アパートやマンションなど、賃貸住宅の借主の人は毎月管理会社に家賃を納めています。
家賃の払い方は銀行口座からの引き落としや指定された口座への振込みなど様々ですが、振込みの場合は違う銀行から振込むときに振込手数料が発生します。
借りている部屋を事務所にしている個人事業主は、家賃や振込手数料をどのように仕訳しているのでしょうか?
家賃と振込手数料の金額、そして家賃の振込手数料の仕訳についてご紹介します。
借主の家賃の納め方
借りている部屋を事務所にしている個人事業主は、家賃や振込手数料なども会社の経費として仕訳しています。
まずは仕事場にしている賃貸物件の家賃の納め方についてご紹介します。
入居したアパートやマンションの大家さんや管理会社など、貸主側からあらかじめ支払い方法が指定されている場合もありますが、自分で支払い方法を選択できる場合もあります。
家賃の支払い方法について一つずつご紹介します。
・自動引き落とし
あらかじめ賃貸物件の管理会社に自身の口座を登録し、家賃の入金日に口座から自動的に引き落としされるシステムです。
払い忘れや滞納の心配もないので、ほとんどの借主がこの方法で家賃の支払いを済ませています。
・カード決済
クレジットカードで家賃を支払う方法です。
基本的には口座引き落としとあまり変わらないように思えますが、毎月の家賃分のクレジットカードのポイントが貯まります。
・手渡し
賃貸物件の貸主に直接手渡しする方法ですが、最近ではあまりない納め方です。
・銀行振込み
期日までに家賃を指定された銀行に振込む方法です。
こちらも最近ではあまり見かけませんが、物件によっては貸主が銀行振込みを指定しているケースもあります。
様々な家賃の支払い方法があることがわかりましたが、銀行振込みの場合、振込手数料はいくらかかるのでしょうか?
次の項目でご説明します。
主な銀行ごとに見る!家賃の振込手数料の金額
借主の家賃の支払い方法についてご紹介したところで、次に主な銀行の振込手数料についてまとめてご紹介します。
個人事業主にとっては家賃だけでなく振込手数料も仕訳の対象となるため、毎月支払った金額を記録しておく必要があります。
振込む金額によって振込手数料が変動しますが、こちらでは3万円以上の振込金額の手数料をご紹介します。
りそな銀行は振込金額に関係なく、同一の手数料がかかります。
・三菱東京UFJ銀行
窓口の場合:540円(自行宛て)、864円(他行宛て)
ATM(現金)の場合:432円(自行宛て)、648円(他行宛て)
ATM(カード)の場合:108円(自行宛て)、432円(他行宛て)
ネットの場合:0円(自行宛て)、324円(他行宛て)
・みずほ銀行
窓口の場合:540円(自行宛て)、864円(他行宛て)
ATM(現金)の場合:324円(自行宛て)、648円(他行宛て)
ATM(カード)の場合:216円(自行宛て)、432円(他行宛て)
ネットの場合:216円(自行宛て)、432円(他行宛て)
・三井住友銀行
窓口の場合:540円(自行宛て)、864円(他行宛て)
ATM(現金)の場合:432円(自行宛て)、648円(他行宛て)
ATM(カード)の場合:108円(自行宛て)、432円(他行宛て)
ネットの場合:108円(自行宛て)、432円(他行宛て)
・りそな銀行
窓口の場合:540円(自行宛て)、864円(他行宛て)
ATM(現金)の場合:324円(自行宛て)、648円(他行宛て)
ATM(カード)の場合:108円(自行宛て)、432円(他行宛て)
ネットの場合:0円(自行宛て)、216円(他行宛て)
ネットや窓口での支払いかによっても差額はありますが、基本的には他行宛ての支払いは有料となっていて、同じ銀行への振込みでも有料となる場合があるのです。
借主が払う家賃の振込手数料は年間いくら?
振込手数料は銀行によって違いはありますが、108円でも毎月支払うと、年間にすると1296円となります。
さらに、216円なら2592円、324円なら3888円、432円なら5184円、540円なら6480円、648円なら7776円となります。
そして、最高金額の864円であれば、年間で10368円を支払うことになるのです。
このように、一ヶ月なら少額でも、年間で計算すると大きな額になります。
さらに、賃貸に住んでいる期間が長くなるほど、家賃を振込むときの手数料の金額は大きくなるのです。
5年なら108円の場合は6480円、216円の場合は12960円、324円の場合は19440円、432円の場合は25920円、540円の場合は32400円、648円の場合は38880円、864円の場合な51840円となります。
こうして年間でかかる振込手数料を計算すると、なるべくなら手数料は安く済ませたいと考える人がほとんどですし、そんな人たちが振込手数料を払いたくない場合、無料で振込みをする方法はないのでしょうか?
