アパートにお住まいの方は、隣に住む人から「壁ドン」された経験がある方もいるでしょう。
「壁ドン」をされたとしても、直接本人に苦情を言うことはなかなか怖くてできないことですね。
そういう場合は警察を呼ぶべきでしょうか。
それとも、オーナーや管理会社に相談するべきでしょうか。
もしも、隣から「壁ドン」されてしまったときに備えて、対応策をいくつかご紹介します。
アパート暮らしで隣からいきなり「壁ドン」!
「壁ドン」とは辞書に載っている言葉ではありませんが、一般的にアパートなどで隣の部屋の住人が、自分の部屋との境界にあたる壁をドンドンとたたくことを言います。
アパートは賃貸住宅ですから、隣にどんな人が住んでいるのか知らないことがほとんどです。
それなのに、ある日突然「壁ドン」されたら、とても驚きます。
女性の一人暮らしの場合は、恐怖を感じるでしょう。
もしかしたら、何かが壁にぶつかった音かもしれませんが、故意にたたいている場合もあります。
故意にたたいている場合、「壁ドン」はこちらの行為に対して、「やめてくれ」というメッセージであると言われています。
例えば、
・子どもの泣き声
・夜中の掃除機や洗濯機の音
・テレビの音量
・騒ぎ声
・ベランダでの電話
・走る音
これらはよく「壁ドン」の原因とされる行為の一部ですが、心当たりはないでしょうか。
アパートは木造ですから音が伝わりやすいものなので、苦情や警察を呼ぶ前に、心当たりがあるなら、まずはご自身の生活音を考えてみてください。
「壁ドン」されてもすぐに警察を呼ばないで!
アパートの隣人からの「壁ドン」に心当たりがないということもあります。
または、過去にはあったけれど、今は改善しているにも関わらず、まだ「壁ドン」される場合には少し慎重に対応しましょう。
怖いからといってすぐに警察に連絡しても、事件性がない限り隣の人を逮捕するようなことはまずしません。
もちろん隣人への注意や、定期的にパトロールはしてもらえますが、後日顔を合わせることが気まずくなることも事実です。
また、された行為に腹を立てて「壁ドン」をやり返すようなことは絶対にしないでください。
まず冷静になり、夜中であれば、戸締まりを確認して外に出ないことです。
そして、万が一のために、家族や友達に伝えたり、たたく音を録音するなどして証拠を残しておきましょう。
アパートは、見知らぬ他人が隣接して暮らす集合住宅ですから、トラブルが多いものだという認識も必要です。
まずは、自分で動かず、オーナーや管理会社に相談して協力を要請してみるとよいでしょう。
オーナーや管理会社は、過去にも同様な経験があって対応策を心得ていることがあります。
トラブルが発展して警察を呼ばれてしまうと賃貸業に支障が出てしまいますから、動いてくれるはずです。
その際、こちらは落ち度がないと言える状態であることが大切です。
アパートでは「壁ドン」以外の音もある
アパート暮らしでは、木造の板で仕切られた居住空間に住むことになります。
そのため、隣の部屋の会話や生活音が聞こえるのは仕方ないと考えましょう。
しかし、そのことを忘れて戸建やマンションのように暮らしてしまうと、警察が来るようなトラブルが発生します。
また、木造アパートの家賃は、マンションに比べて安いため、節約したい学生やたくさんの事情を抱えた一人暮らしの人も多く利用します。
もしかしたら隣人が年金暮らしの高齢者、または病気で治療中の方かもしれません。
精神的な問題を抱えているケースもありますから、「壁ドン」以外にも「床ドン」、「天井ドン」など気になる音を出すこともありえるのです。
これは、集合住宅の避けられないデメリットといえるでしょう。
管理会社の調査によると、これらの多くは、本人に何らかの問題があり、要注意人物であることが多いとの結果が出ています。
こちらが普段からマナーに気をつけて行動していれば、トラブルがあってもオーナーや管理会社から疑われることはないでしょう。
アパートの「壁ドン」から警察沙汰に至った事例
アパートにおける生活音のトラブルは、法律上「民事」として整理されます。
ですから、警察を呼ぶ人もいますが、警察は民事不介入が原則のため、解決には繋がらないと思ってください。
しかし、傷害、盗難、器物損壊、生命の危機等の刑事事件に至るケースは、迷わず連絡してください。
