賃貸アパートには、メゾネットタイプのアパートもあります。
アパートではあるのですが、一戸建てのような感覚を味わえるため、人気のアパートの一つです。
しかし、このメゾネットタイプのアパートは木造であることが多く、それゆえに騒音トラブルになることも否定できません。
この記事で、メゾネットアパートについてや、騒音トラブルについてお話ししていきます。
メゾネットアパートとはどんなアパート?
そもそも、メゾネットタイプのアパートがどのようなアパートかご存知でしょうか。
知っている方もいるかと思いますが、まずはメゾネットについてご説明していきます。
メゾネットは、アパートなどの集合住宅における間取りの形式の一つで、ほかの間取りと比べると少し特殊です。
どのような間取りの形式かというと、ひとつのお部屋に1階と2階それぞれフロアがあり、この間を階段で移動するといったつくりになっています。
そのため、アパートの部屋でありながら、一戸建てのような感覚で生活を送ることができるので、子どもがいるご家庭にも人気のあるアパートです。
多くが木造ですが、鉄筋コンクリート造のメゾネットアパートもあります。
そして、メゾネットアパートにはメリットになる部分と、デメリットになる部分があり、注意していないと騒音トラブルになる可能性も否定できません。
次の項から、メゾネットアパートのメリットとデメリットについてご説明していきます。
開放感を味わえる!メゾネットのメリット
ここからは、メゾネットアパートのメリット・デメリットについてお話をしていきます。
木造や鉄筋コンクリート造などの構造は関係なく、メゾネットタイプ全般でいえることです。
まずメリットとしては、大きく3点が挙げられます。
【一戸建てのように生活できる】
先ほどもお話ししましたが、メゾネットの間取りは一戸建てに近い間取りです。
集合住宅ではありますが、一戸建てのような感覚で過ごせるのは魅力的といえます。
【開放感を味わえる】
メゾネットは1階と2階のフロアを階段で行き来するため、その分天井が高く作られています。
特に入口近くは吹き抜けのようになっているので、一戸建てでもなかなか味わえない開放感を感じることができるでしょう。
【急な来客にも対応できる】
急な来客の場合、部屋の掃除が行き届いていなかったりすると焦ってしまいますよね。
一般的なワンルームなどですと、お部屋まで1本道であることが多いですから、浴室などほとんどの部屋を見られてしまうこともあるでしょう。
しかし、メゾネットは1階と2階にフロアがありますから、1階は来客用、2階を生活用とあらかじめ分けておけば、急な来客にも素早く対応することができます。
わざわざ2階に上がる人もいませんから、プライベートな部分をのぞかれる心配もありません。
以上のようなメリットが挙げられるため、一度メゾネットに住んだ方の多くは、引っ越してもまたメゾネットに住みたいと思ってしまうようです。
ですが、メリットがあればデメリットになる部分もあり、周囲の住人と騒音トラブルになることもあります。
メゾネットのデメリットの部分もみていきましょう。
メゾネットのデメリットにはどんなものがある?
メゾネットのデメリットには、どんなものがあるのでしょうか。
【家事が大変】
メゾネットは一戸建てのような感覚で生活できますが、その分家事は少し大変です。
特に掃除であれば、1階と2階、そして階段も掃除しなくてはなりませんから、移動も大変ですし掃除する範囲が広いので時間がかかります。
また、間取り次第では、洗濯など階段を行き来しないとできないものもあるので、足腰に負担がかかってしまうことも考えられます。
【階段の昇り降りが大変】
家事でも述べましたが、階段がやはり大変です。
多くのメゾネットアパートの場合、階段の段差が少々急にできていることもあり、子供やお年寄りがいるご家庭では注意すべき箇所にもなります。
何度も階段を昇り降りしなくてはいけない場合、足腰に負担がかかってくれば事故などにつながる恐れもあります。
そのため、子供やお年寄りのいるご家庭には不向きなアパートになるかもしれません。
【冷暖房費がかかる】
メゾネットは、1階と2階にフロアがあることで、お部屋には高低差が生まれます。
空気は温度によってたまりやすい場所が変わります。
例えば冷たい空気であれば下にたまりやすいので、1階と2階で冷暖房の効きが変わってくるのです。
冷房であれば、1階は涼しくなりやすいですが、2階はなかなか涼しくなりません。
一方、暖房の場合は、2階スペースは暖かくなりますが、1階はなかなか暖かくなりにくいのです。
このように、冷暖房の効率があまり良くないため、その分冷暖房にかかる電気代もかかってしまいます。
ここまではメゾネットアパートの構造に関係なく、メゾネット全体にいえるデメリットについてご説明してきました。
くわえて、メゾネットアパートが木造の場合は、音に関してのデメリット部分があるのです。
騒音トラブルにもなりかねない、音については次項でお伝えします。
騒音トラブルになりやすい!木造メゾネットアパート
メゾネットアパート全般のメリット・デメリットについてお伝えしましたが、アパートの構造が木造の場合は別のデメリットがあります。
木造の素材である木材は通気性がとてもよく、湿度が高いといわれる日本の住宅にとても合う素材とされています。
そのため、一戸建てはもちろんですが、メゾネットアパートも木造であることが多いのです。
しかし木造の通気性の良さが、同時に音も伝えやすくしてしまっています。
生活をするうえで、音は必ずといっていいほど発生してしまいますから、木造の通気性の良さが、これらの音を周囲に伝えてしまうのです。
ですから、木造メゾネットのアパートですと、周囲の音を聞こえやすく漏れやすくしてしまうため、注意しないと周辺住人と騒音トラブルに発展することもあるのです。
どのくらい音が伝わるかについては、次の項でご説明します。
本当に騒音!?木造メゾネットだとどのくらい音が聞こえるの?
