新築でマイホームを購入することを夢見る人は多いです。
しかし、住宅などの新築の建物を取得した場合、その「登記」が必要になることはご存知でしょうか。
ここでは、その場合に必要な、登記の流れについてご説明していきます。
これから新築のマイホームを購入する予定のある人は、ぜひ参考にして下さい。
なぜ住宅を新築したら登記が必要なの?
今回は、元々何もない土地に、ローンを使わずに住宅を新築した際の登記の流れについてお伝えしていきます。
まず、住宅を新築した場合、なぜ「登記」を行なう必要があるのかというところから見ていきましょう。
住宅を新築した際に行う登記は、正しくは「不動産登記」と言い、登記すると
・所在地
・所有者
・何に使われる建物か
などの情報が登記簿に書かれます。
つまり、「登記」には、「登記簿の表題部に登記事項を記録する」ことで、「この建物が誰のものかをはっきりさせる」という意味があるのです。
仮に、新築の住宅を取得したにもかかわらず登記せずにいると、10万円以下の過料が課せられます。
また、住宅を新築した際の登記の期限は、「建物が完成してから1ヶ月以内」と法律(不動産登記法 第164条)で定められているので、マイホームが完成したら必ず1ヶ月以内に登記の手続きを取るようにしましょう。
なぜ、こうした登記制度があるのかというと、
・個人の資産を守るため
・不動産の取り引きを円滑に進めるため
です。
住宅などの建物については、どれが誰のものなのかが分からないと、住宅という個人の所有する大事な資産が守れないだけでなく、不動産を売買したり貸したりする際にトラブルが起こりやすくなります。
それを防ぐために「登記」という制度があるので、新築で手に入れた住宅の登記をきちんとしておくことは、とても重要なことなのです。
住宅を新築した場合に行う登記の種類と概要
今回は、新築で住宅を取得した場合に行う登記やその流れをメインにお伝えしていきますが、先ほどのお話で、「登記」の概要や重要性についてはご理解いただけたと思います。
一見、難しく感じる不動産登記ですが、新築で住宅を取得したら、面倒がらずにきちんと手続きをしなければなりません。
まず、新築で住宅を取得した場合に必要になる登記が、「建物表題登記」です。
これをすることで、初めて、登記簿の表題部に登記事項が記録されます。
しかし、この建物表題登記をすれば終わりではありません。
併せて、「所有権保存登記」も行います。
こちらは、建物表題登記と異なり、必ずすべきものではありませんが、大抵の人は「建物表題登記」をするのと同時に行います。
なぜなら、所有権保存登記がないと
・住宅の売買や相続ができない
・抵当権の設定ができないので、ローンの利用ができなくなる
からです。
ローンを利用する予定がなくても、住宅の売買や相続については、いつそれをすることになるか分かりません。
そのため、所有権保存の登記もしておくのがおすすめです。
新築の住宅を取得後、登記に必要な書類は?