こちらでは、警察に連絡し、解決に繋がった2つの事例をご紹介します。
<事例1>
【夕飯に友人を招いて食事をしていたら、話し声がうるさいと10回以上「壁ドン」された後、包丁を持って柵を越えてベランダに侵入してきた。】
これは、会話がエスカレートすれば当然ながらうるさいと言われてしまうのは仕方ないことです。
しかしながら、隣人の行為は常識の範囲を超えています。
ベランダに包丁を持って入って来るのは、危害を加えようとする行為ですから、すぐに警察を呼びましょう。
しかし、こちらに非がないとは言えませんので、何度か事情聴取されることになるでしょう。
<事例2>
【隣から大声とともに壁に何かがぶつかる大きな音がした】
隣からの大きな音は、管理会社が清掃やリフォームをかけていることもありますので、様子を伺う必要があります。
しかしこの事例では、過去に住んでいた人が合鍵を使って侵入し、住人と揉めている声と音がしたため、警察に連絡したという経緯です。
住人は隣人に助けられた形となりました。
このように、アパートの音は良くも悪くも響きますので、その点理解の上生活する必要があります。
まずは自分自身ができる工夫をしてみましょう。
警察を頼らずに「壁ドン」を解決①
木造アパートの壁はどうしても音が響くため、気を使いながら生活することが基本です。
しかし、こちらが出した生活音が原因で「壁ドン」されるなどの迷惑行為があった場合、いきなり警察沙汰にしたり、相手を刺激すると、かえってトラブルが大きくなることがあります。
そこで、まず自分で対応できる方法を参考としてご紹介します。
ただし、お住まいの物件や生活スタイルにより対応できないこともありますので、可能な範囲で取り組んでください。
①ドアや窓を占める音
ホームセンター等で戸当たり音を緩和させるテープを購入してドア枠に貼る
②歩く音
床にはカーペットを敷いて音を緩和させる。
そして、スリッパは履かず、靴下か素足で歩く。
③家具の配置
隣に面する壁には、音の出るものを置かない。
④掃除機や洗濯機などの家電
深夜、早朝など寝静まった時間や、窓を開けたまま使用しない。
掃除機の使用は極力控えてコロコロやホウキでゴミを集める。
⑤話し声
電話や友達との会話が盛り上がりそうなら、外に出て話すこと。
⑥目覚ましのアラーム
消し忘れ防止機能が付いたものや、携帯電話のアラームを使用し、鳴り続けることを防ぐ。
他にも生活音を防ぐために工夫できることはたくさんありますが、あまり過度なことをするのは精神的な負担が大きくなってしまいます。
「壁ドン」をされ続けるなど、常識の範囲を越えたら管理会社かオーナーに相談してください。
警察を呼ばずに「壁ドン」を解決②
「壁ドン」トラブルを警察も管理会社も呼ばずに解決するもうひとつの方法は、引っ越しすることです。
迷惑行為をする人と壁越しに暮らすことは、先々を考えるとリスクを伴います。
転居費用が無駄になると思われるかもしれませんが、万が一揉め事で傷害事件になれば、それ以上にお金や苦痛が生じる可能性があります。
そもそも、アパート暮らしをしている人は、次のような理由の方が多いと思います。
・親元を離れて大学や仕事に通うため、家賃を抑えたい
・新婚生活をスタートさせるため、とりあえずアパートで家計の負担を減らす
・ルームシェアをして家賃の負担を軽くする
・家を購入する費用がないため賃貸暮らし
・仕事、趣味用の部屋
・他に物件がなかった
これらは、一人暮らしの方と複数人で暮らす方が混在しています。
生活音の種類や音量は居住人数が多いほど増えますから、隣人が一人暮らしなら、トラブルに繋がってもおかしくありません。
「壁ドン」される側でなく、自分がする側にならないためにも、アパートは、世帯数や生活に応じて住み替えることをおすすめします。
また、防音効果のあるマンションや戸建を視野に入れてみるのも良いでしょう。
警察はアパートの「壁ドン」を解決しません
アパートは見知らぬ他人同士が住む集合住宅です。
住んでみないとわからないこともありますが、隣人からの「壁ドン」や迷惑行為で悩まれてる方は、自分に問題がないかを考え、警察でなく、管理会社やオーナーに相談するようにしましょう。
そして、物件を選ぶときは、生活スタイルを考慮して選んでください。