理想的な我が家を手に入れる手段は、なにも新築を購入することだけに限りません。
中古物件の一戸建てを購入し、自分好みにリフォーム・リノベーションする方も増えており、その家づくりをブログで発信している方も少なくありません。
しかし、中古物件の購入にはデメリットや注意点も少なくなく、ブログからもその失敗について知ることができます。
この記事では、中古物件を購入してリフォームしていくためのポイントについて、ブログを参考にお話していきます。
中古物件をリフォームして理想の家に!実体験のブログから学ぶ
家づくりにおける情報は、SNSやブログなど、様々な角度からアプローチされ、紹介されています。
特に、家づくりの模様やポイントを文字と画像から収集できるブログは、目標とする家づくりのためには大変貴重な資料になります。
今回スポットを当てる中古物件のリフォーム・リノベーションは、傾向として増えつつあるものの、決してメジャーな家づくりとは言えません。
そのため、実際に自分が検討しているとなれば、それなりの体験談や注意点など、実体験した方のブログを通して学ぶことも必要と言えます。
では、中古物件をリフォーム、リノベーションしていくにあたり、まずはそのメリット・デメリットについて次項からお話していきましょう。
中古物件をリフォームするメリットは?ブログを参考に考える
ではまず、新築の建売住宅や注文住宅と比較して、中古物件のリフォーム、リノベーションにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ブログを参考に、以下でまとめてみましょう。
●購入費用が安い
国土交通省における平成28年度の調査によると、建売住宅が平均約3,800万円、注文住宅が4,000万円であることに対し、中古物件は約2,700万円となっており、1,000万円以上の開きがあることが分かっています。
その分リフォームにお金をかけたとしても、内装や設備を理想の形で手に入れることができるため、建売と比べるとコスパが良いと感じる傾向があるようです。
ブログの中には、リフォーム・リノベーションを含めても2~3割安で仕上げることができたという方も見られます。
●ほとんど土地代だけで手に入ることもある
新築戸建ての場合、基本的に20年ほどで資産価値がゼロになると言われています。
そのため、例えば築20年の戸建てであれば、ほぼ土地代だけで手に入れることも望めます。
●選択の幅が広がる
立地を考慮した新築物件を探すとなると、条件が絞られるために選択の幅も狭まります。
しかし、中古物件であれば数が多いため、立地の良い人気エリアへの幅を広げることもできます。
以上のように、中古物件は比較的安価で手に入れることができる上に、立地やリフォームの勝手が利きやすい点が魅力です。
中古物件のリフォームを考えるならデメリットは知っておこう
中古物件をリフォームすることにあたり、メリットが分かったところで、続いてデメリットについても見ていきましょう。
●想像以上に費用がかかる場合もある
中古物件の購入で注意したいのが、耐震性の問題です。
耐震基準の現行法をクリアした中古物件であれば問題ありませんが、法改正前の1981年以前の物件には特に注意が必要です。
また、目に見えない部分の構造躯体や基礎が老朽化していることもあり、かえって補強・耐震工事にコストがかかってしまうケースも少なくありません。
また、ブログの中には、「せっかく家を建てるなら」とリフォーム・リノベーションの理想ハードルを上げてしまったために、予算をオーバーしてしまったケースも見られます。
●すぐに住み始めることができない
建売の場合、引き渡し後はすぐに住み始めることができますが、リフォーム・リノベーションをするとなればさらに時間を要します。
そのため、今すぐに引っ越したいという方には難しい側面があります。
●瑕疵担保期間が短い
「瑕疵担保」とは、売買の対象物に欠陥(瑕疵)が見つかった場合、買主に対して売主が負う賠償責任を指します。
新築の場合、この瑕疵担保には10年間という保証期間がありますが、中古物件の場合は法人で2年、個人で3か月と保証期間が短くなっています。
これらのデメリットは、中古物件を購入する前に必ず押さえておきたいポイントで、これを踏まえた慎重な準備が必要になります。
予算と費用の兼ね合いが前提!肝は「築年数とその現況」
これまでに、中古物件をリフォームする上でのメリット・デメリットについて、ブログを参考に見てきました。
デメリットでも分かるように、費用に重点を置いたとき、中古物件をリフォームする際の一番の肝は「築年数とその現況」です。
中古物件のリフォームには、予算や費用の兼ね合いが前提として伴ってきますが、かかる費用は物件の築年数とその現況によっても左右されます。
