近年、DIYが流行しています。
そのため、壁紙や床材をアレンジしたり、収納棚などを作ったり、庭のアレンジなどに挑戦している方も多いですよね。
今回は、自分でできる濡縁の作り方をご紹介いたします。
ちょっとしたコツを掴むだけで、短期間で自宅のお庭に素敵な濡縁が完成しますよ。
濡縁とは何?ウッドデッキや縁側などとの違い
建物内部と外部を繋ぐ廊下のような部分を、「濡縁(ぬれえん)」と言います。
明確な定義は存在していないようですが、屋根や壁に覆われていないため、雨が降ると濡れることから「濡縁」と呼ぶようです。
では、縁側とは何が違うのでしょうか。
縁側は、建物内部に接続していて、屋根や壁、そして建具で仕切られている廊下のようなものです。
建物の外部にあり、独立したものが濡縁、建物の内部にあり、建物と接続しているものが縁側です。
他にも、縁側の幅が広くなったものを「広縁」といい、洋風の木製テラスのことをウッドデッキと言います。
いずれも、建物の内部と外部の境目に存在し、開放感のある空間です。
最近のDIYブームで、濡縁などを自分で作る方も多いです。
作り方が簡単なものもあるので、自分なりに細かな部分までこだわって、個性あふれる濡縁を作る方もいるようです。
濡縁の魅力
濡縁の魅力と言えば、やはり開放感です。
家にいながら、気軽に外の空間を感じることができる場所です。
濡縁や縁側は昔ながらのものですが、近年、その魅力が見直されています。
日当たりのいい時間帯には、布団などを干したり、日向ぼっこをしたり、暑い季節は夕涼みをすることができます。
視界に入る庭を眺めて、四季の変化を感じることもできます。
また、濡縁は建物内部と独立して設けられるため、自分で作ることもできます。
作り方などの情報も、スマホなどで手軽に手に入れることができます。
庭にわずかなスペースがあるなら、濡縁を自分で作ると、オリジナリティのある家になるかもしれませんね。
庭を眺めながらゆっくりと時間を楽しむのは、とても心地のいいひとときになるでしょう。
濡縁のある家を検討してみよう
これから家を購入しようとか、家を建てようという方は、魅力の多い濡縁のある家を検討してみてもいいかもしれません。
「狭い土地でいかに使い勝手の良い住宅を造るか」が日本の住宅の課題ですが、少し気持ちにゆとりを持って、濡縁のある家を購入すると、狭いながらも安らぎの空間が持てそうです。
これから家を建てる方は、設計計画の段階から濡縁を計画してもいいでしょう。
また、建売住宅を購入しようとお考えの方は、濡縁のある住宅を探してみるのもおすすめです。
しかし、「気に入った家には濡縁がない」ということもまだまだ多いと思います。
そんな時は、購入した家に自分で濡縁を設置してみてはいかがでしょうか。
作り方も簡単です。
ちょっとしたコツで、住宅の雰囲気を壊さず、かつ趣のある濡縁を設置することが可能です。
自分で作る濡縁は、購入する以上に、思い入れのあるものができそうですね。
濡縁の作り方~DIYに挑戦
では、実際に濡縁を自分で作ってみましょう。
基本的な作り方は、以下の通りです。
・木材をカット
・木材に塗装
・束、木材を組み立てる
・ビスで止める
まずは木材を購入しましょう。
大型のホームセンターでは、種豊富に木材が取り揃えてあります。
濡縁は外部にさらされるため、虫や腐食に強い木材がオススメです。
また、土台などに適した強度の強い木材がいいでしょう。
ヒノキやヒバがオススメですが、実際に自分の目で見て、店員さんのアドバイスを聞いて、確かめてみてください。
木材のカットは、ホームセンターで購入したものは無料でカットしてくれるサービスや、カットする機械を貸し出して、その場で、自分で好きな大きさにカットできるサービスなどもあります。
たくさんの木材をカットしたい場合などは、有効に活用しましょう。
