木造などの構造で変わる!?賃貸アパート等の壁の厚さの違い

賃貸物件を検討している場合、気になるポイントの一つには「防音性」もあるのではないでしょうか。

周囲の音が聞こえてくるのも、自分の生活音が外に漏れるのも嫌ですよね。

防音性は、アパートやマンションなどの壁も関係してきます。

この記事では、木造などの構造ごとに、壁の厚さの違いをみていきましょう。

防音のキーとなる壁!どのくらい厚さが理想?

音の多くは窓から入ってくることが多いですが、壁からも伝わってきます。

そのため、賃貸アパートやマンションに住む場合、防音性において壁もキーとなるのです。

ご周知のとおり、壁が薄ければ音は隣室に筒抜けになってしまいますし、反対に厚ければ音漏れしにくくなるでしょう。

ですから、壁の厚さも、音を気にする方は確認しておくことが重要です。

それでは、音漏れしにくい壁の厚さはどのくらいあると良いのでしょうか。

あくまでも理想の厚さにはなりますが、だいたい15センチ以上の壁があると、高い防音効果が期待できます。

壁の厚さに関しては不動産屋さんなどに、確認しておくようにしましょう。

この壁の厚さですが、アパートなどの構造によって厚みも変わってきます。

代表的な例には木造がありますが、ほかの種類の構造もありますので、次項でご紹介していきましょう。

木造や鉄骨造など!アパートの構造はさまざま!

ここでは、アパートの構造にはどのようなものがあるかをお伝えしましょう。

●木造

木材をベースにした構造のことで、一戸建ての多くは木造で建てられています。

アパートにも木造のものがあり、比較的安い家賃で入居できます。

●鉄骨造

鉄骨を構造材料とする工法・構造を、鉄骨造といいます。

鉄骨の厚さによって分けられており、鉄骨の鋼材の厚さが6ミリ以上のものを重量鉄骨造、暑さが6ミリ未満のものを軽量鉄骨造に分けられます。

●鉄筋コンクリート造(RC造)

簡単にご説明すると、鉄筋を組んだ枠にコンクリートを流し込んで造られる構造のことをいうのです。

圧縮力に強いコンクリートは、もろい側面もあります。

これを引張力に強い鉄筋を用いることで、補強に成功した構造なのです。

●鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

鉄筋コンクリート造の鉄筋の枠組みの中心に、さらに鉄骨が組み込まれている構造をいいます。

アパートではあまり見かけませんが、タワーマンションなどに用いられることの多い構造です。

大きく4つの構造がありますが、それぞれ壁の厚みにも違いがあるのでしょうか。

構造によって壁の厚さは変わる?【木造・鉄骨造】

先ほどアパートやマンションの構造についてご紹介しましたが、構造によって壁の厚さも変わってくるのかどうかを、ここでご説明していきます。

●木造

ベースは木材のため、あまり壁に厚みはありません。

そのため、木造アパートなどでは「音漏れがひどい」という声をよく聞きます。

さらに木材自体が、音を伝えやすくする性質があるので、防音性においてはあまり期待できない構造です。

●鉄骨造

先ほど、鉄骨造には重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2つに分けられるとお伝えしましたが、これら2つでも防音性が違ってきます。

壁の厚さに関しては、あまり大差はないようなのですが、重量鉄骨造のほうがしっかりとした壁や柱が建てられるので、多少は防音効果が期待できます。

一方、軽量鉄骨造は木造とあまり変わらない防音性ともいわれています。

そのため、防音性を重視する方は、木造と軽量鉄骨造は避けたほうがベターですね。

構造によって壁の厚さは変わる?【RC造・SRC造】

引き続き、アパートなどの構造によって壁の厚さが変わるのかをお伝えしていきます。

●鉄筋コンクリート造(RC造)

