アパートの壁紙にカビが生えた!その対策と予防法は?

アパートなど賃貸物件で、壁紙にカビが生えてしまったという経験はありませんか。

カビの原因は主に湿気ですが、室内と外気の気温差でどうしても窓に結露などが発生し、室内が湿気てしまうことがあります。

また、洗濯ものの部屋干しなどもその一因かもしれません。

もしカビが生えてしまった場合、どうすればいいか、その対策などをまとめてみました。

アパートの壁紙に生える黒カビはいつも家の中にいる

アパートの壁紙に生えるカビは、主に黒カビで、家の中に存在する代表的なカビといえます。

特別なカビではありませんが、頑固で生命力が強いため、いったん生えてしまうと完全に退治することが難しいカビといえます。

拭き掃除などできれいになったように見えても、菌糸が奥深く根を下ろしている場合、またすぐに生えてくるやっかいものですね。

壁紙のほかにも、風呂場の目地やゴムパッキンなどにもとりつき、黒ズミの原因になっています。

また、意外と知られていない危険性もあります。

二大危険カビのひとつ「エクソフィアラ」がそれです。

エクソフィアラはこの黒カビの一種で、皮膚炎の原因となったり、傷口から侵入すると血液によって臓器に運ばれ、臓器を腐敗させます。

また、脳に至った場合は死に至ることもあるという恐ろしいカビなのです。

これもやはり水回りや湿気の多いところに発生するため、壁紙に付着していても不思議はありません。

このように、かなり身近なところにあるにもかかわらず、危険性もあるカビですが、発生してしまった場合は、どのように対処すればよいでしょうか。

アパートの壁紙にカビが生えるメカニズム

まずは壁紙にカビが発生するメカニズムから説明します。

カビの原因は湿気です。

アパートの窓など結露しやすい場所の近くにあるカーテンやエアコン、浴室などによく発生します。

ちょっとした手あかなども養分になるため、放置しておくと部屋中に繁殖し、胞子をまき散らし、壁にとりついて菌糸を張り巡らせます。

もちろん空気中にも漂っているので、吸い込むと肺の病気などの原因になることもあるので、みつけたら、まずこまめに除去するようにしましょう。

ただ、目に見える部分はすぐにふき取るなど対応できますが、隠れている部分まではなかなか手が届きません。

引っ越しするときなど、窓の近くに置いていた家具を動かすと、家具の裏と壁紙に黒カビがびっしり、などということもあります。

家具と壁に少し隙間を作って、風が通る道を作っておきましょう。

また、最低でも盆暮れなど大掃除の時にチェックするようにしましょう。

このように、気が付いたら自分でふき取れば、繁殖はある程度抑止できます。

ただ、アパートの壁紙を傷めると、退去の際に弁償を求められる可能性もあるので、傷めないようにカビだけを取り除かなければなりません。

壁紙のカビを除去する方法

カビを効果的にふき取る方法はいくつかありますが、まずゴム手袋やマスクなどで、過度にカビに触れることがないように準備してください。

具体的な方法の一つは、次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度4%未満のもの)を3倍の水で薄めたものを噴霧し、1時間程度経過してからふき取ります。