また、ホームセンターによっては、無料で軽トラックを貸し出してくれるところもあります。
時間は決められていますが、長い木材やたくさんの木材を一度に運ぶ時に大変便利です。
次に塗装をします。
濡縁は雨風にさらされるものなので、「防虫防腐剤」の入った塗料を使用してください。
値段は様々ですが、やはり防虫防腐剤の効果が高い塗料がオススメです。
塗料が乾くのには数時間かかります。
天気の良い日に行うのがいいでしょう。
カラッと晴れた日は、塗料の乾燥も早くなります。
雨が降っては台無しなので、天気を確認しながら行なってください。
乾燥を待つ間に、他の作業を進めます。
濡縁を作る時間を短縮するには、土工事でコンクリートを打設せず、束石を立てるのがオススメです。
ただし、元々コンクリートのせり出し(エプロンと言う)がある場合は、土工事は不要です。
ただ、束石を立てるときも、必ず水平にするように心がけてください。
自宅に水平器はないかもしれませんが、100円ショップなどで購入できます。
束石を均等に配置し、束石の頭部が水平になっていることを確認してください。
地面との接続をしない濡縁を作りたい場合は、この工程は不要です。
その際は、土台となる足の木材にぐらつきがないようにしましょう。
木材の塗装が乾いたら、いよいよ組み立てです。
束石に足になる木材をボルトで止めていきます。
次に、床板を取り付けるための縁や根太を、ビスで取り付けます。
そして、床板を取り付けたら完成です。
この時も、水平を意識しながら取り付けると、仕上がりがきれいになります。
賃貸での濡縁の作り方
賃貸で濡縁を作る場合は、建物に接続することは無理ですし、大家さんの了承がないといけなかったりと問題が出てきます。
それでも、濡縁は作ることは可能です。
前述したような本格的な濡縁とは違い、作り方も変わってきますが、「濡縁キット」というものがあります。
濡縁をつくるために必要な材料がすべて入っていて、木材も必要な長さにカットされています。
材質は木材の他に、木材と樹脂が混合されたものがあります。
説明書に沿って組み立てて、完成したものを設置するというシンプルなものです。
この濡縁なら、単に設置するだけなので、賃貸でも問題なく濡縁のある家を実現することができます。
木材をカットする、塗料を塗る…というような工程はないので、手作り感は欠けますが、手軽に作成でき、簡単に濡縁が設置できるので、メリットも大きいと言えます。
作り方で雰囲気が変わる濡縁
一般的に、濡縁は、床板が建物に対して垂直に張られたものを言います。
そして、建物内部にある縁側や広縁などは、床板が建物に対して平行に張られたものを言います。
濡縁は外部にさらされているため、水はけのいい構造として床板は垂直に張られているというわけです。
しかし、明確な定義があるわけではなく、濡縁の作り方によっては雰囲気を大きく変えることもできます。
濡縁の幅を大きくしたり、床板の貼り方を変えてみたりと、オリジナルの濡縁を作るのもいいでしょう。
洋風のイメージのある家にはウッドデッキを設置している家が多いと思いますが、濡縁を置いても、趣のある空間が作れます。
作り方に少し工夫を凝らせば、昔ながらの濡縁とは違ったオリジナリティーのある濡縁を作ることができるのでオススメです。
手作りの濡縁を設置して、こだわりの空間を
濡縁の作り方は簡単で、短期間ででき、手軽に設置できます。
木材のカットや塗装などから始める作り方もあれば、すべてが揃っていて組み立てるだけのキットを使う方法もあります。
いずれにしても、濡縁を設置することで、家にいながら外の雰囲気を味わうことができ、四季の移り変わりを感じることができます。
手作りの濡縁は、こだわりの空間を体感でき、きっと素敵な時間を過ごすことができるでしょう。