では、実際にどのくらいの費用がかかるのか、築年数別の相場を見ていきましょう。
●築10年:100万前後
全体的に新しく、水回り設備にも問題はありません。
使用感が気になる場合は、お風呂場やトイレなどの部分的なリフォームをすることがあります。
●築20年:300~500万前後
水回りの老朽化を始め、クロスや床などの汚れ・痛みなどが表面化してきます。
屋根・外壁の塗り替えにも検討が必要な時期です。
また、現代の生活スタイルに合わない間取りの場合は、大きな間取り変更も必要になります。
●築30年:1,000万前後
経年劣化により給排水管の老朽化が顕著に表れます。
また、耐震性を始め、内装、外装ともに家全体のリフォームが必要になります。
●築40年:1,500万前後
耐震を含めた家全体のリフォーム、また、断熱性の向上についても考慮する必要があります。
以上のように、築年数と現況によって、リフォーム費用は大きく膨らむ可能性があります。
築年数が古い分、購入費用は安く抑えることができますが、リフォームに際する現況への考慮も留意しておくポイントです。
ブログで喚起されるリフォーム費用のローン!担保型と無担保型
築年数ごとにリフォーム相場を見ていくと、購入する中古物件の予算もおのずと見えてくるのではないでしょうか。
ここで気になるポイントは、中古物件の購入費用とリフォーム費用のローンです。
特に、リフォーム費用のローンについては、多くのブログで注意点として取り上げられていることが多いので、あらかじめしっかり確認しておきましょう。
まず、リフォーム費用は住宅ローンと同様にローンで支払うことができますが、そのタイプは「リフォームローン」と「住宅ローン」の2つに分けられます。
「住宅ローン」は家などを担保とする「担保型」である一方で、「リフォームローン」は担保がいらない「無担保型」になっています。
以下で詳しくまとめてみましょう。
【住宅ローン:担保型】
・自宅などを担保にするため、借入可能金額は500~5,000万円と多い
・返済期間は最長30~35年
・低金利:無担保型と比較すると年2.3%もの差が出る
【リフォームローン:無担保型】
・自宅などを担保にできないため、借入可能金額は50~500万円と少ない
・返済期間は最長10~15年
・ローン手続きが簡素で、審査も通りやすい
・諸費用が安く済む
住宅ローンは借入金に幅が利く、長期的にコツコツと返済ができる、金利が低い点が大きなメリットと言えます。
それに対し、リフォームローンは借入金が小さく、短期での返済が求められますが、手軽にローンを組める点が大きな魅力です。
どちらのタイプを選ぶかは、リフォーム費用と照らし合わせて検討してください。
少しでもリフォーム費用を抑えたい!国の減税制度を利用しよう
前項では、ブログでも喚起されることが多い、中古物件をリフォームする際のローンについてお話してきました。
最後に、少しでもリフォーム費用を抑えるための「減税制度」についてご説明していきます。
中には、「リフォームに対する減税制度」の存在自体を知らない方がいるかもしれませんが、実は一定の要件を満たしたリフォームであれば、国からの減税を受けることができます。
まず、リフォームのローンに利用できる、代表的な減税制度は以下の通りです。
・住宅ローン減税(控除)
住宅ローンを借入れて、一定のリフォーム・増築を行った場合に減税を受けることができる制度です。
控除の種類は、「10年以上のローンを組んだ場合」と、「特定のリフォームで5年以上のローンを組んだ場合」の主に2つに分けられます。
なお、現行の控除期間は10年間とされていますが、平成31年の消費税引き上げに伴い、13年間への延長が決まっています。
・バリアフリーリフォームローン型減税
高齢者や要介護・要支援認定者などが同居する住宅に対し、一定のバリアフリー改修工事を行った際に使える制度です。
要件はいくつかありますが、ひとつでも満たしていれば控除の対象になります。
・省エネリフォームローン型減税
断熱性能の向上など、一定の省エネリフォーム工事を行った際に利用できる制度です。
上記の減税制度は、いずれも確定申告を行うことで受けることができます。
国が定めている制度なので、要件に当てはまる場合は是非利用していきましょう。
中古物件のリフォームは準備と計画を
中古物件を購入し、自由にリフォーム・リノベーションをすることは、より安く理想の住まいを手に入れるためには賢い方法かもしれません。
しかし、中古物件にはそれなりのデメリットや注意点があるため、それを踏まえた上での慎重な準備・計画が必要になってきます。
実体験が語られているブログを参考に、中古物件のリフォームを成功させていきましょう。