新築を予定している人は、間取りや内装など、取り決めることがたくさんあります。
その一つが住宅になくてはならない「窓」ですが、今はたくさんのメーカーから販売されており、形や特長もさまざまです。
今回は人気の窓メーカー「YKK」「リクシル」「三協アルミ」の3社に注目し、断熱性能や特徴などを比較していきます。
3社の窓メーカーの一押しの高断熱窓
窓は採光を取り入れる重要な役目がありますが、それと同時に冷暖房の効きを悪くしてしまうという難点があります。
夏は暑い日差しを部屋へ取り込んでしまい、冬は寒い冷気を部屋へと通してしまうのです。
そこで必要になっていくのが窓の断熱機能です。
3社の窓メーカーの高断熱窓を比較してみましょう。
●YKK
「APW430」は樹脂サッシの高断熱窓となります。
3社の中でバリエーションが1番豊富です。
断熱の性能は0.9W/m²・Kとなり、3社の中では中間の位置で、窓単体の魅力度はそれほど高くないでしょう。
●リクシル
「レガリス」は樹脂サッシの高断熱窓になります。
断熱の性能は0.55W/m²・Kとなっており、3社の窓の中で最も断熱機能が高くなっています。
(この数値は低ければ低いほど断熱効果が高いことを示します)
寒い地域ではより断熱効果を期待できるでしょう。
しかし、値段が高いというデメリットがあります。
3社の中で対風圧性能は最も低いので、強風や台風の影響を受けやすい土地ではあまりおすすめできません。
●三協アルミ
「アルジオ」はアルミ樹脂複合の高断熱窓になります。
断熱の性能は1.95W/m²・Kで3社の中で最も低くなっています。
しかし、水密性や耐久性に関しては、3社のメーカーの中で最も性能が高くなっています。
3社の窓メーカーの高断熱窓の特徴を見てみよう
上記でご紹介した窓のほかにも、3社の窓メーカーには人気の高断熱窓があります。
ここではそれらの窓の断熱機能の他の特徴を比較していきます。
●YKK
サッシがすべて樹脂製になっている窓「APW330」という断熱窓は、結露を少なくするという特徴があります。
サッシ以外にスペーサー(複製ガラスの2枚のガラスの間にある部材)も樹脂でできています。
●リクシル
「サーモスX」はアルミと樹脂が融合したハイブリット窓(リクシルでの名称)があります。
気温の高い沖縄から、気温の低い北海道までどんな土地でも設置ができます。
ほかにも「サーモスS」「サーモスL」とラインナップがあり、首都圏であれば断熱性能がかなり高いサーモスLがおすすめです。
●三協アルミ
上記のハイブリット窓と同じアルミ樹脂窓の「タフネス」が人気です。
前項でご紹介した「アルジオ」と同様に、水密性・耐久性を強化した特徴を持っています。
樹脂窓について知りたい!