先ほどは、新築の住宅を取得した場合に行う登記の種類、そしてその概要についてお伝えしました。
そこで、少なくとも、「建物表題登記」と「所有権保存登記」という2つの登記をするということが分かりましたね。
ではここで、これらの登記をするのに必要な書類にはどんなものがあるのか、しっかり確認しておきましょう。
①建物表題登記
・住民票
・印鑑証明書
・登記申請書
・建物図面
・建築確認書
役所で住民票や印鑑証明書を取り、登記申請書に添付して法務局の窓口に提出します。
建築確認書については、そのコピーを提出します。
②所有権保存登記
・住民票
以上が、2つの登記をするのに必要な書類です。
後は、揃えた書類をどこに持って行って登記の手続きをすれば良いのかが分かれば、何も怖いものはありませんね。
新築の住宅を取得した際の登記の流れについては、次の章でお伝えします。
住宅新築後に行う2つの登記の申請の流れと費用
では、新築住宅が完成後の「建物表題登記」と「所有権保存登記」の流れや費用をご紹介します。
建物表題登記や所有権保存登記では、法務局まで行って手続きするか、郵送で申請します。
法務局へ行く場合は、平日でなければならないので、気を付けて下さい。
また、郵送で申請する場合には、封筒に入れて送りますが、その際、封筒に「不動産登記申請書在中」と書き、「書留」で出すことをおすすめします。
重要な書類が沢山入っているので、紛失されては困りますよね。
しかし、書留なら封筒の行方が記録されます。
万一の事故の際も、範囲内であれば実損額が弁償されるので安心です。
ただし、郵送で提出した書類に不備があると、法務局から連絡が入ることになるので、心配ならば平日に時間を作って直接法務局の窓口で申請しましょう。
受付された書類は、登記官の審査を経て、登記簿に記載されます。
登記自体はこれで完了ですが、登記には費用がかかります。
建物表題登記をする際は、一般的に、土地家屋調査士に依頼することが多いです。
しかし、その費用は住宅の床の面積によって変わってきます。
費用相場としては、大体、6万円~10万円程度でしょう。
一方、所有権保存登記の費用は、司法書士の手数料として、2~3万円ほどかかります。
新築の住宅を購入する際は、登記のための費用も忘れずに用意しておきましょう。
住宅を新築した際の登記の流れで気を付けたいこと
今回は、住宅を新築した際の登記の流れをお伝えしていますが、その際に、気を付けたいことがあります。
それが、「新築で住宅を建てた土地に、以前、別の建物がなかったかを確認すること」です。
「元々何もない土地に建てた」とはっきり分かっている場合は問題はありません。
また、明らかに別の建物があったことが分かっていれば、その場合の手続きについて確認し行動するでしょう。
しかし、以前、この土地に何が建っていたのか分からない場合には、法務局で確認する必要があるのです。
もし、新築した建物の敷地の上に以前建っていた建物の登記が残っていた場合、そちらの登記を削除する手続き(滅失登記)をしなければなりません。
同じ土地の上に複数の建物があることになってはいけないからです。
住宅を新築して建物表題登記をした後で、滅失登記が必要だったことが分かると、一度建物表題登記を取り下げる必要が出てきてとても大変です。
そのため、新築した建物の敷地の上に、他に建物の登記があるかを先に法務局で調べましょう。
以前の建物の登記が残っているのなら、その建物の滅失登記を申請してから、新築した住宅の建物表題登記をすることになります。
住宅を新築する際は、登記の流れも頭に入れておこう!
今回は、元々何もない土地に新築の住宅を、ローンを利用せずに建てたケースを例に、
・登記の種類
・登記に必要な書類
・登記の流れ
などを見てきました。
しかし、実際には、様々なケースがあります。
例えば、ローンで住宅を取得した場合には、これまでご紹介した登記に加えて、別の登記をすることも必要になってきます。
(例えば、上記のケースだと、「抵当権設定登記」という手続きが必要です。)
この他にも、新築の建物を取得した経緯が違えば、登記にかかる費用や必要な書類も変わってきます。
そのため、これから新築の住宅を取得する予定がある人は、あらかじめ自分が行なう必要のある登記の種類や流れを勉強しておくと良いでしょう。
自分の住宅の登記には、何の書類が必要なのか、いくら費用がかかるのかなどを少しでも知っておくと、慌てることなくスムーズに登記の手続きができるでしょう。
手続きの流れが分かれば、登記は何も怖くない!
今回は、新築の住宅をローンを使わずに入手した場合の、登記の流れをお伝えしました。
難しそうに見える登記も、何を準備すれば良いのかが分かれば、怖くないことが分かったのではないでしょうか。
自分の財産である家を守るためにも、登記の手続きはきちんとしておきましょう。
この記事が、これから新築の住宅を取得する人にとって、少しでも参考になれば幸いです。