壁を守り、壁と床の緩衝材になっている巾木(はばき)。
衝撃を受けることが多いために、傷んだり、剥がれたり、しやすいものです。
巾木を補修、交換したい場合、diyできるのか、または業者に依頼するべきなのか、迷う方も多いのではないでしょうか。
実は、ソフト巾木に関しては、比較的簡単にdiyすることが可能です。
そのため、大家さんで修復やインテリアのために、「自力で巾木を交換したい」と思われる方もいるかもしれません。
そこで、巾木の種類から選び方、そして、ソフト巾木の交換をdiyする方法まで、まとめてご紹介します。
巾木の交換はdiyできる?そもそも巾木ってなんであるの?
巾木は、壁と床がぶつかる部分についている見切り材のことで、どんな巾木を使うかによって、部屋全体の印象を大きく左右するものでもあります。
それだけではなく、「壁を守ること」と「壁と床の緩衝材」という大きな役割をもっているのです。
そのため、巾木は衝撃を受けることが多く、傷んだり劣化で剥がれたり、めくれたりすることがあります。
そんなとき、巾木の補修や交換を業者に依頼すれば、仕上がりは確実にキレイになりますし、安心ですが、材料費の他に作業代が掛かります。
一方、diyでやってみようと考えた場合、そもそもdiyできるものなのか、キレイに仕上げることはできるのか、不安になると思います。
結論からいうと、巾木の交換は、特別な知識や技術がなくても、ポイントとコツをつかんでしまえば、diyが可能です。
しかし、巾木の種類や特徴をしっかり踏まえた上で、どんな巾木を選ぶのかにもよります。
巾木の種類によっては、ある程度の経験と道具が揃っていなければ、容易にはできません。
それでは、巾木の種類と特徴から詳しく見ていきましょう。
diyに向いている巾木って?巾木の種類を知ろう!
巾木には、大きく分けて「ソフト巾木」と「木巾木」の2種類があります。
それぞれの特徴を踏まえた上で、どちらの巾木を選択するかを決めることが大切です。
材質も形状も違うので、施工方法が変わってきます。
まずはその2種類の違いを知りましょう。
【ソフト巾木】
・柔らかい塩化ビニルでできていて、薄く、しなやかなので、どんな壁にも施工が簡単
・出隅には、カットすることなく折り曲げて使える
・施工法は、接着剤を付けて、壁に貼っていく
・材料費は、500円前後(1m)
【木巾木】
・木でできていて、厚みがあり、強度もある
・型材やサイズで販売されていて、カットして使うことが多い
・施工法は、ボンドを付けて壁に貼った後、溝の部分に釘などを打ち付け固定する
・材料費は1,000円前後(1m)
このように、巾木の交換をする施工のしやすさからいうと、diyには断然「ソフト巾木」が向いていることが分かります。
一方、「木巾木」は、正確な採寸とカットが求められることもあり、ある程度の経験がないと、容易にはいかないでしょう。
また、木巾木は1本4mのものが多いので、搬入が大変ということもあります。
傷んだソフト巾木を手軽に補修する方法!
上記のように、巾木の交換をdiyでする場合は、「ソフト巾木」が向いているということが分かりました。
実際に、交換をする前に、今お使いのソフト巾木が補修できる場合についてのお話をさせていただきます。
経年劣化などで巾木が剥がれかけ、壁から浮いている状態の場合には、アロンアルファとドライヤーを使って対処してみてください。
剥がれて浮いている部分のできるだけ上部分から、アロンアルファを流し込みます。
巾木を壁に押し付けて、ドライヤーの風を当てて温めながら圧着します。
ドライヤーの熱で、ソフト巾木が柔らかくなり、壁面との接着性が増すためです。
しばらく手で押さえて、しっかり接着できたら完成です。
少しだけ巾木が剥がれかけているという時や、壁と巾木の間に隙間ができてしまっているという時に、手軽にできるので、試してみてください。
では、次にソフト巾木を交換する際に必要な材料と道具をご紹介します。
ソフト巾木の交換を簡単diyするための準備とは!?
