賃貸経営者など、個人事業主の方は確定申告が必要になります。
ところが確定申告は申告できる期間が定められていて、申告書を提出する税務署や会場には時間が決められています。
しかし、このや時間内に税務署や会場に行けない方も当然いらっしゃいますよね。
そこで、時間外でも提出できる方法を、お伝えします。
確定申告は税務署へ!時間外は受け付けない?
カレンダーの暦にもよりますが、毎年2月16日から3月15日は確定申告期間です。
賃貸経営者などの個人事業主は、基本的にはご自身で確定申告を行いますよね。
サラリーマンで賃貸経営を行っていて2ヶ所以上から収入がある場合や、所得控除が増えたときも確定申告をする必要があります。
1月1日から12月31日までの1年間の収益から必要経費などを帳簿につけて集計し、確定申告書類に記入して税務署に提出しましょう。
税務署の窓口が空いている日は、祝日を除いた月曜日から金曜日です。
時間帯は、午前8時30分から、夕方5時まで開いています。
確定申告期間の2月16日から3月15日の間に、申告書を提出しましょう。
時間外や土日祝日は、申告書の受付は行っていないので注意してください。
ただし、申告書の提出であれば、税務署にある時間外収受箱に投函することができます。
税務署で確定申告を行えば細かく確認してもらえる
個人事業主で確定申告をする場合は、税務署の窓口に手渡しする方法と、先ほどお話したとおり税務署の閉庁時間外であれば、時間外収受箱に投函することができます。
税務署に直接行って提出する場合は、印鑑が押されているか、添付書類に不備はないかなどその場で確認してもらえます。
また、受領印の控えを貰うこともできるため、出向くのは面倒でも後々手間がかからない方法です。
しかし、確定申告の時期になると税務署は大変混み合います。
申告の確認だけであれば短時間で済みますが、相談をするとなると時間がかかってしまう傾向があるのです。
もし、質問や相談がある場合は、時間に余裕を持って行きましょう。
税務署のほかにも、確定申告の相談会場などで提出する方法もあります。
ただし、相談会場に出向く方たちの半数以上は会場で確定申告書を作成するため、税務署以上に混み合います。
いずれにしても早めに行動し、時間に余裕があるときに確定申告を行いましょう。
時間外でも提出できる時間外収受箱で確定申告
確定申告を行うときは、時間に余裕を持って行動することが必要だとお話しましたが、人によっては税務署や相談会場の窓口が空いているときに行けないかたも大勢いらっしゃいますよね。
そういった方々は、税務署にある時間外収受箱を利用しましょう。
窓口が閉まっていても、確定申告期間内であれば24時間いつでも出せます。
また、税務署に出向けないかたは郵送でも受け付けています。
ただし、税務署や相談会場に直接提出したときと違い、申告ミスがないかなどの確認は当然ながらその場ではできませんので、ミスがないか気を付けましょうね。
税務署にある時間外収受箱でも郵送であっても、収受日付印のある申告書の控えが欲しい場合は、その控えを返送してもらうために、以下のものを一緒に同封しましょう。
●複写で作った申告書の控え
●宛名を記入し、所要額の切手を貼った返信用の封筒(普通サイズ)
これらを一緒に同封することで、収受日付印を押印した申告書の控えが税務署から返送されます。
税務署の時間外でも確定申告できるe-Tax
もうひとつ、ご自宅にインターネット環境とパソコンがあるかたにお伝えしたい確定申告の方法があります。
それは、e-Taxです。
正式な名称は「国税電子申告・納税システム」で、国税庁が管轄しています。
確定申告の申請や提出、納税の手続きが行えることもあって、大変便利です。
税務署などが開いていない時間外であっても、手の空いたときに決算報告書や確定申告書が自宅で作成できるのは嬉しいですよね。
e-Tax対応の市販のソフトはいくつか種類があるので、ご自身に合ったものを選びましょう。
また、スマートフォンからもご利用できます。
では、e-Taxを利用した確定申告の方法を二通り解説いたします。
①パソコンで申告書データを作成後、電子証明書にて送信
ご自身のパソコンで申告書を作る場合は、電子証明書の取得と電子証明書を読み取るためのICカードリーダライタ等を準備しましょう。
②パソコンで申告書データを作成後、紙に印刷して郵送
e-Taxのブラウザ上で申告書を作ってから、申告書をプリンターで印刷します。
データは送信されていないため、印刷した書面を郵送しましょう。
何かわからないことがあれば、e-Taxの操作方法や手続きなどの問い合わせを受け付ける窓口もありますので、相談してみてくださいね。
確定申告をe-Taxで行うメリット
隙間時間にできるe-Taxについて、もう少し詳しくお話します。
e-Taxのメリットとしては、やはり税務署に出向かなくても確定申告ができる点です。
長蛇の列に並ぶこともありませんし、税務署や会場の時間外であっても、オンラインで24時間利用ができます。
ほかにも、e-Tax上で必要項目を入力すると、源泉徴収票や医療費控除の領収書などの書類の提示や提出を省けます。
ただし、こうした書類は処分ぜず、5年間は保管しておく必要があるので注意してくださいね。
そして、電子申告ならではなのですが、計算ミスを瞬時に見抜くことができます。
収入金額や保険料などの金額を入力すれば、自動的に計算してくれるからです。
必要事項の入力抜けも見抜いてエラー表示が出るので、入力漏れやミスを防げます。
e-Taxと連動している会計ソフトなどを利用すれば、作成データをe-Taxに送るともできますよ。
また、e-Taxでの申告は、還付が早いこともメリットのひとつです。
e-Taxでの確定申告は事前準備が必要
e-Taxで確定申告をする利点をお伝えしましたが、デメリットについてもお話します。
まず、インターネット環境がないと行えないことです。
そして、インターネットの環境があっても、国税庁が推奨している環境にあるパソコンか否かを確認しておく必要があります。
個人情報を取り扱う確定申告は、パソコンのセキュリティ面もしっかり対策しておきましょう。
また、e-Taxソフトを使うときは、誰がデータ作成を行っているのか、送信されたデータに改ざん点はないかなどを確認する電子証明書を準備する必要があります。
電子証明書とは、マイナンバーカードや企業の発行した電子証明書などです。
電子証明書は申請してもすぐに交付されるわけではないため、確定申告を行う前に手続きを済ましておきましょうね。
このように、e-Taxを利用する場合は、あらかじめ準備する手間があります。
しかし、パソコン環境は一度準備してしまえば、翌年から準備はしなくてもよいのです。
時間外でも申告できるメリットがe-Taxにはありますが、それでも普段パソコンを使わないかたからすると入力するのも大変ですよね。
税務署に出向いて提出したほうが早い場合もありますので、ご自身がストレスのかからない方法で確定申告してくださいね。
ライフスタイルに合った申告方法
税務署に出向くだけでなく、確定申告を行える方法はいろいろあります。
確定申告が初めてというかたは、直接相談できる税務署や相談会場を利用してみましょう。
もし確定申告に慣れていて、もっと手軽に簡単に行いたいというかたは、e-Taxを利用するのもいいかもしれません。
ご自身の生活スタイルにあった申告方法を見つけてみてくださいね。