玄関のドアが開かなくなり、室内に人が取り残されているような事態の際に、消防士たちが窓ガラスを破って室内に入れるようにする役割も窓にはあります。

ドアと違い、ガラス窓は割れやすいため、短時間で室内へ救助に向かうことができます。

・装飾

窓をステンドガラスに装飾したり、窓にアレンジを加えることによって部屋の中をお洒落に見せることができます。

・部屋を広く見せる

窓を設置することで室内に奥行きが生まれ、部屋を広く見せる効果があります。

このように、窓には様々な役割があります。

近年では標準より大きい窓を取り付けたり、逆に小さい窓を取り付けるなど、部屋に合わせて窓のサイズにこだわる人も増えています。

しかし、建築基準法で窓のサイズには規定があります。

どのように規定されているのか、次の項目でご説明します。

窓のサイズ規定とは?

最近では標準サイズにこだわらずに、部屋に合わせて窓のサイズを変える人も増えていますが、窓は建築基準法でサイズが定められています。

では、どのように定められているのでしょうか?

室内が真っ暗な状態では居住者に健康被害が出る恐れがあるため、住宅用の部屋には窓を取り付けることが建築基準法で義務付けられています。

そして、窓からの採光と換気を目的として、最低でも必要な窓のサイズが決められています。

何故なら窓を取り付けても、部屋が広すぎたり、窓のサイズが小さすぎると十分な採光と換気が行えないからです。

まず、住宅において居室の面積の7分の1以上を窓の面積とする必要があります。

そして、換気のために1つの部屋に2つ以上の開閉ができる窓の取り付けも必要です。

なぜ2つ以上の窓の取り付けが必要かというと、2つ以上窓があることによって換気の際に風が通りやすくなるからです。

ただし窓が道路に面していたり、隣地境界線までの距離が一定以上離れている場合は採光補修によって緩和措置がとられ、床面積の7分の1以下の窓でも許可されるケースもあります。

このように、十分な換気を採光のために住宅の窓には建築基準法でサイズが細かく定められています。

窓のサイズの測り方

次に、窓ガラスのサイズの測り方についてご紹介します。

まず、窓ガラスのサイズを測るときは両側のサッシからサッシの間をメジャーで測ります。

サッシからサッシというのは、サッシの内側のことを指すのでサッシ本体は含みません。

しかし、サッシの内側にある押さえゴムは測るときにサイズに含みます。

縦と横の窓ガラスのサイズを計測したら、サッシに含まれている窓ガラスのサイズも足します。

サッシに含まれる窓ガラスのサイズは、縦と横それぞれ6㎜です。

縦と横で計測した数値にそれぞれ6㎜を足した数値が、窓ガラスのサイズです。

そして、窓ガラスの厚さですが、厚みについては窓を取り外してからでないと測定はできません。

もし窓ガラスが割れている場合には割れ口から図りましょう。

このようにして窓のサイズを測ることができますが、窓の種類によって標準のサイズは違います。

次の項目で窓の種類とその標準サイズについてご紹介します。

窓の種類と標準サイズ

窓の種類によって標準のサイズは違います。

その為、窓の種類別にサイズについてご紹介します。

・引き違い窓

ほとんどの一般住宅で取り付けられている窓です。

2枚の窓ガラスをレール上に滑らせて開け閉めすることが出来ます。

中心から左右に開く引き分けタイプ、一方だけの片引きタイプもありますが、窓ガラス2枚スライドさせることができる引き違い窓が一般的です。

開閉が誰にでも簡単にできるというメリットがありますが、防犯性は弱く、気密性も低いというデメリットもあります。

ベランダに取り付けられているタイプの窓を掃き出し窓、壁に胸元ほどの高さに取り付けられているタイプの窓を腰高窓と呼びます。

掃き出し窓の標準的なサイズは縦203㎝×横169㎝、もしくは横が183㎝です。

そして腰高窓の場合は横が169㎝で縦幅は37㎝、57㎝、77㎝、97㎝、117㎝、137㎝、157㎝と様々なサイズがあります。

あくまで標準サイズな為、部屋の大きさによって取り付ける窓のサイズは変わります。

飾り窓の標準サイズ

他の窓のサイズについてもご紹介していきます。

・上げ下げ窓

引き違い窓を縦にスライドさせるような作りの窓です。

窓が片方だけ動くタイプをシングルハング、2枚動くタイプをダブルハングと呼びますが、ダブルハングタイプの窓が一般的です。

開け閉めに少し手間がかかりますが、気密性は高いです。

上げ下げ窓の標準サイズは縦77㎝×横40.5㎝もしくは縦97㎝×横64㎝です。

・縦滑り出し窓

縦滑り出し窓とは地面に垂直の回転軸で開閉する窓です。

気密性が高く全開にすると90度に開けることができるため、換気性が高く構造上掃除も楽にできますが、外側に網戸を取り付けることができない点がデメリットです。

縦滑り出し窓の標準サイズは縦57㎝×横40.5cmもしくは縦77㎝×横40.5㎝、他にも縦97㎝×横64㎝です。

上げ下げ窓も縦滑り出し窓も、引き違い窓より標準のサイズは小さいという特徴があります。

特殊な窓の標準サイズ

特殊な構造の窓の標準サイズについてご紹介します。

・ルーバー窓

羽状にいくつか重なったガラスのルーバーをハンドルやチェーンなどで動かして開閉する窓です。

構造上外からのぞかれることなく換気ができるため、浴室などで主に取り付けられています。

ルーバー窓の標準サイズは縦57㎝×横40.5㎝、縦77㎝×横40.5㎝、縦97㎝×横64㎝です。

・はめ殺し窓

はめ殺し窓とは窓枠にはめ込まれた窓のことで、開閉はできません。

隙間がないため換気などはできませんが、採光や装飾を目的として取り付けられています。

はめ殺し窓の標準サイズは縦77㎝×横40.5㎝、縦97㎝×横64㎝です。

どちらも特殊な構造の窓のため、窓の標準サイズは1m以内です。

このように、窓の形状によって窓の標準サイズは様々です。

窓の特徴によって標準サイズは違う

このように、窓には様々なタイプの窓があることがわかりました。

そして窓の種類によって、それぞれ標準のサイズも変わってきます。

もちろん、部屋の広さや間取りなどによっても窓のサイズは変わってきます。

標準のサイズを参考にして、ご自身の部屋に合った大きさの窓を選びましょう。