ここでは、ソフト巾木の交換をdiyする場合に、必要な材料と道具、また始める前の準備についてご説明させていただきます。
【材料】
・ソフト巾木
・ソフト巾木専用の接着剤
・接着剤に付属している塗るためのクシ
【道具】
・養生テープ
・ヘラ
・カッター
・スケール
・ローラー
以上が必要なものです。
diyを始める前に、接着剤が床に付かないよう、養生テープをはりましょう。
そして、どの場所から貼り始めればキレイに収まるか、部屋全体を見まわして、貼り始めのスタートを決めましょう。
また、巾木には上下がある(R部分のある方が下)ので、それも確認しておくと良いです。
ここまでで、準備が整いますので、次は、実際にソフト巾木を交換する手順をご紹介していきます。
ソフト巾木の交換をdiyでやってみよう!
まずは、今まで使用していた巾木を剥がすことから始めましょう。
巾木だけを強引に剥がそうとすると、壁紙まで一緒に剥がしてしまう可能性があるので、必ず、カッターで壁紙に切れ目を入れてください。
そして、ヘラや定規などを使って、壁についた巾木を離すようにして、丁寧に剥がしていきます。
次に、巾木にソフト巾木専用の接着剤を塗って、壁に貼り付けていきます。
難しい作業ではありませんが、コツが3点あります。
・ソフト巾木専用の接着剤に付属しているクシを使うこと
・接着剤は少しずつ、隅々までしっかりと塗ること
・オープンタイム(粘着性能が発揮するまでの待ち時間)を必ずとってから壁に付けること
この3点さえ気を付ければ、難なくできる作業です。
壁の端から張り付けていき、その部分をしっかり手で押さえるか、できればローラーを転がしながら圧着してください。
このとき、入隅部分(内側に90度の隅部分)は、つなげたままだと剥がれやすくなってしまうので、カットして継ぎ目がくるようにしましょう。
最後に、余った部分の巾木をカットして終わりです。
このように、ソフト巾木の交換は、ポイントとコツさえつかめば、diyをすることが可能です。
巾木の選び方はどんなインテリアにしたいかによって決まる!
ここでは、巾木の交換をdiyするときに、どんな巾木を使用するか悩んだ場合についてお話をさせていただきます。
最初にもお伝えした通り、巾木によって、部屋の印象がガラリと変わるといっても過言ではないくらい、インテリアにとって重要なものです。
では、どのように選べばいいのでしょうか。
例をいくつか挙げてみます。
①フローリングの色に合わせるパターン
フローリングにダークブラウン系の暗い色、壁紙は真っ白な明るい色が使われている場合、巾木を床材の色に合わせると良いでしょう。
部屋全体の印象は、真っ白な壁紙の効果で明るく見え、巾木を床の色と合わせることで、床材のダークブラウンがくっきり見え、部屋全体にメリハリができ、しまって見せることができます。
②壁の色に合わせるパターン
壁やドアが白で統一されている場合、巾木にも白を使うと、部屋全体が広く見えます。
梁が見えて視界に遮るものがある部屋でも、足元の巾木が壁と同色であることで、すっきりした印象を与えることができます。
③おもしろ柄の巾木を使ってみるパターン
ソフト巾木の中には、多様なデザインのものがあります。
中には、石目調のものや、アルミ調のものなど、とてもリアルに表現されているものも多いです。
インテリアに溶け込むような巾木とは逆に、巾木をアクセントとして使ってみても面白いかもしれません。
足元に「おっ」と目がいきますし、おしゃれな空間を演出することができます。
このように、巾木を選ぶときには、どんなインテリアにしたいのかイメージを持っていると良いですね。
巾木交換のdiyにはソフト巾木が断然向いている!
いかがでしたか。
ソフト巾木の交換をする場合、特別な知識や技術がなくても、ポイントさえ掴んでしまえばdiyすることが可能です。
一方、木巾木の場合は、キレイに仕上げるためには、採寸やカットの正確性が不可欠になってくるため、それなりの経験がないと簡単にはいきません。
部屋の間取りや、壁際の梁の有無により、施工の難易度が変わってきますので、初めて巾木の交換をdiyで挑戦する方は、まずは長方形のシンプルな部屋から始めることをおすすめします。
また、失敗することもありえます。
そうなると、見た目も悪くなってしまうため、入居者の印象も悪くなってしまうかもしれません。
このようなことからも、業者に依頼することが一番安心ではありますね。