上記でご紹介した樹脂製の窓ですが、高断熱窓のサッシとして、大変優れていると言われています。
ここではその秘密を探っていきましょう。
日本ではアルミ製の窓が一般的でしたが、20~30年前は樹脂製品を造り出す技術がほとんどありませんでした。
その結果、住宅によくある引き違い窓にはアルミ素材を使うことが一般的とされていたのです。
しかし、時代とともに少しずつ樹脂窓の普及が進んできました。
しかしながら、年配者などは「安いプラスチック製品」と懸念し、あまりプラスのイメージを持つことがありませんでした。
ところが、樹脂窓には「劣化しずらい」という特徴があるのです。
樹脂窓に使用されているPVC(ポリ塩化ビニル、塩ビ)は、土の中にある水道管と同じ素材なのです。
そのため、耐久性に優れ、長い期間劣化しないというメリットを持っています。
実際に20年間窓サッシに使用して、ほとんど劣化しなかった、というケースもあります。
表面にアクリル加工を施すため、紫外線による色落ちもほとんどありません。
今では窓メーカー選びで比較する大事なポイントにまでなりました。
樹脂は窓サッシに採用するのにこれ以上ない最適な素材なのです。
高断熱窓を設置!年間の冷暖房費を比較しよう
高断熱窓は価格が高いため、なかなか購入に踏み切れないと決断できない人も多くいらっしゃるでしょう。
しかし、3社メーカーとも、とにかく高断熱窓の普及率をあげることを目標としているのです。
その理由は「光熱費」の削減からで、結果的に家庭の節約につながるというのです。
ここでアルミサッシの窓と、YKKの3種類の窓で年間の冷暖房費を比較してみましょう。
4人家族の年間の冷暖房費がおよそ80,000円とします。
それをYKKの「APW330」に置き換えると、
樹脂窓:66,563円
アルミ樹脂窓:59,396円
アルミ窓:52,363円
となります。
年間冷暖房費が樹脂窓は約17%削減、アルミ樹脂窓は約26%削減となるのです。
価格の高い高断熱窓ですが、年間の電気代を抑えられるというメリットがあるのです。
新築したら長く住むのですから、長い目で見てお得だということが分かりましたね。
3社の窓メーカーを比較!重たい窓を開閉しやすくする方法は?
高断熱窓は重量があります。
そこで窓の軽量化への取り組み方や、重たい窓の開閉の方法を3社の窓メーカーで比較していきましょう。
●YKK
トリプルガラス(3層ガラス)の真ん中のガラスを1.3ミリの薄さにすることで、従来の窓よりも20%ほど軽量化しました。
大きな窓には開閉しやすいように、ハンドル以外に戸車を工夫しています。
●リクシル
今は複層ガラスでトリプルガラスを作る技術がないため、大幅な軽量化は難しい状態です。
窓の開閉に関しては、大型把手のほかにアシスト把手がえらべるようになっています。
アシスト把手は力に弱い年配の人におすすめのもので、現在の窓に後づけで変更することも可能です。
また、リクシルは現在センサー付きの窓の開発が進んでいます。
●三協アルミ
スチールの大幅な削減は難しいため、配送方法を工夫することで軽量化を対応するようになります。
三協アルミは開閉力を上げることは、まず、窓の安全性を上げることだと考えています。
そのため、部品的な価値を向上させて、開閉しやすくなるように対応していきます。
3社の窓メーカーを比較!アフターメンテナンスはどうなの?
高断熱窓を購入した後、窓に万が一不具合があった場合、各メーカーどのような対応になるのでしょうか。
3社の窓メーカーのアフターメンテナンスを比較していきましょう。
●YKK
樹脂窓「APW330」の場合ですが、サッシ交換の対応が可能です。
サッシ框(かまち)というガラスをはめ込む部分は溶着されてしまっているので、ガラスのみの取り換えはできないのです。
しかし、樹脂窓の「APW430」はトリプルガラスのため、押し緑で固定しています。
そのため、ガラス交換のみで対応ができるのです。
●リクシル
リクシルの窓は溶着されているものがないので、基本的にガラスのみの取り換えが可能です。
ただし、人気の高い「サーモス」シリーズに関しては、旭硝子と共同開発している商品のため、専用のガラスで対応しなければなりません。
●三協アルミ
樹脂窓に関しては溶着されているので、サッシ交換で対応しています。
ただし、アルミ樹脂窓の「アルジオ」に関しては、ガラスのみの交換を対応しています。
3社の窓メーカーはそれぞれ特徴がある
3社の窓メーカー「YKK」「リクシル」「三協アルミ」の窓を比較させていただきました。
樹脂素材をサッシに採用するという点では、違いはありませんでしたね。
しかし、断熱性能ならばリクシル、細かい機能を重視するならYKK、水密性や耐久性に重きを置くなら三協アルミをおすすめします。
新築する土地の特性もありますから、よりその場所にあった窓メーカーを選んでくださいね。