メゾネットアパートのデメリットの一つに、木造が多いゆえに、音が漏れやすく騒音トラブルになる可能性もあることをお伝えしましたね。
しかし、生活音が騒音になるのか、疑問に感じる方もいることでしょう。
それでは、木造メゾネットのアパートの場合、どのくらい音が聞こえてくるのでしょうか。
実際に木造メゾネットのアパートに住んだ人の意見をみてみると、
・ほとんどの生活音がダダ漏れ
・テレビの音は余裕で聞こえる
・足音も響く
・水の流れる音やシャワーの音も聞こえる
・階段の音もよく聞こえる
・会話の内容もわかるくらい、話し声は丸ぎ声
・いびきやくしゃみなどもよく響く
などといったものがあります。
一瞬の間だけでしたら我慢できるでしょうが、これがずっととなると騒音と感じる可能性は高いです。
また、生活の音がほとんどダダ漏れですと、家の中にいても常に気を張っていなければなりませんよね。
もちろん、アパートによって違いもあります。
中には、「周囲の音はほとんど聞こえず、自分が友人たちと夜遅くに少し騒いでいたときも近所迷惑とまではいかなかった」との声もありました。
ですから、全部の木造メゾネットに該当するわけではありませんが、多くの場合が先ほど挙げたような生活音が聞こえてきてしまうようです。
当然自分が聞こえれば、相手にも自分の音が聞こえている可能性が高いので、騒音トラブルになるような音を出さないように自分も注意しなければなりません。
騒音トラブルを招かない!木造メゾネットを選ぶ際の注意点
木造メゾネットでは、特性上、周囲の音を伝えやすくしてしまいます。
周囲の住人と騒音トラブルに発展してしまうこともありますから、住む場合は音に対して十分に注意しなければなりません。
しかし、メリットになる部分もありますので、人によっては「メゾネットが良い」「メゾネット以外のアパートには住めない」という方もいることでしょう。
ここで最後に、木造メゾネットを選ぶ際の注意点をご紹介します。
●見学は昼と夜で2回行く
部屋を決める際は、契約を結ぶ前に必ず見学に行きますよね。
そのとき、たいてい1回で済ませることが多いでしょうが、木造メゾネットの場合は昼と夜の時間帯で2回行くことをおすすめします。
なぜなら、昼に聞こえる音と、夜に聞こえる音では違いがあるからです。
会社員の方でしたら、夜に過ごすことが多くなるでしょうから、夜にどれだけの音が聞こえるのかも重要になってきます。
さらに、アパートの周辺環境も昼と夜では変わるでしょうから、こちらも合わせてみておくと良いでしょう。
●隣の部屋の間取りを確認
不動産屋さんに頼んで、隣の部屋の間取りがどのようになっているかを確認しておきましょう。
メゾネットアパートによっては生活音がダダ漏れになってしまう恐れがありますので、隣の部屋のどの部屋が隣接しているか知っておくことも大切です。
特に寝室になる予定の部屋が、隣の部屋のリビングと隣り合わせになっていたら、音が気になってくつろげなくなるかもしれません。
そのため、隣の部屋の間取りを大まかに知っておくことも、メゾネットを選ぶうえでは重要になるのです。
ここでは2点ご紹介しましたが、人によって気になる部分が異なるかと思います。
そういった点もよく確認してから、木造メゾネットの部屋を選ぶようにしてください。
デメリットなどを確認したうえでメゾネットのお部屋を選ぼう!
メゾネットアパートは一戸建てで生活をしているかのような気分にもなり、開放感を味わえるのが魅力です。
しかし、階段があることで家事などが大変になったりとデメリットになる部分もあります。
特に木造の場合は、音が聞こえやすく漏れやすいため、注意しないと騒音トラブルになる場合もあります。
このようなメリット・デメリットを理解し、見学などで音や周辺環境を確認したうえで、快適に過ごせるメゾネットのお部屋を選んでくださいね。