ペット可のアパートやマンションは、近年、増えつつあります。
ある程度の需要が見込めますので、お持ちのアパートに空室が目立ってきたら、ペット可アパートへの変更も、考慮してみてはいかがでしょうか。
その際の、防音対策や注意点などを、お伝えしていきます。
アパートに空室が目立ってきたら
アパート経営で困るのは、空室がなかなか埋まらないときです。
空室対策で頭を悩ませている大家さんは、たくさんいることでしょう。
特に、築年数がある程度経過しているアパートは、なかなか空室が埋まりませんよね。
せっかくリフォームして、設備を新しくしたのに、空室が埋まらないと経費ばかりが、かさみます。
更新の時期を過ぎても、満室にならないのであれば、何か対策を考えなければなりません。
空室が出てしまう原因を突き詰めて解決すれば、満室になるはずですが、対策を講じてみても効果が出ないこともあります。
これ以上、家賃を下げることもできません。
そのような場合は、あなたのアパートに、お近くの競合物件にない、新しい魅力を付加する必要があります。
そのひとつの魅力として、おすすめするのが、ペット可アパートです。
ペット可アパートは、近年増えつつあります。
とある調査では、何らかのペットを飼っている世帯は、全体の1/3程度であるとの結果が出ています。
この結果から見ても、ペット可アパートの需要は高まっていると考えられます。
もともと普通のアパートであったものを、ペット可アパートにする場合、どのような部分に注意すればよいのでしょうか。
防音対策などは、どのようにすればよいのか、みていきましょう。
ペット可にするには?防音対策は?
ペット可アパートは増えているとはいえ、まだ賃貸物件数が不足しています。
もし、周辺にペット可アパートがあまりない地域であれば、家賃を下げずに空室を埋めることができるかもしれません。
しかも、リフォームをせずに済む可能性もあります。
お金をかけてリフォームをし、新築同然にしたアパートですと、ペットを飼っている人から、逆に敬遠される傾向があります。
キレイすぎる部屋ですと、自分のペットが汚してしまう心配が生じてしまうからです。
それであれば、部屋はリフォームせず、クリーニングだけして、ペット可にするのもひとつの方法です。
しかし、気になるのは防音対策です。
もともとペット可アパートではなかったのですから、防音対策がされていることは少ないでしょう。
そのため、リフォームをするのであれば、防音対策に絞って行うのもおすすめです。
それだけでも、埋まらなかった空室が埋まる可能性があります。
それでは、ペット可アパートで入居者を募集する際の注意点について、お伝えしていきます。
アパートをペット可にする前に確認すること
まずは、もともとお住まいになっている入居者に、ペット可アパートになることについて、お知らせします。
前置きなくペット可にしてしまうと、既存の入居者とトラブルになってしまう可能性があるからです。
ペット可アパートにしたことによって、既存の入居者が退去してしまっては、意味がありません。
木造アパートでは、防音も完璧ではありませんので、既存の入居者の同意は、必ず得ておきましょう。
ここで異議がなければ、ペット可アパートとして募集をします。
もし、防音対策が心配なようでしたら、『小型犬1匹のみ』など、条件を決めるようにしましょう。
ペット可にすると、どうしても騒音や臭いの問題が出てきます。
契約書で、規則や条件を明確にしておくことが大切です。
また、原状回復が高額になることも覚悟しておきましょう。
そのため、敷金を多く取るなど対策が必要になります。
できるだけ汚れ・防音対策をしておく
アパートをペット可にするのは、空室対策としては有効です。
しかし、良いことばかりではありません。
ペット可にすることによって、起こるトラブルもあることを知っておきましょう。
まず考えられるのは、汚れや臭いの問題です。
先ほどもお伝えしましたが、原状回復工事が高額になってしまうこともあります。
クロスの汚れ、床や柱にキズがあると、大きな修復工事が必要になるかもしれません。
また、飼育状況によっては、においが部屋についてしまうこともあります。
こういったことを防ぐために、大家さんとして対策できることは、あらかじめ行っておきます。
簡単でおすすめなのは、フローリングの上にフローリングカーペットを敷いておくことです。
敷くだけで、きれいな床になりますし、リフォームほどお金も掛かりません。
退去後は、交換するだけで、再びキレイな床にすることができます。
ペットのことを考えて、クッションフロアタイプのカーペットにしても良いかと思います。
これは、防音対策としても、おすすめです。
クロスの汚れについては、壁の下部に剥がせる保護シートを貼り付けておくことで、ある程度防ぐことができます。
さらにしっかり対策をしたい場合は、アクリル板でできたペットの引っ掻き防止板を、壁の下部に貼り付けるという方法もあります。
リフォームするなら防音対策を重点的に
ペット可アパートといっても、騒音が可なわけではありません。
もし、本格的にペット可アパートにするために、リフォームをするのであれば、以下のような設備を付けるのがおすすめです。
リフォームの際には、防音・遮音効果のある建材を使います。
ペットの鳴き声や足音を抑えてくれる、遮音性の高い下地パネルや防音シートを、床・壁・天井に使いましょう。
また、気付きにくいのですが、換気扇も音漏れしやすい箇所です。
防音壁がなく、ダイレクトで音が外に漏れてしまうので、気を付けなければなりません。
換気扇用の防音カバーがありますので、それを設置しましょう。
また、窓のサッシにも防音対策が必要です。
壁や天井から響く騒音も、もちろんありますが、外から響いてくる騒音もあります。
音の出入りは、断然、窓からが多いのです。
窓からの音は、ガラスではなく、サッシの隙間から入ってきます。
そのため、できるだけ隙間をなくすことが大切です。
対策は簡単です。
二重窓(内窓)を設置するのです。
気密性が高くなり、音が外に漏れるのを防いでくれます。
窓を取り替える必要もなく、施工費も比較的安く済みます。
ペット可アパートであっても、できるだけ入居者のストレスを減らす工夫が必要です。
本格的にペット可アパートへの変更を考えているのであれば、上記のようなリフォームをするのも良いでしょう。
ペット可アパートはリスクもあるが対策できる
ペット可アパートでは、契約書で、しっかりとルールを決めておくことも大切です。
退去後の原状回復費用についても、明記しておきましょう。
明記することで、トラブルを未然に防ぐことができます。
原状回復については、アパートの入居前にお互い立ち会って、チェックシートで現在の状態を確認しておきます。
このときの状態を、書面に残しておきましょう。
また、ペット可といっても、どのようなペットでも可というわけには、いかないかと思います。
場所によって『大型犬不可』や『2匹まで』など、条件が出てくるでしょう。
もともとペット可アパートでなかった場合、防音などの問題もありますので、状況に合わせて条件を決めます。
ペットの種類や、何匹まで飼育OKなのかも、しっかり決めておきましょう。
飼育についても、管理会社と相談しながら、明確なルールを決めて、契約書に記載しておきます。
ペット可アパートにすることで、空室を埋めることができる可能性は高いです。
しかし、その分リスクもあることを、十分承知しておきましょう。
そのリスクは、前もって対策しておくことで、ある程度防ぐこともできます。
リスクを理解して、対策しておくことが大切なのです。
どの入居者にも快適な暮らしを
ペット可アパートといっても、ペットを飼っていない人が住む可能性もあります。
ペット可にすることによって、空室は埋まるかもしれませんが、生活環境が悪化しては意味がありません。
どの入居者にも、快適に暮らしていただきたいですよね。
大家さんとして、しっかり対策をしておきましょう。