まだ残っているカビは、再度噴霧してふき取ると、除去できます。

ただ、塩素系の洗剤は壁紙がそこだけ白くなる可能性があるため、きちんと薄め、1時間以上放置せずしっかりふき取りをやらなければなりません。

カビ取りの後はかたくしぼった雑巾で軽くふき、その後軽く乾ぶきして終了です。

ゴシゴシこするとかえって壁紙が傷むので、あくまでなでるように軽くふき取ることを意識しましょう。

乾ぶきのかわりに、ドライヤーなどで乾燥させるのもよいでしょう。

また、色柄の入った壁紙などの場合、塩素系の洗剤では色落ちしてしまうかもしれません。

賃貸アパートの場合は、退去時は現状復帰が基本ですので、塩素系の溶剤が難しい場所などでは次の方法がおすすめです。

住居用洗剤でカビをできる限りふき取った後、殺菌効果のある逆性石鹸などを塗布します。

カビも菌の一種ですので、殺菌すればある程度繁殖は防げます。

次亜塩素酸ナトリウムも逆性石鹸も、ドラッグストアなどで入手できます。

ただ、菌糸が根深い場合はやはり根治は困難で、同じところにカビが生えてくる可能性はあるでしょう。

繁殖する前に壁紙のカビを予防しよう

壁紙のカビを完全に除去することが難しいならば、繁殖させないように予防することも大切です。

カビの育成に適した条件は、室温25度~30度、湿度80%以上で養分と少量の酸素があることなので、条件を満たさないことが肝要です。

できるだけ、アパート内の室温を23度以下に保つようにしましょう。

冬場は特にエアコンを高い温度に設定しがちですが、それによってよけいに結露ができたりもします。

エアコンでなく、重ね着などで体感温度を調節しましょう。

できてしまった窓下の結露はこまめにふき取り、ついでに窓の内側などもいっしょにふき取りましょう。

窓際に除湿剤を置くのも有効です。

また、寒いからといって換気を怠らず、朝昼夕など一日に何度かは部屋の空気を入れ替えることも大切です。

風を通すことでカビの胞子を外に逃がし、室内の過度な水分をとばし、カーテンや窓なども風に当てることで乾燥させましょう。

室内の空気が入れ替わる程度で、長時間でなくてかまいません。

短時間でもこまめにやるほうが効果的です。

アパート暮らしの意外なカビ対策

また、掃除をこまめにすることで、カビの養分となるホコリや手あかなどをできるだけ取り除くことも必要です。

壁紙も同じです。

紙といってもビニールなどでできているので、強い力で長時間こすらなければそれほど傷みません。

手の届くところは手あかもつくため、雑巾で汚れをふきとり、手の届かない部分のホコリはハタキやモップなどで落としましょう。

また、エアコンの掃除も有効です。

空気清浄機能付きのエアコンなどは、カビの胞子も吸い込んでいます。

それをまたまき散らすと元も子もありません。

フィルターや送風窓のホコリなどもこまめに掃除しましょう。

また、見落としがちですが、加湿器付き空気清浄機も同じです。

常に水が入っているわけですから、カビの温床になりやすい環境です。

タンクや送風口を清潔に保つようにしましょう。

電気の傘の上なども温度が上がりやすく、ホコリも溜まり浮遊したカビが意外と繁殖しやすい場所なので要注意です。

アパートはマンションより機密性は低いですが、ホコリは溜まりやすいといえるでしょう。

アパート入居後すぐに壁紙にカビが生えた場合

このように、いくら気を付けていても、まれにアパートの壁紙にカビが発生することがあります。

ひょっとしたら、それは構造上の問題かもしれません。

たとえば壁に断熱材などが入っておらず、コンクリートなどに直接壁紙を貼っている場合など、外気と室温のバランスが悪くなり、カビが発生します。

また、前の壁紙を張り替えたときに、防カビ処理を手抜きして行わなかったなどのひどい実例もあります。

入居してすぐカビが生えてくるようなら、ちょっとおかしいと思うべきです。

一度大家さんなどにクレームを申し立てるなどして、できるものなら改修してもらいましょう。

壁紙のカビは家具や衣類にも繁殖する場合があります。

また、健康を害することもあります。

そして放置しておいて退去するときにすべて入居者のせいにされた場合、全額弁償しなければならなくなったらたいへんです。

入居まもなくならば大家さんの対応もあり得ますので、早急に伝えることが一番の解決策になるでしょう。

カビ対策に一番必要なのはこまめさ

古いアパートなどでは、入居時にすでにカビが生えやすい環境であるといえます。

掃除の際に殺菌したり、完全に風通しをして乾燥させるなど対策をしましょう。

なにより普段からのこまめな掃除や点検が、カビ対策に一番有効といえそうですね。