先ほどもお伝えしたように、鉄筋の骨組みの中にコンクリートを流して施工しますので、木造や鉄骨造と比較すると壁の厚さはかなりあります。

しかし、集合住宅の場合、隣室との間の壁がコンクリートの躯体なのか、石膏ボードなのかで防音性に違いが出るようです。

コンクリートの躯体であれば、高い防音効果が期待できます。

●鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

構造自体、鉄筋コンクリート造と似ていることから、こちらも高い防音効果が期待できます。

もし耐震性などの面を考慮するなら、鉄骨鉄筋コンクリート造のほうがおすすめですね。

以上のことから、構造ごとに壁の厚さに違いがありますから、もし防音性を優先するのであれば、鉄筋コンクリート造もしくは鉄骨鉄筋コンクリート造を選ぶと良いでしょう。

壁の厚さを見分ける!3つのポイント

防音性を重視するのであれば、木造よりは鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造が良いでしょう。

しかし、これらの構造に高い防音性が期待できるといっても、絶対に音が聞こえず漏れないということはいえません。

それを確認するためには、内見がとても重要になります。

ここで、住んだ後で後悔しない、内見でのポイントを3つご紹介しましょう。

①壁を叩いて確認する

内見に行くと、間取りや日当たりなどを見るかと思いますが、ここで壁もチェックしておくのです。

壁を軽く叩いてみて、音の伝わり具合を確認してみましょう。

壁の厚さが薄い場合は、軽い音がしたり響くことがありますので、よく聞きとってみてください。

また、壁を叩く箇所は1ヶ所ではなく、複数行いましょう。

特に収納スペースがある場合、そこの壁が薄くて漏れ出すこともあるようです。

収納スペースの壁の確認も忘れずに行ってくださいね。

②過去に騒音トラブルがないか確認する

内見で問題なくても、過去に騒音トラブルの事例があれば危険です。

壁以外で防音性に問題があるか、あるいは周囲環境も影響してくるでしょう。

不動産屋さんに確認して、騒音トラブルの事例がある場合はどういった事例なのかを聞いておきましょう。

③周辺環境を確認する

アパートなどの建物自体に問題がなくても、周囲に線路であったり繁華街がある場合は、音に悩まされることも考えられます。

内見の際にはアパートの周辺もよく確認し、安心して住めるかどうかチェックしておきましょう。

木造アパートでもできる!防音対策をご紹介

壁の厚さはアパートなどの構造によっても変わりますが、家賃に優先順位をおくならば、木造はやはり魅力的な物件といえるでしょう。

しかし住みはじめると、やはり音が気になってくることもあるかと思います。

そんな木造アパートでもできる、賃貸におすすめの防音対策をご紹介します。

賃貸では何かと制限がかかりますが、安心して試すことのできるものをご紹介しますので、ぜひ試してみてください。

●家具家電のレイアウトを変える

例えば、テレビやオーディオなどの音の出る家電などはなるべく壁側や窓側に置かないようにします。

そうすれば、隣室に音漏れすることも少なくなります。

さらに、本棚などの高さのある家具を壁側に寄せ、1センチ程度壁から離すようにして配置しましょう。

こうすることで、家具と壁の間に空気の層ができるので、より防音への効果が高まるのです。

●吸音パッドを家具と壁の間にはさむ

先ほどの家具を壁側に配置させることをお伝えしましたね。

さらに、吸音パッドを用意して、壁と家具の間にはさむのです。

これを加えるだけでも、音を聞こえにくく漏れにくくしてくれますのでおすすめですよ。

●防音カーテンを設置する

音の多くは窓から入ってきます。

ですから、壁に向けて対策をしても、窓から音が入ってくることも多いでしょう。

そこで、防音性のあるカーテンを用意して設置することも重要です。

賃貸物件では防音性の高い窓に取り替えるわけにもいきませんから、自分で設置するカーテンを防音性のあるものにしてみると良いでしょう。

これらの対策を行い、安心してくつろげるお部屋にしてください。

音で悩まされないために!内見や対策が重要

賃貸アパートなどの構造によっては、壁から音漏れしやすい構造もあれば、しにくいものもあります。

しかし、必ず音漏れしないとはいえませんから、内見でよく確認しておくことが重要です。

もし音よりも家賃を重視する場合は、多くの方が木造の物件を選ぶかと思います。

その際は、ご紹介したような防音対策を行い、音漏れしにくいお部屋を作るようにしてください。