振込先の銀行口座と同じ口座を持っていれば無料で振込むことも可能ですが、もし振込先と同じ口座を持っていなければ口座開設をしなければいけません。
年間でこれだけかかってしまう振込手数料ですが、個人事業主はどのように仕訳しているのでしょうか?
そのご説明の前に、振込手数料を無料にする方法について、次の項目でご説明します。
仕訳をしなくても済む!振込手数料を無料にする方法とは
個人事業主は家賃や振込手数料などを仕訳していきますが、少しでもコストを抑えたい場合、振込手数料を支払いたくはないと考えるのではないでしょうか。
支払わなければ仕訳も行わなくて済みますから、一石二鳥にもなりますよね。
次にご紹介する銀行は、他の銀行に対する振込手数料が無料です。
しかし無料にするには条件がありますので、それぞれの条件についてご紹介します。
・住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行の口座を持っていると、最低でも月に1回までは他行銀行口座に向けての振込みが無料となります。
1回目以降は手数料は有料となりますが、154円と比較的安いです。
・楽天銀行
楽天銀行では給料などの振込を楽天銀行口座に振込むことにより、月に3回まで振込手数料が無料です。
3回を超えると3万円以下なら165円、3万円以上なら258円かかります。
・ソニー銀行
ソニー銀行は月に1回まで振込手数料が無料で、特に条件はありません。
2回目以降は218円かかります。
上記の口座を持っていれば、条件付きですが他行への銀行口座への振込みは無料で行えます。
そして、家賃の支払いだけでなく、他の支払いの際にも適用できるので大変便利です。
次の項目で個人事業主が振込手数料をどのように仕訳しているのかについてご説明します。
個人事業主は振込手数料をどの区分で仕訳している?
振込手数料を無料にする方法をいくつかご紹介しましたが、個人事業主で家賃を銀行振込で納めている場合、ほとんどの方が毎月振込手数料も支払っているでしょう。
年間で計上すると決して安くはない振込手数料ですが、個人事業主は振込手数料をどのように仕訳しているのでしょうか?
まず、個人事業主に限らず、経営をしている人がつけている勘定科目は、大きく資産、負債、純資産、費用、収益に分かれています。
借主側である個人事業主の振込手数料の仕訳は、費用に含まれる借方勘定科目の「支払手数料」にあたります。
振込手数料と同様に、個人事業主が毎月支払うものには、家賃や水道代、電気代などもありますね。
これらも支払ったときに仕訳をしなくてはなりませんが、振込手数料とは違う勘定科目で仕訳をします。
家賃や水道代などがどのように仕訳されるのかについても解説しましょう。
個人事業主の家賃と水道代などの仕訳方法
個人事業主は振込手数料を支払手数料として仕訳されることがわかりましたが、家賃や光熱費はどのように仕訳されるのでしょうか?
家賃を仕訳する場合に使う勘定科目は、費用に含まれる「支払家賃」になります。
また、水道代と電気代は「水道光熱費」の勘定科目でまとめて仕訳されます。
毎月支払う家賃や光熱費、振込手数料のそれぞれの仕訳する方法がわかりました。
ここで気になるのが、振込手数料、家賃や光熱費などをなぜこのように勘定科目ごとに仕訳をする必要があるのでしょうか?
その理由は、一つ一つのお金の出入りを細かく仕訳することによって、お金の計算などの間違いを起こりにくくするためです。
個人事業主とはいえ、会社を経営しているわけですから、ほかにも様々な経費などを仕訳していくことになります。
その際に、ただ「出たお金」と「得たお金」だけで仕訳を行っていたら、何に使ったお金なのか何で得たお金なのかも管理できなくなってしまいます。
会社を経営しているのであれば、コストを抑えながら高い利益を出すことが大切ですから、それを可能にするために勘定科目ごとに仕訳を行うことが重要なのです。
振込手数料は費用の中に仕訳される
銀行振込みで家賃を納めてる個人事業主の振込手数料は、損益計算書の費用に含まれる「支払手数料」で仕訳されることがわかりました。
1回の手数料であれば数百円程度ですが、年間をとおして計算すると振込手数料だけで1万円以上になってしまうケースもあります。
少しでもコストを抑えたいと考える個人事業主であれば、家賃の振込みを銀行振込みではなく引き落としに変更するか、振込手数料が無料になる口座を一つ持っておくと、コストを少なくすることにつながります。
利益を多く出すために、家賃の納め方についても検討してみてください。